表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
恋人に浮気されて意気消沈した俺はお隣に住むデカすぎる美人三姉妹に死ぬほど溺愛される  作者: かくろう
第3部

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

66/78

第66話 傲岸不遜な男

黒峰グループ本社から車で30分ほど離れた、高級住宅街の一角に構える黒峰邸。


重厚な洋館のダイニングルームでは、今夜も派手で乱雑な夕食が続いていた。


「まだ桃峰の娘は顔出ししないのか?」


だらしなく体を椅子に沈め、ステーキを豪快に頬張っている男——黒峰 蓮太郎は、口の端にソースを垂らしながら苛立った声を上げた。


品性の欠片もなく、クチャクチャと音を立てながら噛む姿は、人の醜悪さを押し込めているかのようだと人は思うだろう。


24歳。

身長178cmほどだが、毎日の飲酒と不摂生で腹が大きく突き出て、首の肉もたるんでいる。

高級ブランドシャツのボタンはいくつか外れ、脂ぎった指でナイフとフォークを乱暴に扱っていた。


目の前に立っている秘書は、冷や汗を浮かべながら頭を深く下げた。


「申し訳ありません。まだお返事がありません。桃峰側は『もう少し時間を』と繰り返すばかりで……」


蓮太郎はフォークを乱暴に皿に突き刺し、大きな口を開けて嘲るように笑った。


「は? 時間だと?

あの貧乏親父が俺に逆らえると思ってんのかよ?」


彼はナイフでステーキを切り裂きながら、肉汁を飛び散らせて続けた。


「桃峰の会社なんて、うちが少し締め上げれば明日にも潰れるんだぞ。

それなのに、まだ偉そうに『時間』とかほざいてるのか?

ふざけんなよ、マジで」


蓮太郎はグラスに注がれた高級ブランデーを一気に煽り、げらげらと下品に笑いながら、秘書を睨みつけた。


「いい加減、待つのも飽きてきたな。

そうだ……向こうが来ないなら、こっちから出向いてやるか」


彼は脂ぎった指で秘書の胸倉を乱暴に掴み、顔を近づけた。


「お前、すぐに手配しろ。

桃峰の娘……胡桃とか言ったか?

小柄で可愛いって聞いたぜ。

俺好みじゃねえけど、顔だけは悪くない。

無理やりでも連れてきて、写真だけでも撮ってやろうか。

それで親父を脅せば、話は一気に進むだろ?」


秘書が顔を青ざめさせながら小さく声を上げた。


「しかし、それは……少し強引すぎるのでは……」


「うるせえよ」


蓮太郎は秘書を乱暴に突き飛ばし、再びブランデーをあおりながら、傲慢に鼻を鳴らした。


「俺が気に入った女は、俺のものだ。

桃峰の親父も、胡桃って娘も、全部俺の思い通りになるんだよ。

文句があるなら、今すぐクビだ。

分かったらさっさと動け」


彼はだらしなく笑いながら、グラスをテーブルに叩きつけた。


「早く胡桃を連れてこい。

俺が直接、顔を見てやるよ。

……ふふ、楽しみだな」


ダイニングルームに、蓮太郎の傲慢で下品な笑い声だけが、大きく響き渡っていた。


その笑い声は、胡桃の日常に忍び寄る影を、ますます濃くしていた。


◇◇◇



数日後。


高見沢家のリビングは、珍しく父さんと母さんが揃っていた。


父さんはソファに深く腰を下ろし、コーヒーカップを手にしながら、俺の顔をじっと見つめていた。


「追加の報告が来たぞ、悠真」


父さんはいつもの快活な声で切り出したが、今日は少し真剣味が強かった。


「黒峰グループの動きが活発化している。

桃峰家に対する圧力も、かなり強くなってきているようだ。

特に、胡桃ちゃんの父親が黒峰側にかなり弱い立場に置かれているらしい」


母さんが隣で静かに頷きながら、俺に視線を向けた。


「胡桃ちゃん、本当に大丈夫なのかしら。

顔色が悪いって、悠真が言っていたわよね」


俺はソファの背もたれに寄りかかりながら、ため息を吐いた。


「毎日、黒峰側から連絡が来てるみたいだ。

顔合わせを拒否し続けると、桃峰家の会社に実害が出るって脅されているらしい。

胡桃ちゃん、笑顔を作ってるけど……かなり追い詰められてる」


父さんはカップをテーブルに置き、腕を組んだ。


「黒峰の連中は、ただの企業じゃない。

表向きは綺麗だが、裏でかなり強引な手を打ってくる。

粉飾の疑いも濃厚だ。

うちの調査チームがもう少し深く掘れば、決定的な証拠が出てくるはずだが……まだ時間がかかる」


母さんが少し心配そうに俺の顔を見た。


「悠真、あなたはどうするつもり?

胡桃ちゃんを助けたい気持ちは分かるけど、無理はしないでね」


俺は二人の顔を交互に見て、はっきりと言った。


「俺は胡桃ちゃんを守りたい。

でも、それは一人でできることじゃない。

三姉妹にも相談して、みんなで何とかするつもりだ」


その言葉を聞いた瞬間、父さんは満足げに笑った。


「いい顔をしているな。

お前がそんな顔をするようになったのは、三姉妹のおかげでもあるんだろう」


母さんも柔らかく微笑んだ。


「私たちもできる限り協力するわ。

ただ、黒峰側は油断できない相手よ。

気をつけてね」


その日の夜、白峰家で三姉妹と胡桃ちゃんを交えた話し合いが開かれた。


リビングのテーブルを囲み、みんなが少し緊張した面持ちで座っている。


胡桃ちゃんは膝の上で手をぎゅっと握りしめながら、小さな声で言った。


「黒峰側から、また連絡が来たの……

来週の顔合わせを、絶対に断れないって……」


葵が静かに、しかしはっきりとした声で応じた。


「胡桃ちゃん、一人で抱え込まないで。

私たちも一緒に考えるから」


雛が勢いよく身を乗り出して言った。


「そうだよ! 胡桃ちゃんが困ってるなら、雛たちも全力で助けるよ!

でも、悠真は絶対に私たちの悠真だからね!」


澪は無言で胡桃ちゃんを見つめ、短く言った。


「……守る」


胡桃ちゃんは三姉妹の言葉を聞いて、瞳を少し潤ませながら微笑んだ。


「……ありがとう。

みんながそう言ってくれると、少しだけ心強いよ」


俺はみんなの顔を見て、静かに宣言した。


「俺たちは、胡桃ちゃんを絶対に守る。

黒峰の連中がどんな手を使ってきても、絶対に負けない」


その言葉に、四人の視線が俺に集まった。


まだ完全な信頼関係は築けていない。

三姉妹の胸の中には、胡桃ちゃんへの警戒と嫉妬がまだ残っている。

胡桃ちゃんも、自分の置かれた状況に怯えながら、それでも前を向こうとしている。


それでも——

この日、4人が初めて「一緒に戦う」という気持ちを共有した瞬間だった。


※後書き※

お読みくださり誠にありがとうございます

下部にある「ポイントを入れて作者を応援しよう!」の☆☆☆☆☆の右端を押して

★★★★★に変えて頂けると嬉しいです。

更にその下にある「ブックマークに追加」を押して更新通知をonにしてもらえたらもっと嬉しいです!

よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ