表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
恋人に浮気されて意気消沈した俺はお隣に住むデカすぎる美人三姉妹に死ぬほど溺愛される  作者: かくろう
第3部

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

60/78

第60話 胡桃の計算

朝食の席に移動すると、三姉妹の雰囲気は一変していた。


キスとハグを繰り返す事で機嫌は直り、登校中もいつものようにくっ付いて離れなかった。



HRの時間になり、先生が教室に入ってきた。


「みなさん、今日から新しい転校生が来ます。

みんな、仲良くしてあげてくださいね」


先生の言葉に、俺の胸に何か予感が走った。

なんだろう、このざわめきは。

胡桃ちゃんの明るい笑顔が、ふと脳裏に浮かぶ。


「ま、まさか……」


教室のドアが開き、先生が明るく紹介した。


「みなさーん! ないすとぅーみーちゅー! アメリカから転校してきた桃峰胡桃でーす♪ よろしくねー!」


胡桃が元気いっぱいに手を振りながら入ってきた。


まさかの同じ高校だった。


これからの学園生活……波乱の予感しかしなかった。


◇◇◇


まさかの転入を果たした胡桃ちゃん。


俺の隣の席に座る彼女は、毎日明るく笑いながら話しかけてくる。


「ゆ・う・ま・ちゃーん♡ えへへ、お隣さんだね♡」


その声は無邪気で、甘く、教室の空気を一瞬で柔らかくする。

周りから嫉妬と羨望、あるいは呪詛のような、怨嗟のような声がヒソヒソと聞こえてくる。


――「あの野郎……白峰三姉妹だけじゃ飽き足らず、転校生まで口説いてやがるのか」

――「見直して損したぞ。やはりキサマは男の敵だ」

――「リア充モゲろ」


四方八方から突き刺さる視線に、俺は居心地が悪くなる。

なんだって俺がこんな目に……。自分じゃ何もしてないだけに反論したくて溜まらなかった。


胡桃ちゃんはそんな周囲の声を全く気にせず、女子たちに囲まれながら明るく笑っている。


「胡桃ちゃん可愛い~。ねえ、ハーフなの?」


「ううん。純度100%の日本人だよー。帰国子女って奴?」


女子に囲まれた胡桃ちゃんはピースサインをしながら自信満々に答える。


「やっぱり英語ペラペラなの?」


「一応ね。英語とドイツ語・フランス語・イタリア語が喋れるよ」


「すごーい!」


胡桃ちゃんは明るく笑いながら、まるで舞台の上のアイドルのように手を振り、

周囲の女子たちをあっという間に味方につけていく。


その笑顔は無邪気で、天真爛漫。

でも、俺には微かにわかる——あの笑顔の裏に、ほんの少しだけ計算された可愛らしさが潜んでいることに。


俺は隣の席で、ただ静かに座っているしかなかった。


胡桃ちゃんは昔から小さくて可愛かった。

でも、今の彼女は13年間の海外生活で磨かれた、もっと洗練された可愛らしさを持っている。

ピンクがかった髪が軽やかに揺れ、大きな瞳がキラキラと輝くたび、教室の空気が少しずつ彼女中心に回り始めている気がした。


ふと、胡桃ちゃんの明るい笑顔を見た瞬間、幼い頃の記憶が鮮やかに蘇ってきた。


新体操の練習場。

まだ小さかった頃、俺は三姉妹と一緒に胡桃ちゃんの練習を見に行ったことがあった。

白峰家と桃峰家が親戚同士で、よく合同で遊びや練習を見学していたのだ。


あの頃の胡桃ちゃんは、本当に小さくて華奢だった。

144cmという今とほとんど変わらない身長で、リボンをつけたツインテールがくるくる回るたび、

俺は「すごいな……」と目を輝かせて見ていた。


胡桃ちゃんの演技は、軽やかで華麗だった。

小柄さを活かした空中技や、柔軟な体を最大限に使った回転。

音楽に合わせて体を優雅に動かす姿は、まるで人形が生きているようだった。


隣で雛が興奮して飛び跳ねていたのを覚えている。


雛は当時から明るく元気で、ジャンプ力と表現力が抜群だった。

胡桃ちゃんは「雛ちゃんみたいに元気に演技したい!」と笑いながら、

二人はいつも練習後に一緒にアイスクリームを食べながら競い合っていた。



無邪気なライバル関係が、二人の絆を強くしていた。


俺はただ、二人の演技を応援しながら、微笑んで見守っていた。

あの頃の俺にとって、新体操は「女の子たちのキラキラした世界」だった。


胡桃ちゃんは俺のことを「悠真ちゃん」と呼び、

練習が終わると必ず俺のところに駆け寄ってきて、

「胡桃の演技、悠真ちゃんに一番に見てほしかったの!」と笑顔で聞いてきた。


その笑顔が、とても可愛くて、俺はいつも頭を撫でてあげていた。


今、胡桃ちゃんが転校生として現れたことで、

あの頃の記憶が一気に蘇り、胸の奥が温かく疼いた。


胡桃ちゃんは今も変わらず小さくて可愛らしい。

13年の海外生活は、彼女をどう変えたのだろうか?


あるいは全く変わっていないのか。



胡桃ちゃんは「もう一人の幼馴染み」として、確かに大切な存在だ。

でも、今の俺にとって一番深い絆を感じるのは、三姉妹との関係。

あの幼い頃の純粋な友情とは、少し違う、もっと熱くて、甘い想い。


ぼんやりと昔のことを思い出していると、胡桃ちゃんがとんでもない爆弾を放り投げた。


教室の空気が一瞬で凍りつき、次の瞬間、激しい波紋が広がっていく。


「ねえ、胡桃ちゃんと高見沢君はどういう関係なの?」


女子の一人が好奇心たっぷりに尋ねた瞬間、胡桃ちゃんは明るく笑いながら、迷いなく答えた。


「うん、実はね、胡桃、悠真ちゃんのお嫁さんになるの!」


ザワッ……


教室全体が一気にざわめいた。


男子たちの顔が青ざめ、女子たちの目が大きく見開かれる。

一瞬の静寂の後、教室は阿鼻叫喚の地獄絵図と化した。


「は? お嫁さん!? 何言ってんだよ!」


「マジかよ……高見沢の野郎、白峰三姉妹だけじゃ足りねえのか!」


「転校初日にいきなりお嫁さん宣言とか……ふざけんなよ!」


男子たちが次々と声を荒げ、机を叩く音や椅子を蹴る音が教室中に響き渡る。

一部の男子は頭を抱え、絶望的な叫びを上げていた。


「リア充爆発しろ……!」


「高見沢、死ね! 死ね! 死ね!」


「俺たちに残されたのは絶望だけだ……」


女子たちもざわつき、胡桃ちゃんを囲んで興奮気味に質問を浴びせ始める。


「え、胡桃ちゃん本気? 高見沢君とどういう関係なの!?」


「幼馴染みって本当? いつからそんなことになってたの!?」


胡桃ちゃんはそんな周囲の反応をものともせず、

ピンクの髪を軽く揺らしながら、にこにこと笑顔を崩さない。


俺は隣の席で、ただ呆然とその光景を見つめていた。


心臓が激しく鳴り、頭の中が真っ白になる。

胡桃ちゃんの明るい笑顔と、幼い頃の記憶が重なり、胸の奥が熱く疼いた。


でも、今の教室は完全に阿鼻叫喚の地獄絵図だ。

男子たちの怨嗟の声が四方から俺に突き刺さり、

女子たちの好奇の視線が胡桃ちゃんに集中している。


胡桃ちゃんはそんな騒ぎを浴びながらも、

俺の方を向いて、大きな瞳を輝かせて言った。


「悠真ちゃん、よろしくね♡」


その瞬間、教室の喧騒がさらに大きくなった。


俺はただ、静かに息を飲み込みながら、

この突然の波乱に、どう対応すればいいのか、頭をフル回転させていた。


「胡桃ちゃん、今日は一緒に帰ろう」

「うん♪」


胡桃ちゃんには早めにお断りの話をしておかないとな。


※後書き※

お読みくださり誠にありがとうございます

下部にある「ポイントを入れて作者を応援しよう!」の☆☆☆☆☆の右端を押して

★★★★★に変えて頂けると嬉しいです。

更にその下にある「ブックマークに追加」を押して更新通知をonにしてもらえたらもっと嬉しいです!

よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ