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恋人に浮気されて意気消沈した俺はお隣に住むデカすぎる美人三姉妹に死ぬほど溺愛される  作者: かくろう
第3部

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第57話 幼馴染み、帰還せり!

午後の柔らかな陽光が、成田空港の広い到着ロビーに差し込んでいた。


多くの旅行者やビジネスマンが行き交う中、一人の小柄な少女が国際線到着ゲートをくぐり抜けた。


身長は144cmほど。

明るいピンクがかったロングヘアをツインテールに結び、毛先が軽やかに跳ねながら揺れている。

大きな瞳と童顔が印象的な、まるでお人形のように可愛らしい少女だった。


彼女はピンクの小さなキャリーケースを軽やかに引きながら、ロビーを見回した。

長い海外生活を終え、ようやく日本に帰ってきた実感が、胸の奥にじんわりと広がっていく。


少女は小さな手を胸の前で軽く握り、瞳を輝かせながら、静かに、しかしはっきりと呟いた。


「ふふふ、帰ってきた。胡桃は日本に帰ってきましたよ! さあ、愛しの愛しの悠真ちゃんに会いに行きましょう!」


ふふ……13年ぶりの再会。


悠真ちゃん、びっくりするかな?

それとも……もう、私のことなんて覚えていないのかな?


少女——桃峰胡桃は、空港の出口に向かって軽やかな足取りで歩き始めた。


ピンクのツインテールが、午後の光の中で優しく揺れる。


彼女の胸の内には、13年間ずっと温め続けてきた想いが、静かに、しかし熱く燃えていた。


「悠真ちゃん……待っててね。

胡桃、ちゃんと帰ってきたから」


胡桃は小さく微笑みながら、自動ドアをくぐった。


日本の空気が、彼女を優しく迎え入れる。


これから始まる、新しい物語の予感が、空港の喧騒の中で静かに広がっていった。


◇◇◇


高校生活の節目となる修学旅行から戻って、1週間が経過した。


季節は春。4月の後半に入って、次はゴールデンウィークが目の前に迫っている。



俺は白峰三姉妹と共に、本当に平和で甘々な日常を過ごしていた。


将来を誓い合い、三人一緒に娶って幸せにする未来を作る。


それが今の俺が掲げる目標だ。



今日も平和な時間が流れる俺と三姉妹の日常。


そんなある土曜日の午後、白峰家のリビングはいつものように柔らかな光に満ちていた。

俺はソファの真ん中に深く腰を沈め、葵が淹れてくれた温かい紅茶をゆっくりと飲んでいた。

湯気の向こうで、蜂蜜色の髪が俺の肩に優しく預けられ、穏やかな息遣いが伝わってくる。

葵の体温が、静かに俺の左側を包み込んでいた。


右側では雛が俺の腕にぴったりと絡みつき、スマホの画面を眺めながら時々小さく笑う。

その笑い声が、胸の奥をくすぐるように明るく響く。

背中からは澪が静かに体を預け、無言で俺の手に自分の指を絡めてくる。

冷たくて細い指先が、俺の掌にじんわりと熱を伝えてくる。


「……♡」

「……♪」

「ふ、ふ、ふーん♪」


葵は幸せそうに寄り添い、背中からは澪の嬉しそうな息遣いが聞こえ、右側の雛は喜びを表す鼻歌を歌っている。


なんだかんだで、日替わり恋人制度が適用されない週末は、俺たち四人がこうして寄り添って過ごすことが多くなっていた。


三人を一緒に娶ることになり、全員が俺の恋人ということになったが、やはり2人きりの時間は欲しいとのことで日替わり恋人制度は継続することになった。


そして今日は週末。四人で一緒に過ごす日だ。


この穏やかで、甘くて、誰も邪魔をしない時間が、最近の俺にとって何よりも心地よいものになっていた。

心の底から、安心感と幸福感がじんわりと染み渡る。


「悠真くん……キス、していい?」

「ん、いいよ」

「えへへ、……ちゅ♡」


「ゆーま、澪も」

「おう」

「ちゅー♡」


「悠真悠真っ、雛も~」

「もちろん」

「んちゅー♡」


こうして穏やかに過ごし、時折キスをして過ごすのんびりとした午後。


ああ、幸せだなぁ。




その時、玄関の方からインターホンの音が静かに響いた。


使用人の人が葵を呼びに来て、玄関まで対応に出ていった。

数分後、戻ってきた葵の表情は何故だか硬かった。

まるで望まぬ来訪者を迎え入れてしまったかのような、微かな緊張がその瞳に宿っている。


「悠真くん……実は」


トトトトトトトト――


葵が何かを言いかけたその時、廊下の方から軽い足音が近づいてくる。

バンッ――


「悠真ちゃーーーーーん♡」


「え、うわっ!?」


「「「なっ!?」」」


小さな影が扉の向こうから飛びだしてきた。


「ぐぼらばっ!?」


小さな塊がミゾオチにタックルしてくる。

肺の中の空気が一気に押し出され、カルガモが首を絞められたような声が出てしまう。

息が詰まり、視界が一瞬白く霞むほどの衝撃だった。


「悠真ちゃん悠真ちゃん悠真ちゃ~~ん♡ 会いたかったよぉ♡」


「おごごっ、ほご、んぐっ、ちょ、ちょっとっ」


なおもミゾオチをグリグリと頭で擦る何者かの肩を掴み、慌てて引き剥がす。

そこに立っていたのは——


140cmほどの、極端に小柄な少女だった。


明るいピンクがかったロングヘアをツインテールに結び、毛先が軽やかに跳ねている。

大きな瞳と童顔が印象的な、まるでお人形のように可愛らしい少女。


彼女は俺を見るなり、瞳を大きく輝かせ、

両手を胸の前で軽く握りしめながら、弾むような声で言った。


「悠真ちゃん! 久しぶり! 私の事、覚えてる……?」


その瞬間、三姉妹の視線が一斉に少女に向けられた。

葵の指が俺の手を少し強く握り、澪の体が俺にさらに寄り添い、

雛の腕が俺の右腕をぎゅっと抱きしめる力が、ほんの少し強くなった。


俺は記憶の底から、ゆっくりとその名前を呼び起こした。


「もしかして……胡桃ちゃん?」


少女——胡桃は、俺の声に反応して、満面の笑顔になった。


「うん! 正解!

ふふふ、悠真ちゃん、ちゃんと覚えててくれたんだ……嬉しい!」


その笑顔は、無邪気で明るく、

しかしどこか計算されたような可愛らしさも同時に持っていた。


それは、俺達4人のもう1人の幼馴染み、桃峰胡桃その人であった。


実に、13年ぶりの再会である。


桃峰胡桃……。


その名前を聞いた途端、幼い頃の記憶が、まるで堤防が決壊したように一気に溢れ出した。




胡桃は俺の反応を見て、瞳をさらに輝かせ、

小さな体を少し前へ乗り出すようにして言った。


「悠真ちゃん……本当に覚えててくれたんだ……

胡桃、すっごく嬉しい……!」


その声は、13年前のままのように明るく、無邪気だった。


三姉妹の視線が、俺と胡桃の間に静かに集中する。

葵の指が俺の手を少し強く握り、澪の体温が俺の左側からより密に寄り添い、

雛の腕が俺の右腕をぎゅっと抱きしめる力が、ほんの少し強くなった。


俺は胸の奥で、懐かしさと、現在の三姉妹への深い愛情が、

静かに、しかし確かに混ざり合うのを感じていた。


この瞬間、

これまで続いてきた甘い日常に、

小さな、しかし確かに新しい波が立ち始めていた。


「胡桃ちゃん……確かアメリカに引っ越したんじゃ」


「うん! アメリカに引っ越して、その後スイスにお引っ越しして、またアメリカに行って、今年になってお父さんの仕事の都合で戻ってきたの。今週から日本の高校に通うんだ!」


「そうだったのか。ともかくお帰り胡桃ちゃん。会えて嬉しいよ」


「胡桃も嬉しい! 胡桃ね、海外にいる間もずっと、あの時の約束忘れなかったよ。あの時の約束を果たす為に帰ってきたの」


あの時の約束? 小さい頃に遊んだ記憶はあるけど、何か約束しただろうか?


「もしかして、忘れちゃったの?」


「えっと……ごめんね。何しろあの頃は色んな事に夢中だったからさ」


「そっか。ううん。気にしないで。ちゃんと胡桃が思い出させてあげる」


「ホントにごめんね。それで、どんな約束したんだっけ?」


それを尋ねた瞬間、なんとも言えない奥深い笑みを浮かべた胡桃ちゃんは、俺の肩に手を置いてとんでもない行動に出た。


「胡桃はね、悠真ちゃんのお嫁さんになりに来たの!」


「……え? むぐっ!?」


「んちゅうううううう♡」


「「「なっ!?」」」



唇を塞がれた。


柔らかくてにゅるっとした何かが入り込み、甘い香りと共にズクズクとした感触が脳髄を支配する。


「んちゅんちゅ♡ はみゅ♡ んんん♡ ちゅーーー♡」


その瞬間、三姉妹の反応が爆発した。


「はっ! ちょ、ちょっと胡桃ちゃんっ! 悠真くんから離れなさい!」


葵の声が普段の柔らかさを完全に失い、鋭く響き渡った。


大きな手が素早く伸び、胡桃の肩を掴もうとするが、胡桃の小さな体が俺に密着しすぎていて、なかなか引き剥がせない。


「完全……アウト!」


澪の声が低く、しかし普段より明らかに苛立ったトーンで響く。

無表情の顔が一瞬で歪み、漆黒のストレートヘアが激しく揺れた。

彼女は即座に俺の左側から身を乗り出し、胡桃の腕を強く引き剥がそうとする。


澪の呼吸がわずかに乱れ、耳の先が赤く染まっている。


「雛たちの悠真なのにーーーっ! ズルいよ胡桃ちゃん!」


雛の声が一番大きく、元気いっぱいの明るさが完全に崩れ落ちた叫びになった。

彼女は俺の右腕をぎゅっと抱きしめたまま、体を思い切り前に乗り出し、胡桃の背中に手を伸ばして引き離そうとする。

大きな瞳に涙がにじみ、栗色のセミロングが激しく跳ねる。


三姉妹が一斉に動き、狭い空間で胡桃を引き剥がそうとする姿は、

普段の優しく甘い雰囲気とは全く違う、慌てふためいた混乱に満ちていた。


「な、何を……胡桃ちゃん?」


俺はあまりの出来事に茫然自失となってしまい、声を出すのも忘れてぼんやりとしてしまった。

唇に残る柔らかい感触と甘い香りが、まだ脳裏に焼き付いている。


「えへっへへ~♡ 悠真ちゃん、胡桃の事、お嫁さんにして♡」


胡桃は俺から離れても、満面の笑顔で両手を頰に当て、嬉しそうに体をくねらせている。


三姉妹の視線が、胡桃と俺の間に鋭く集中した。


※後書き※

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