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恋人に浮気されて意気消沈した俺はお隣に住むデカすぎる美人三姉妹に死ぬほど溺愛される  作者: かくろう
第2部

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第48話 3日目 4人だけの時間

3日目の朝、函館のホテルで目が覚めた。


クラス行動の2日間を終え、今日からようやく後半の自由行動が始まる。


ある意味で、俺達にとっての修学旅行は、ここからが本当の始まりといっても言い過ぎではないだろう。


前半の二日間も良い思い出ではあったものの、やはり三姉妹と過ごすこの3日目からが本番だ。


朝食を済ませ、ホテルのロビーで三姉妹と合流した瞬間、俺の胸が少し高鳴った。


葵が優しい笑顔で近づいてきて、俺の左手を自然に握った。


「悠真くん、おはよう。

今日からやっと4人だけで過ごせるね……楽しみだわ」


雛が右側から俺の腕に飛びつくように絡みつき、元気いっぱいに笑った。


「えへへ~! やっと悠真と4人で回れる!

今日はいーっぱい甘やかしてあげるからね!」


澪は無言で俺の後ろに立ち、静かに俺のカバンを取りながら、

背中に自分の体を軽く寄せてきた。


「……ゆーま、今日はずっと、そばに」


「夕べは早く夜が明けて欲しくて中々寝付けなくて」

「寝不足……」

「えへへ、雛は楽しみ過ぎて五時に起きちゃった」


「ははは、みんなはしゃぎすぎだろ」


三姉妹の温もりと甘い香りに囲まれ、俺は小さく息を吐いた。


「じゃあ、行こうか」


「「「はーい♪」」」


後ろで呪詛の念を送ってくるクラスメイトの男子達の視線を背中に感じながら、俺は歩き出した。




まずは朝市へ向かった。


新鮮な海鮮が並ぶ市場は活気にあふれ、蟹やイカ、ウニが所狭しと並んでいる。


事前の調べによれば、ここは観光客狙いのぼったくり商品が跋扈する危険地帯。


お店選びは慎重にしなければならない。


雛が俺の腕を引っ張りながら目を輝かせた。


葵は俺の左手を握ったまま、優しく微笑みながら海鮮丼を選んでくれる。


澪は無言で俺の背後に立ち、時折俺の肩に手を回してくる。


4人で朝市を回り、美味しい海鮮丼を食べた後、俺たちは香雪園へと足を向けた。


雛がウニ丼にいくら丼に特盛り海鮮丼をお替わりしたりして、食い倒れになりかけるというひと幕もあり、周りから大注目だった。


更には葵がぼったくり商品で金を取ろうとしてきた出店で極限の値切り交渉をやらかし、店主を涙目にさせていた。


食べるといえば澪も凄かった。


たまたまテレビの大食い番組のロケ現場に遭遇し、有名な大食いタレント達がヒイヒイいいながら食べる超特大海鮮丼をシレッと平らげて番組ロケを中断させたりと……。


ただでさえ目立つ身長に圧倒的な美貌。


そこら中でスカウトやスマホを向ける一般人に囲まれて大騒ぎだった。


そうして俺達がやってきたのは、観光客が少なく、静かな日本庭園。


赤く染まった紅葉と苔むした石灯籠の間を、4人でゆっくり歩いた。


葵が俺の左腕に寄り添い、穏やかな声で言った。


「ここ、静かでいいわね……

悠真くんとこうして歩けるだけで、幸せだよ」


雛が右側から俺の腕を抱きしめながら、明るく笑った。


「雛も! 悠真と4人でいるの、すっごく落ち着く!」


澪は俺の後ろから静かに抱きつき、耳元で低く囁いた。


「……ゆーま、離れないで」


三人に囲まれて静かな庭園を歩く。


格好は相変わらずロズウェルの宇宙人だ。


庭園の奥にある小さなベンチに座ると、三姉妹が自然に俺を囲んだ。


葵が俺の左肩に頭を預け、

雛が右側から体を密着させ、

澪が後ろから俺の腰に腕を回してくる。


ベンチが小さいので、俺は澪に抱きかかえられるようにして座るしかなかった。


扱いは完全に子供である。


冷たい秋の風が吹く中、三人の体温だけが俺を温かく包み込んでいた。


香雪園の静かな庭園を、4人でゆっくりと歩いていた。


赤く染まった紅葉と、苔むした石灯籠が、秋の柔らかな光に照らされている。

観光客が少なく、ほとんど私語すら聞こえない静けさが、心地よかった。


葵が俺の左手を優しく握りながら、穏やかな声で言った。


「ここ、すごく綺麗ね……

悠真くんとこうして歩けるだけで、胸がいっぱいになるわ」


雛が右側から俺の腕に絡みつき、元気いっぱいに笑った。


「えへへ、悠真と4人で紅葉見るの、初めてだね!

なんか、すっごく特別な感じがする!」


澪は俺の後ろから静かに寄り添い、無言で俺の腰に腕を回してきた。

その温もりが、言葉以上に優しく伝わってくる。


俺たちは庭園の奥にある古い石のベンチに腰を下ろした。


葵がスマホを取り出し、柔らかく微笑んだ。


「せっかくだから、4人で写真を撮ろうよ?

ここでの思い出、残しておきたいわ」


雛がすぐに飛びついた。


「やるやる! 雛、悠真の隣に座りたい!」


4人でベンチに並び、葵が自撮りモードでスマホを構える。


俺の左に葵、右に雛、後ろから澪が俺の肩に顔を寄せてくる。

三人の体温と柔らかい感触が、同時に俺を包み込んだ。


「はい、笑って〜」


シャッター音が響く。


何枚か撮った後、雛がスマホの画面を覗き込んで嬉しそうに言った。


「わあ、いい感じ!

悠真、真ん中にいると、すっごく落ち着くよね」


葵が写真を見ながら、優しく目を細めた。


「本当に……4人でこうしていると、昔のことを思い出すわ。

小さかった頃、みんなで公園で遊んだり、雨の日に傘を奪い合ったり……」


澪が珍しく口を開いた。


「……あの頃も、ゆーまは優しかった」


俺は三人の言葉を聞きながら、胸の奥が温かくなるのを感じた。


「そうだな……

胡桃ちゃんも一緒にいた頃は、毎日が賑やかだったよな。

雛と胡桃ちゃんが新体操の練習で張り合って、俺が仲裁に入ったり……」


雛が俺の肩に頭を乗せながら、懐かしそうに笑った。


「うんうん! あの時、雛が転んで泣いちゃって、悠真が『大丈夫、僕が守るから』って抱き上げてくれたよね……

今でも覚えてるよ。あの温かさ」


胡桃ちゃんか……懐かしい名前だな。

確か俺達が10歳になるかならないかくらいの頃に、海外に引っ越してしまったもう1人の幼馴染み。


あの頃は小っちゃくて可愛かった彼女も、今ではどんな女性に成長しているだろうか……。


葵が俺の手を優しく握りしめ、静かに言った。


「私も……覚えてる。

悠真くんがいつも、私達の中心にいてくれた。

大きくなっても、その気持ちは変わらないわ……むしろ、もっと強くなったかも」


澪が俺の背中に額を軽く押しつけ、低い声で囁いた。


「……ゆーま、ずっと……そばにいて」


4人で昔話をしていると、時間がゆっくり流れるような気がした。


香雪園の紅葉が風に揺れ、静かな音を立てる。


俺は三人の温もりに囲まれながら、静かに思った。


この思い出が、これからも増えていけばいい。


でも、どこかで感じる小さなざわめき。


この4人の関係は、

これからどう変わっていくのだろう。


やがて、俺たちはベンチから立ち上がり、次の目的地へと歩き始めた。


香雪園の静かな庭園を後にしながら、

4人の足音が、柔らかく秋の空気に溶けていった。


俺は目を閉じながら、静かに思った。


この時間が、ずっと続けばいいのに。


でも、どこかで感じる小さなざわめき。


修学旅行が終わった後、

この4人の関係はどうなっていくのだろう。


香雪園の紅葉が、静かに風に揺れていた。

※後書き※

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