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恋人に浮気されて意気消沈した俺はお隣に住むデカすぎる美人三姉妹に死ぬほど溺愛される  作者: かくろう
第2部

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第47話 函館の空の下で

函館空港に到着したのは、午後遅くだった。


クラスメイトたちと一緒にバスを降り、スーツケースを引きながら到着ロビーに入った瞬間、冷たく澄んだ空気が頰を撫でた。


1日目はクラス行動だった。


ホテルにチェックインを済ませ、すぐに五稜郭公園へ移動した。

星形の美しい堀と石垣が広がる公園内を、クラスメイトと一緒に歩きながら、俺は静かに周囲を眺めていた。


クラスメイトの男子が、俺の横に並んで歩きながら話しかけてきた。


「高見沢、お前後半は三姉妹と回るんだろ? マジで羨ましいわ……」


俺は軽く肩をすくめて答えた。この会話、何回目だ?


もしかして俺はタイムリープをしているのだろうか?


「約束してるからな」


俺はbotのように同じ返事を繰り返す。

別の男子が後ろから悔しそうに声を上げた。


「俺らクラスで回るのなんか味気ねえよ……

せめて写真だけでも後で送ってくれよ」


公園を一周し、ホテルに戻る頃には、すでに空が少しずつオレンジに染まり始めていた。


昼食の時間、クラスメイトの女子たちが少し離れた席から俺のほうをチラチラと見ていることに気づいた。


一人の女子が、小さな声で友達に囁いているのが聞こえた。


「ねえ、高見沢君ってさ、よく見たら結構良い感じじゃない?」


もう一人がくすくすと笑いながら返した。


「だねー、少し背丈は足りないけど、可愛い顔立ちしてるし」


さらに別の女子が、からかうようなトーンで加わった。


「しかもお金持ちだもんね。ひょっとして狙い目だったり?」


一人が慌てて声を抑えた。


「ダメダメ。白峰三姉妹に目を付けられたら学内で居場所なくなるよ」


「そうそう。生徒会長を怒らせたらどうなるか……」


女子たちの会話はすぐに小さくなり、俺は知らないふりをして弁当を食べ続けた。


なんだか最近はこういう視線とひそひそ話がよく聞こえるようになってきた。


凪沙と朝倉瑛斗関連の事件を経て、俺はクラスの中で「美人三姉妹に囲まれるチビ」というポジションから、「実はデキるチビ」に昇格?していた。


もう少しマシな呼び方ないんだろうか?





午後にはクラスごと赤レンガ倉庫街を散策した。


レトロな建物と海の匂いが混じり合う街並みを歩きながら、俺はクラスメイトと適度な距離を保って会話を交わした。


一人の女子が、俺の横に並んで軽く話しかけてきた。


「高見沢君、修学旅行どう? 楽しんでる?」


俺は素直に頷いた。


「まあ、いい感じだよ」


彼女は少し微笑みながら、


「後半、自由行動楽しみだね」


と言って、すぐに自分のグループに戻っていった。


その一言に、わずかな期待のようなものが混じっている気がして、俺は小さく息を吐いた。


夕方、ホテルに戻った頃には、すでに空が暗くなり始めていた。


部屋の窓から見える函館の夜景は美しかったが、

俺の頭の中は、明日の自由行動のことでいっぱいだった。


3日目から始まる後半の自由行動。

そこでようやく、三姉妹と4人で過ごせる時間ができる。



◇◇◇


【朝倉瑛斗 視点】


退学処分が下ってから、ちょうど1ヶ月が経っていた。


深夜2時過ぎ。


親が経営する居酒屋「瑛」の2階、自宅の部屋で俺は目を覚ました。


1階の店内からは、まだ酒の匂いと煙草の臭いが微かに上がってくる。

父親はカウンターで飲み過ぎて寝落ちしたまま、母親は隣の部屋でいびきをかいている。


俺はベッドから起き上がり、暗い部屋の中でスマホの画面を睨んだ。


「チィ……うぜぇ」


また警察から連絡が来ていた。


【明日10時までに任意同行願います。事情聴取を行います】


指が震えた。


もう限界だった。


警察だ? 冗談じゃねぇ。俺は何も悪くない。


悪い事なんて何一つしちゃいないんだ。


それをちゃんと証明しなければ。今は時間を稼がないと。


俺は悪くねぇ。そう、全部凪沙が悪いんだ。


「そうだ、全部……凪沙のせいだ。あの女がちゃんと金を引っ張ってこなかったから……俺がこんな目に遭ってるんだ」


自分に言い聞かせるように呟きながら、俺は立ち上がった。


クローゼットを開け、適当な服を詰め込んだスーツケースを引っ張り出す。

金は必要だ。


1階のレジに下り、父親が寝ているのを確認しながら、

レジの中の現金と、店の金庫からありったけの札束を掴み取った。


数十万円はある。

これでしばらく逃げられる。


父親の寝息が聞こえる中、俺は静かに店を出た。


外の冷たい夜風が、頰を叩いた。


「俺は何も悪くない……全部、あの女と悠真のせいだ……」


そう呟きながら、俺は暗い路地を歩き始めた。


夜風が親父に殴られた頬に染みた。苛立ちが更に加速する。


(ともかく逃げねぇと……。刑務所なんぞに入ってたまるかってんだ)


どこかへ行くあてもない。


ただ、警察に捕まる前に、

この街から逃げなければならなかった。


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