第41話 朝・出かけるまでが戦場
朝の光が部屋に差し込む中、俺はようやくベッドから這い出そうとしていた。
「はあ……やっと起きられた……」
体中が甘ったるい疲労で重い。昨夜の三姉妹の総攻撃が、まだ全身に染みついている。
「早く着替えなくっちゃ。もうこんな時間だぞ……」
パジャマのボタンに手をかけた瞬間、後ろから甘い声が飛んできた。
「だめだよ、悠真くん♡」
振り返ると、三姉妹がベッドの上で俺を囲んでいた。
まだパジャマ姿のまま、大きな瞳をキラキラさせながら。
葵がにこっと微笑みながら言った。
「着替えなら……私達が手伝ってあげるね。
ね? 悠真くん」
「お、おい! 堂々と着替え始めるんじゃない!
はしたないザマスよっ!」
俺が慌てて止めたが、すでに手遅れだった。
葵が優雅にパジャマの上着を脱ぎ捨てる。
蜂蜜色の髪がさらりと流れ、ノーブラの豊満すぎる胸が、朝の光の中でゆさりと重く揺れた。
「ふふ……悠真くん、ちゃんと見ててくれる?
今日はどのブラがいいかしら……」
澪は無言でパジャマを肩から滑り落とした。
漆黒のストレートヘアが白い肌に絡まり、彼女もノーブラのまま。
静かに、でも堂々と上半身を晒しながら、俺をじっと見つめてくる。
「……ゆーま、どれがいい?
……この方が、ゆーまが好きそう……」
雛は一番元気よくパジャマを脱ぎ飛ばした。
「えへへ~! 朝から悠真に見られちゃうの、ちょっとドキドキするねー!
ほらほら、悠真! 雛のこれ、どう思う? えへへ♡」
三姉妹とも、下はパンティだけを残した状態で、俺の目の前で堂々と着替えを始めていた。
俺は慌てて両手で顔を覆った。
「うわっ、ちょっと待て! お前ら、ノーブラで堂々と……!」
しかし、指の隙間から、どうしても視線が吸い寄せられてしまう。
葵の柔らかく重そうな胸が、腕を動かすたびにゆったりと揺れる。
澪の白く滑らかな肌と、形の良い膨らみが静かに強調される。
雛の健康的に弾むような胸が、元気いっぱいに跳ねる。
三人は俺が指の隙間から覗いていることに、完全に気づいていた。
葵がくすくすと笑いながら、わざとゆっくりと新しいブラを探し始めた。
「悠真くん……指の隙間から見えてるよ?
ふふ、恥ずかしいのに、ちゃんと見てくれてるの……嬉しいな♡」
澪が無表情のまま、でも耳まで真っ赤にしながらブラウスを手に取った。
「……ゆーま、じーっと見てる……
……もっと、見たい?」
雛はくるりと回って、俺に胸を強調するようなポーズまで取った。
「ほらほらー! 悠真、雛のこれ、気に入った?
もっと近くで見たいなら、来て来てー♡」
俺の朝勃ちは、もう限界を超えていた。
心臓がばくばく鳴り、頭がぼーっとする。
「朝っぱらから心臓に悪いぜ……
お前ら、本当に……はしたないにも程があるだろ……!」
三姉妹はそんな俺を見て、嬉しそうに笑った。
葵が優しく、でも少し意地悪く言った。
「ふふ……悠真くんがそんな顔するの、可愛い……
あと五分だけ……ね? まだ学校に行く時間じゃないよ?」
澪が低く、熱を帯びた声で囁いた。
「……まだ、離したくない……
ゆーまの熱いところ……もっと、感じたい……」
雛は俺の胸に飛びついて、元気いっぱいに擦りつけながら笑った。
「えへへ~! 雛、まだ全然足りないよー!
もっとぎゅーってしたいもん! 悠真のここ、硬くなってるし……♡」
三人の体重と柔らかい圧迫が、俺をベッドに沈めていく。
幸せすぎて、息ができない。
でも、この甘い重みから逃げたいという気持ちは、なぜか全く湧いてこない。
俺は天井を見つめながら、掠れた声で呟いた。
「……暴発してしまいそうだ」
三姉妹は俺の言葉を聞いて、ますます嬉しそうに笑った。
今日も、学校へ行くまでが戦場だ。
◇◇◇
三姉妹の朝の総攻撃からなんとか逃れ、ようやくリビングに移動した。
テーブルには、すでに葵が作った朝ごはんが並んでいる。
ほかほかご飯に、香ばしい味噌汁、卵焼き、焼き鮭、キュウリの酢漬け、そして納豆。
典型的な日本の朝ご飯。これは朝から食欲が出る。
「ほら、悠真くん。温かいうちに食べてね」
葵が優しく微笑みながら、俺の隣に座った。
澪は無言で俺の左側に、雛は元気よく俺の右側に陣取る。
三人とも制服に着替えてはいるが、さっきの着替えシーンの余韻がまだ残っていて、俺の視線が少し泳いでしまう。
「いただきます……」
俺が箸を手に取ると、雛がすぐに身を乗り出してきた。
「悠真、今日の焼き鮭、焼き加減が良い感じだよ!
どう? 美味しい?」
一口食べると、確かにふわふわで優しい味が広がった。
「うん、美味しいよ。ありがとう、雛」
雛は「えへへ~」と嬉しそうに笑い、俺の肩に頭を軽く乗せてくる。
葵が穏やかな声で言った。
「そういえば、もうすぐ修学旅行だね。
楽しみだわ……」
澪が静かに頷きながら、短く付け加えた。
「……北海道」
そうだった。
修学旅行の行き先は北海道だ。
雛がフォークを振りながら目を輝かせた。
「五稜郭見て回って、函館で海の幸いっぱい食べるんだよね!
蟹とかイカとか、ウニも! 悠真、絶対にいっぱい食べようね!」
俺は笑いながら頷いた。
「そうだな。楽しみだよ」
葵が俺の茶碗に味噌汁を注ぎ足しながら、柔らかく微笑んだ。
「前半はクラスごとの行動だけど……後半の自由行動は、学年全体でグループを組めるんだって。
だから……私達、四人でグループを作ろうよ?」
その言葉に、雛が勢いよく頷いた。
「うんうん! 絶対に4人で!
悠真とずっと一緒にいたいもん!」
澪も無言で俺の左腕を軽く握り、静かに同意を示した。
「……4人、いい」
俺は少し照れくさくなりながらも、素直に答えた。
「俺も、それでいいよ。
みんなと一緒なら、きっと楽しいはずだ」
三姉妹の表情が一気に明るくなった。
葵が優しく俺の手に自分の手を重ねてきた。
「よかった……
悠真くんと一緒なら、函館の夜景も、きっともっと綺麗に見えるわね」
雛が俺の右腕を抱きしめながら、元気いっぱいに言った。
「五稜郭で一緒に写真撮ろうね!
あと、朝市で新鮮な海鮮丼食べようよー!」
澪は静かに、でも熱のこもった声で呟いた。
「……ゆーま、ずっと、そばに」
朝ごはんのテーブルは、甘くて温かい空気に包まれていた。
修学旅行まであと少し。
クラスごとの行動はもちろんだけど、後半の自由行動で4人だけで過ごせる時間が、なんだかとても楽しみになってきた。
俺は三姉妹の笑顔を見ながら、静かに思った。
この甘い日常が、修学旅行でも続いてくれるといいな……。




