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はじめまして。お義母さん②

公園から戻ると

お義母さんは嘘っぽい笑顔で私に接した。


「奈々さん、遅かったわね。心配していたのよ…」


うそつけ。


「ごめん母さん。奈々ちゃんみつけたけど、

 公園で遊んでて遅くなっちゃった」

「いいのよ。無事なら…

 ごめんなさいね。奈々さん…

 あなたはこの辺りを全く知らないのに、1人で

 行動させて…」


「そんな、お義母さん…」

(本当に心配してくれてたのかな…)


「いい年して1人でなにもできない人なのね。   

 奈々さんは。」


ピキッ。


「そんなことより大義。奈々さんに部屋を

 見せてあげましょ。」

「!そうだね」

(そんなこと!?)

(…ん?)


「部屋?」

「奈々ちゃんの部屋だよ。母さんがいろいろ

 やってくれたんだ」


まだ結婚してないのに、もう部屋を用意したわけ?

怖い。



「心配だわ…お母さん若くないし…

 奈々さんが気に入ってくれるといいのだけれど…」

「大丈夫だよ。奈々ちゃんと母さんは似てるから」


「は?」

「大義!失礼なこと言わないで!こんな人と私が

 似てるなんて!」


お義母さんのが失礼すぎますけど。



「とにかく。来て奈々ちゃん」

大義くんは私の手をとり

部屋へと案内してくれる。


背後からはそんな私をにらみつける

お義母さんが着いてくる。




………他の部屋とは違い日当たりが悪く、薄暗く

ジメっとした部屋の前についた。

部屋の入り口のふすまは無地だが

なぜかよどんでみえる。

負のオーラを感じる。


「ここが、奈々ちゃんの、部屋だよ」

「え?私だけの部屋?大義くんと一緒じゃないの?」


「ま!汚らわしい!大義と同じ部屋になんて

 させるわけないでしょ!」

「でも、結婚したら普通…」


「普通ってなんです?結婚したら必ず寝室を共に

 しなければいけない決まりはないでしょ!」

「でも…」


「でも!じゃないの!」

「まぁまぁ母さん怒らないで」


「ほら、奈々ちゃん。早く部屋に入ってみてよ」

「でも大義くん、部屋が別でもいいの?」


「しつこい人ね!大義は承諾してるのよ!」

「うん。部屋なんてなんでもいいじゃない」


よくねーだろ。


「…そうですね」

「さぁ、部屋にはいって。奈々ちゃん」


「……」

新婚でも寝室が別でいいなんて…大義くん…

なんかさみしい。 私は大義くんをにらみつけた。

鈍感な大義くんはそれに気づき笑った。



私の部屋…

お義母さんがいろいろやった部屋…

嫌な予感しかしない。



呼吸を整え私は

ふすまをあけた…


スー。


「!!ひっ!」


ふすまをあけるとすぐに不気味な像があった。

大きい。私の胸あたりまである。

なんの像なのかわからない。



「な、なんです!この、、変な物は!」

「!!なんて罰当たりな!それは神様の像なのよ!」


「…なんて神様ですか?」

「………確か、が、がね…名前なんていいでしょ!

 とにかく神様なのよ!!」


お義母さんは像を撫でながら言う。


「この像は大義が大病になったときに出会ったの。」

「…?僕大病したことあったけ?」


「この像のおかげで大義の病は完治して…

 今の健康な大義がいるの…

 奈々さんにも幸運をあげたくて部屋に置いたのよ。」

「そ、そうでしたか…嬉しいです…」



「あ!素敵なお布団…かわいい柄」

「良かった。万年床よ。数十年そのままだったの。

 干したこともないから、ダニやらホコリやら

 たくさんあると思うわ。」

「……」


「この棚もかわいいです」

「まぁうれしい。それ、ご自由にどうぞ。と

 そこのゴミ捨て場に置いてあったので

 無料で貰ってきたのよ。そこのシミが素敵よね。」

「………」



私は部屋を見渡した。

布団と棚しかない。

殺風景すぎる…

でも怪しいものまみれでなくてよかった。

おかしいのはあの入り口の像だけみたい。


「配置とか柄とか色とか、素敵です。お義母さん!」

「あら、私はあなたのお母さんではないけど

 気に入ってくれてよかった。

 奈々さんが何も気にしない人でよかったわ。」


 イラ。


「ねぇ。大義喉かわいたでしょ?

 お茶でも飲みましょうよ。

 昨日買ったお饅頭もあるし。」

(ついさっき家には何も食べるものがないと

 言ってませんでしたっけ?)


「そうだね。奈々ちゃんも食べよ」

(あなたは何も気にしないのね)




3人でお茶を飲み饅頭を食べている。

高い饅頭らしいが、何も味はしない。


「奈々ちゃん。今日泊まっていきなよ」

「だめよ!大義!!

 今日は大切な、何かがあるのよ!」


「?何があるのさ」

「え?」


「何か知らないけど、奈々ちゃんも家族になるし、

 いてもいいじゃない」

「だめなのよ!家族…血縁者だけの何かがあるの!

 先祖…お祖父様達を祀る?…何かよ!」 


私を泊めたくないのわかるけど

嘘がひどすぎる。 


「大義くん。帰るよ私。明日仕事だし」

「そうよね!奈々さん!帰りなさい。はやく。」


イラ。


「仕事はここから一緒に行けばいいじゃない?」

「大義!帰りたいと言ってるんだから引き止めない   

 の!」


イラ。


「明日つかう…何かとかあるし…帰るよ」

「…そっか、残念だな」

「本当に良かったわ。泊まらなくて。」



お義母さん心の声だだ漏れです。



「大義くん。私帰るね」

「もう?」


お義母さんといるのが耐えられない。


「買い物したいし…」

「じゃあ、送って…」

「大義!!この後何かがあるといったでしょ!!」


「だから何があるのさ」

「あなたもしつこい子ね!何かよ!!何か!!!」

「た、大義くん…1人で平気だから…」


さすがに笑ってしまう。


「迷わない?」

「うん…」

「奈々さんは地理が得意そうだから平気よね。」


つい数時間前

私は1人でなにもできないと言ってたくせに。



「お義母さん。お邪魔しました」

「あなたの母親ではないと言ったでしょ。」


「奈々ちゃん。気をつけてね」

「うん。また明日」



扉をしめた。

生き返った。

外の空気はこんなにも澄んでいたのね。


私は門を出て小躍りした。

本当に生き返った…



「お義母さんと仲良くなれるとは思えない…」


「胃が痛い…」


「でも腹がたったときはカレーを食べたい…

 今日はカレーにしょう…」


野菜を切るときに

お義母さんを思い浮かべないようにしないとね



お義母さんとの初対面はこうして幕をとじた。




























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