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ありがとうございます。お義母さん

チュンチュン

朝だ。

すずめがないている。


すずめは可愛い。

私はすずめが好きだ。


しかし

目がさめた瞬間から胃が痛い。




昨日は本当に地獄だった。

大義くんの家に行き、お義母さんと会い

お義母さんに終日にらまれ、イヤミを言われ…

…でもカレーライスはおいしかったな

鰯印のカレールー。

このメーカーのルーは最高よね! 



「朝も残りのカレーを食べて!1日がんばろう!」




オフィス

私と大義くんの職場。

私たちはここで出会った…

懐かしい。



「奈々!おはよ。昨日はどうだったの?

 初お義母さんとの対面!」

「加奈子…」


加奈子は私の親友。

小学生から一緒、まさかの職場も同じで笑った。



「しよっぱなから嫌われてるとか笑」

「わらいごとじゃない!ずっと、にらみつけ

 られてたんだよ!」

「でもあのぼんやり大義の親がそんなに毒舌とはね」

「ほんと」


「奈々ちゃん!」

噂の本人が走って私に近寄ってくる。



「あ、大義くんおはよ」

「昨日はごめんね」

「もーなんで謝るの?何もされてないよ」

「…でも」

「大義、奈々泣いてたよ。お義母さんが怖いって」

「加奈子!余計なこと言わないで!」

「?怖い?母さんが?」

「…その…嫌われたみたいだから…」

「そんなことないよ!奈々ちゃんを気にいってるよ」

「?」

「今日も…奈々ちゃんのためにお弁当作ったって…

 ホラ。」

そう言ってバッグの中から

不気味な柄の風呂敷で包まれたお弁当を取り出し

私に渡した。


「お弁当?わざわざ?やさしーお義母さんじゃん」

「……」

「母さんの卵焼きは絶品だよ!」

「……そう…ありがとう」

お弁当…なぜ…


「じゃあ、奈々ちゃん。今日も一緒に帰ろうね」

「う、うん…」

大義くんは自分の部署に帰っていった。



「奈々の勘違いじゃないの?嫌いならわざわざお弁当 

 なんて作らないよ。知らないけど」

「いや…嫌われてると思う…」


お弁当から負のエネルギーを感じる。

お弁当を持つ私の手がヒリヒリする感じだ。

これは…

とてつもないお弁当だろう…



仕事中もお弁当の負のオーラが気になり

注意力が散漫になりミスばかりした。

上司の木村ジジイに何回も怒鳴られた。




そして恐ろしいお昼。

私は自分のデスクでこのお弁当を食べることにした。


「食堂で大義と食べればいいのに」

「大義くんにはこのお弁当をみせたくないの…」

「?じゃあ、私もここで食べてそのお義母さんの

 お弁当つまみ食いさせてもらおうかな♪」

「…ありがとう」

「なぜお礼!?」


私はお弁当の風呂敷をほどいた。

本当に不気味な柄だ。

そしてお弁当箱は使い捨てのプラスチック容器。

焼きそばとかはいってるやつ。輪ゴムで閉じられてる


「へー捨てられるようにコレにしたんだね

 考えてるね、お義母さん…」

「…」



中身はみえている。茶色い。

蓋をあけると異臭がした。


「くっさ!」

加奈子はイスから転げ落ちそうになった。


「なに!なんの匂い!!」

「…くさやの干物だね…」

「くさや!お弁当に!?」

私達は鼻をつまんでいる。くさい。


いろいろはいっている。

くさや、多分卵焼き、多分ウインナー、多分ブロッコリー、多分ミニトマト、多分漬物、海苔ご飯…

とにかくすべての色が茶系統。

どうやったんだろうか。



私はお弁当にそえられていた割り箸を握りしめた。

「!奈々、食べるの?平気なの?」

「うん、食べ物は粗末にできないもの」


くさやがおいしいのは知ってるので他。

大義くんが絶品と言ってた卵焼き。


焦げまくっている。

真っ黒。


パク。


「!!」

苦い!辛い!何だこれ!

私はもだえた。


「えー、奈々大丈夫!??」

「にがい!からい!まずい!!これカラシ?」


「え」

「加奈子も食べてみてよ」

「いらない。」

「つまみ食いするっていったよね」

「…」

加奈子は観念して卵焼きを口にいれた。


「!!まっっっっず!!おえー」

「アハハ」


「ごめん、奈々。私食堂…外に食べ…でるね」

加奈子は口をおさえて走り逃げた。


「…」

より部屋中くさくなってきた。


これをすべて食べないと。

多分お義母さんは私が食べ物を粗末にしないと

大義くんから聞いて知ってるはずだ。

だからとてつもなくまずくしたんだ。


上等。


そのケンカうけてやる。

完食してあげるわ!お義母さん!


多分トマトで口直ししょう…

「!!!」

わさびまみれだった。


唐辛子とカラシで和えられたブロッコリー。

砂糖と生クリームで和えられて甘すぎる漬物。

ウインナーは醤油でびしゃびしゃにされている。

ご丁寧に穴をあけて中まで醤油だ。

海苔ご飯の海苔の下にはおかかではなく、

溶かしたチョコレートが敷きつめられている。

その下にご飯…



「……」

お義母さん。

私を嫌いなのはしかたないです。

でも

食べ物で嫌がらせするのは許せない。


私はすべて食べた。

ちょうどそのとき


「!佐々木!ここにいたのか!おまえ…」

上司の木村がまだ小言を言おうと入ってきた。


「くつつつさ!!!なんだこの部屋は!?」


しかし逃げていった。

助かった。



そして加奈子は早退した。

悪いことをした。



午後。

私はお義母さんに1言言ってやろうと考えていた。

なのでまたミスをして怒られた。

ちなみにオフィスはしばらくくさかったが

知らんぷりをしていた。



帰り。 


「奈々ちゃん。帰ろ」

「大義くん」


「お弁当おいしかったでしょ?」

「……うん」


「どこか、行こうか…」

「ごめん大義くん。私家に帰るね。

 あんなにおいしいお弁当作ってくれたお義母さん

 にお礼したいの」

「お礼?」


「手料理には手料理で返したいなって」

「!奈々ちゃんの料理おいしいものね!

 母さん喜ぶよ。なら、僕んちで作ればいいのに」

「恥ずかしいじゃん。作り終わったら届けに行くね」

「かわいいな…奈々ちゃんは。わかった

 母さんと待ってるね」


「…大義くんのお義母さんも食べ物粗末にしなよね

 ね?」

「うん!少しでも残すと怒るよ」

「私と同じ。絶対残さない人なんだね。よかったー」



私は家に帰り

仕返しの手料理をつくる。

あちらも必ず完食するとわかっているから

気が楽だ。


このおいしい残り物カレーを激マズにしてみせる。


しかしこれが苦労した。

このメーカーのルーはとてつもなくおいしすぎるようで何を加えてもおいしいままだった。

思いのほか時間がかかった。



そして大義くんの家に来た。

「奈々ちゃん、待ってたよ。上がって」

「お邪魔します…」


居間にはにらみつけるお義母さんが座っていた。

私はお義母さんの前に腰を下ろし


「お義母さん。お弁当ありがとうございました。

 とてもおいしかったです。涙がでました」

「まぁ。よかった。作りがいがあるわね

 明日も作りましょうか?」

「結構です。

 それでお礼に私もお義母さんに作ってきました」


「…大義から聞いたけどいらないわよ。」

「お義母さんも私と同じで食べ物を残さないと

 聞きました」

「……そ、そうね。」

「口にあわなくても完食してくれますよね」


「当たり前だよね。母さん」

「え、えぇ…もちろん…」

お義母さんは何かを感じたようだ。



「よかった。これなんですけど…」


私はバッグの中から、あの不気味な柄の風呂敷を

取りだした。うちに乾燥機はないので面倒だが

コインランドリーに行って乾燥してきた。

風呂敷をとると

タッパーいっぱいにカレーがはいっている。

部屋中にカレーのいい香りが漂う。


「あー奈々ちゃんのカレーだ。おいしいんだよね♪」

「…残念だわ。奈々さん私はカレーは…」

「母さんはねカレーが大好きなんだよ。

 7日続けて食べてたんだから、アハハすごいよね」


「大義!余計なことを言わないの!!

 とにかく。今、私はカレーは控えてるのよ。」

「…では捨てろと言うのですか?お義母さん」

「………持ち帰ってあなたが食べなさいよ。」

「なら僕が食べるよ」


「大義くんはだめ!!」

「大義はそれに手を出さないで!!」

「は、はい…」


「お義母さん。私はあのお弁当残さず食べました。

 お義母さんはこれを食べないんですか?一口も?」

「…………」

「わかりました。食べないならいいです。

 持ち帰ります……でも

 …私の勝ちですね?お義母さん」

私はニヤリと笑った。


お義母さんはカチン。ときた顔をした。


「食べさせてもらいます!!残さずに!」

お義母さんはタッパーを手にとり

「大義!スプーンを!」

「え、う、うん…でも温めなくていいの?」

「はやくスプーンを!!」


大義くんはスプーンをお義母さんに渡した。

お義母さんはスプーンを握りしめひと呼吸した。

「いただきます。」


パク。

「!!!」

お義母さんは口をおさえた。

(甘い!甘すぎる!甘いくせに苦味もある!

 鼻に抜けるわさび…奈々さん。あなた

 ありとあらゆる調味料を混ぜこんだのね…

 しかしまだ若いわね。)


ゴクリ。

「おいしいわ。奈々さん」

お義母さんは顔色変えずにパクパクと食べ進める。

「……(まずくないのかな…)」

「……奈々さん。あなたも鰯印のカレールーを

 使ってるのね…」

「え、はい」

「このメーカーは美味しすぎるのよね。

 そこらへんの調味料が束になっても勝てないのよ。」

「え?」  


「味見の段階では不味かったのでしょうけど、

 ルーは時間をかけて不味いを消していってるのよ。」

「!!そ、そんな!大義くん!スプーン!」 

「え、う、うん?」


私はお義母さんからタッパーを奪い一口食べた。

「!!」


そんな…おいしい…

味見したときはまずくてたまらなかったのに

カレーは複数の調味料を混ぜ込み

おいしさがさらに増していた。


「…」

「美味しかったわ。奈々さん。」


お義母さんは秒で完食した。


負けた。

おいしい料理をお義母さんに提供してしまった。


「?奈々ちゃん?」

「奈々さん。夕飯は食べたの?よければ…」

「帰ります。お義母さん!ありがとうございました

 !大義くん!また明日ね!お邪魔しました!」

「あ…うん…」


私は急いでその場をあとにした。


くやしいー!!


今回は負けたけど絶対お義母さんを負かせてみせる。


帰ったらまたカレー作ろう。

今日は

お義母さんに負けた日、そして

鰯印のカレーはおいしいと改めて実感した日だった。






………………………………………………………………


おまけ。

加奈子の復讐大作戦➀。


激マズ弁当を食べ体調を悪くした加奈子はその夜

寝込んでいた。


「水…飲みたい…」

加奈子は起き上がり冷蔵庫に行き

ミネラルウォーターを取り口にする。

とみ

「…まずかったな…奈々全部食べたって…すごいな

 しっかし…まずいご飯てストレスになるんだな…」

もう一口ミネラルウォーターを飲んだとき


「!!これはつかえる」

何かをひらめいた。


「クソまずいお弁当作って木村にあげるのはどう?

 残さないように食べ終わるまで見張ってるの!

 本人いる前で捨てることはないじゃん?」

加奈子はベッドに腰をおろす。


「とりあえず3日!あげるの!かなりストレスに

 なるよね?アハハ

 日頃の仕返しをしてやろう!明日から作るぞ!」

加奈子はウキウキしながら眠りについた。



加奈子ウキウキの朝。

目覚ましより2時間早く起きていた。

キッチンでスマホ片手にたたずむ加奈子。

「…何を作ろうか…わからないな…」


スマホで何か調べている。


「…唐揚げ?肉はうちにないし…

 家うちに何があるんだろ…」


冷蔵庫を開けると

ビールとつまみのたぐいしかなかった。


「あーそっか。食材なんてうちにないんだっけ…

 取りあえずここにあるものを炒め…フライパン…

 は…無かった…レンジで…皿が無い………

 あの袋!でできるじゃん♪」


レンジ可能な袋に冷蔵庫にあった物をすべていれ

醤油適当。砂糖適当。塩適当。コチュジャン適当。

ナンプラー適当。マヨネーズ適当。ケチャップ適当。

お弁当についていたいろんな調味料。

を入れてあたためた。



チン。

「あ!できた♪」


袋をあけると異臭がした。

匂いがすごいが昨日のお弁当で鼻が麻痺して

るので加奈子は気づかなかった。


「お弁当箱…なんてない……この袋のままでいいか

 ご飯も袋でいいよねー」


おかずとご飯を袋3重にしてその辺に落ちてた

コンビニ袋にいれた。


加奈子はもともと料理をしたことがないので

何も悪さしなくてもまずいものができる。

もちろん味見なんてするわけもない。



加奈子はいつもより30分はやく会社についた。

上司の木村がこの時間にはいると知ってたからだ。


「おはようございます!木村係長!」

「!林田(加奈子の名字)くん…はやいね」

「係長に、これをあげたくて早くきました!」

加奈子はコンビニ袋を手渡す。

「…なんだ?これは」

「手作りお弁当です♡」

「!!」


「口にあうかわからないのですが…」

「あ、ありがとう…」

「冷蔵庫に入れておきますね。お昼一緒に食べまし

 ょうね。係長。」

「う、うん…」


(おぇー、ニヤニヤしてる。気色悪っ!

 そんな顔してられるのも今のうちだからな。

 お昼が楽しみだなー)


つづく。































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