第二話
状況を整理しよう。
今、私の見えるありのままの現実を並べようじゃないか。
・なんか見覚えのある教室にいる。机や椅子の形、背もたれに打たれた数字から見るに小学校か?
・担任ぽい人の顔に懐かしさを感じている。
・椅子に座っている人間たちの背丈がやけに低い。まぁ自分も低いんだがね。
・自分の体もやけに小さい。とくにメカニックの真似事をして掌にできた豆やらがなく、やわらかい。
まとめはここいらで十分だろう。
ここは間違いなく8年前に卒業した小学校の教室で、自分は時間を逆行してここに居る。
胸元をまさぐってみるとネームタグ...じゃなくて名札がある。
そこには「2-1-9」と記入があることから12年近く昔まで戻ったのだとわかる。
だが慌てるのはナンセンス。なんせ私はゲーム好き!このぐらいの展開は何度も妄想しているし、なんだったらそんなようなマンガばかり読んでいたのだからモーマンタイである。
で、大体こういうときって自分のステータスが見れたりするんだよな。
私は心の中で「ステータスオープン」と唱えた。
そしたらステータスが出た。
「まじかよ!」
まさかそんなことが、いや、ここまでできるとは!と、驚きが口から洩れてしまった。
当然今は授業中のようだからすぐにばれた。
「ん?どうした西園寺。虫でも出たのか?」
「あ、いえ、なんでもないです!すみませんでした。」
幸い、目の前の担任は小学生時代一番お世話になった先生であり、また何をやっても本当に過ちを犯したとき以外は笑いに変えてしまうぐらいの先生だったためか、咎められることはなかった。
が、ミスったな。今の私は小学二年生だということを忘れていた。
うっかり大人びた謝り方をしたせいで担任はおろかクラスメイト達に怪訝そうな顔を向けられてしまった。
あー、こういう時どうしたらいいんだろ。
まぁいっか。それよりも現状についてもう少し知っておくべきであるな。
で、ステータスが表示されたままだったな。どれどれ?
種族 :人間 体力:4
性別 :男 力 :1
年齢 :7歳 知力:10
レベル:1 運 :777
魔力 :10
称号:時間逆行者 臆病者 ゲーム中毒者 いじめられっ子
ふむ、体力と力が弱いのはまぁこの年でスポーツも一切やってない本の虫だったからそんなものか。
知力もまぁいいとして...運が777ってなんだよ。ラッキーセブンかな?
それはとってもラッキーでいいんですが...。
私は称号の欄にある「いじめられっ子」というものに目を向けた。
意味は...あぁ、思い当たる点が幾つもあるな。
まずこのころの私といえば「成績晩年最下位」という称号が追加でつきそうなくらいにはまじで全く勉強しないし、宿題もろくにやらないし、授業聞かないからテストも点数終わってるしで一つあるな。
次に趣味だ。これは二つ要素があるだろう。まず私は運動が本当に大嫌いだった。
体育の授業ではあまりにも動きがのろますぎてすぐにけがをする。
体力なんて「ー1です」って言われてもおかしくないくらいには無かった。
その代わりに私は本が何よりも好きで、ギリシャ神話を題材にした一冊がウルトラボリュームの小説だったり、広島の原爆を題材にした必読の漫画とか、バンパイアともう一つの種族が戦争する超面白小説だったりを読むのに忙しくて、昼休みに遊びに誘われても頑として頷かずに逃亡して本を読み漁る日々を送っていたんだ。
それこそ10分休みというもはや時間が全くないような休みにも一秒たりとも無駄にせず通い続け、ついには読んでない本など何もないまでの活字中毒者だったんだ。
あとはアクセサリーや筆記用具。私は周りの男子たちとは全く違っていて、戦隊ものももちろん好きだったけれど、どちらかといえば女の子たちが好むようなものばかり集めて身に着けて、それを大事にしていたからそれを受け入れてくれた友人もほんのわずかだったんだ。
まぁ、後者に関しては勉強をちゃんとやっていれば問題なんて生まれなかったかな?
(ちなみに筆者の実話である)
まぁ、そんなこんなで実際振り返ってみると「これいじめられてたんじゃね?」って思うところは多々あるが。だがこれからは違う。
私を面白がってか過去に戻って人生をやり直す機会を得られたんだ。
勉強の楽しさに関しては大学に入ってから知ったし、これからしっかり勉強をして、趣味も全開にして、思う存分生きて見せようじゃないか。
ふふん、それにステータスを見る限りじゃ、魔法も使えるみたいじゃないか。
人に危害を加えたりはしない。
ただ、私が今日も明日もその先も私のままであり続けるためにこの力を使おうじゃないか!
つづく




