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アレンと徳島とWNIの国のアリス  作者: 海豹ノファン
4匹の兎勇者と徳島アーク伝説
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スノーラビットの正体

必死にジャバウォックの復活を阻止しようとするアリスだがハンが詠唱によりアリスにかけられた呪いの首輪がアリスの首を締めだし、アリスは苦しみ地面にのたうちまわる。


「さあ今のうちに!」


そしてついにマジックエメラルドはジャバウォックの栄養源として収納されていってしまう。


「…………」


時間の経過を待つがジャバウォックの復活する気配は中々見えない。


「ど、どうなってるんだ?」


とヒロ。


「馬鹿な!確かに俺はアリスの膨大な絶望と怒りを宝石の中に納めたはず!?」


そんな時何処からか青年の声が。


『ハハハ当然だ!何故ならアリスはもう勇者では無くなってるんだからな!!』


アリスにはこの声に覚えがあった。


(この声は…スノーラビットさん…!)


「誰だ!姿を現せ!!」


一方、四方八方を見渡し声の主を探るヒロ達。


『ここだよ!』


するとエレベーターに備え付けられているパソコン画面から仮面姿の白タキシード姿の青年が映し出された。


「お、お前は鈴村雪兎!!」


ハンが狼狽えの声をあげる。


(雪…あの男の子と一緒の名前…?)


アリスは名前にも覚えがあり、あの6歳になったばかりの少年と同姓同名かと思われた。


『久しぶりだな異締反則!ジャバウォックによって滅ぼされた未来から原因探りに10年前にやってきたが、そう言う事だったのか!』


スノーラビット、いや雪兎はハンを知ってるかのような口ぶりで放つ。


『さあもう逃げ場はない異締反則!いい加減お縄頂戴されろ!』


「ひひひそうは行くかな!?」


ハン、いや反則はアリスにかけてある首輪を圧迫する呪文をかける。


「ひひひ一歩でも動いてみろ!この女の命は…」


『おや?君は何をしているんだい?』


雪兎はそう言うとアリスにかけてあった筈のその首輪をクルクルと回しながら惚けたような声で紡いだ。


(あれ?私…首輪が取れてる!)


アリスはいつのまにか自分にかけられていた首輪が無くなっているのをここで気づく。


すると雪兎はパソコン画面から手を伸ばしてきた。


『さあアリスちゃん!僕の手につかまって!!』


「そうは行くか!」


敵共はアリスの体を掴みあそこ側には行かせまいとするが、雪兎の手に触れた途端アリスの体は映像と化し、敵達の体をすり抜けてしまった。


ーーー


アリスはいつのまにか廃墟の入り口付近に立っていた。


(あれ?私雪兎さんの手を繋いでて…)


アリスは無我夢中で雪兎に手を伸ばして手を握った途端アリスはパソコン画面の奥へと引っ張り込まれた。


そしてふと気がつけばそこに立っていたのである。


「アリスちゃん!」


「!」


後ろから声をかけられ思わずビクリとしてしまうアリス。


「驚かせてすまない、今から僕の言う事をよく聞いて、ここからまっすぐ何も考えずに走って行って、大丈夫!世界は滅ぼさせないから!」


雪兎の真剣で、かつ守ってみせると言っているような熱のこもった言葉でアリスは気が迷いそうになるもアリスは雪兎に聞いてみた。


「雪兎さん、貴方は一体…」


「話している時間はない!早くここから走るんだ!奴らに捕まらないうちに!」


「…!」


雪兎の正体を聞こうとしたが雪兎は怒気の含んだ言葉を投げてきたので、アリスは無理に聞くことも出来ず、そのまま走り去っていった。


ーーー


スノーラビットの正体は鈴村雪兎、雪兎は10年後の未来からやってきた「時の異能使い」だった。


ーーー10年後の未来。


世界はジャバウォックによって破滅の危機を迎えていた。


ジャバウォックの口から放つ閃光は街一個分を焼き尽くし、ジャバウォックのいる一帯は毒を撒き散らし、暴れると大地震、津波が襲いかかる。


鈴村雪兎のいた10年後の未来は日本の文明がジャバウォックによって潰え、世界はジャバウォックの、そしてキングとなった水川ヒロの思うがままとなっていた。


「シバ!しっかりしろ!」


雪兎はジャバウォックの産み出す「災厄」と呼ばれる魔物の群れとの戦闘中に重傷を負った戦友のシバに呼びかける。


ジャバウォックはその破壊力だけでなく個体で凶悪な魔物を生んで繁殖していくという性質も持っていた。


ジャバウォック本体を潰せば事は収まるが生命力も桁外れに高く如何なる兵器も通さない。


ヴォーパルソードと呼ばれる伝説の武器がジャバウォックの唯一の弱点と言われているが…。


「雪…俺はもう駄目だ、お前…時空を行き来出来ると言ってたよな…?ジャバウォックが復活したのは10年前、それから俺たち人間の不幸は始まったのだ…」


「…」


雪兎もシバと同じく、多くの大切な人を失った者の一人だった。


雪兎にはかつては大切な人がいた。


春兎、夏兎、秋兎、桜、小山などのWNIメンバー、春谷藍乃はるたにあいの、みんなかけがえのない存在だった。


しかしジャバウォックによって全てが焼き尽くされ、鈴村雪兎はただ一人となってしまった。


『藍乃!死ぬな!!』


雪兎の恋人だった春谷藍乃、彼女はジャバウォックから発せられる猛毒を吸ってしまい、不治の病にかかる。


『私はもう駄目みたい…雪兎君、死んでも…私は一緒だから…ね…』


藍乃が天に召され、傷心のまま藍乃を弔う雪兎。


『何もかも失ってしまった…みんな…みんな…』


『しっかりしろ雪兎!お前が正気を無くして誰が隊を率いていけば良いんだ!』


恋人を失ってからの仲間、みなみからの叱咤、やがてその仲間もジャバウォックによって亡き者にされる。


時をやり直したい!


その一心が叶ったのか、鈴村雪兎は時の異能使いに目覚めた。


それは自身の生まれた時間までは行き来可能で、雪兎は直接生身での干渉は許されないが、アドバイスや助言ならしたい対象に話す事が出来る。


対象の中の時間をやり直させる事もできるが、それは基本表向きはタブーとされている。


雪兎はシバに10年前のジャバウォック復活の阻止をするように頼まれ、復活する前の10年前に時を遡ると何と、原因が類い稀な勇者の力と心を持つアリスである事を突き止める。


その為雪兎はアリスから勇者の使命を失わせ、持っていた勇者の印、ワンダーキーも没収する必要があった。


雪兎は間接的にアリスから勇者の座を奪う事によってジャバウォック復活に利用されるのを阻止したのである。


そしてキングとなった水川ヒロも自分の都合のいい事の為に民を利用し、都合の悪い存在がいれば女王の時と同じく処刑に処していた。


挿絵(By みてみん)


ーーー


「シバ…藍乃…俺はまだ10年後には帰れない…俺にはまだやらねばならない事がある…!」


雪兎は首にかけていたロケットを開ける。


ロケットの中には恋人の藍乃、親友のシバ、そして兄弟との思い出が沢山詰まっていた。


ーーー


一方アリスは雪兎の言う通り真っ直ぐ走って行った。


(先に何があるのかわからないけど…このまま走っていけばいいのなら…!)


アリスはやがてジャングルのような湿地へと入っていく。


そこが葉っぱの上なのか、土なのか、はたまた湖なのかよくわからないふかふかした足触り、何か蠢いている感じがしなくもない。


それでも足を止めず走り続けていくと…


ドシャリ!


アリスは落とし穴のようなものに落ちて嵌って抜けられなくなってしまった。


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