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アレンと徳島とWNIの国のアリス  作者: 海豹ノファン
4匹の兎勇者と徳島アーク伝説
40/82

男は愛嬌女は度胸

ーー前回のあらすじーー


触手に襲われていた小夜子を春兎達が助ける、そののちアリスに渡す筈だったクオーツがメアリアン達やヒロに奪われ、それを奪還する春兎達、一方夏兎、秋兎は竜宮城に招待されるもそこから抜け出せず酒池肉林に溺れていく。

「夏兎と秋兎?」


小夜子が春兎達に聞く。


「ああ、俺の弟なんだが実は四人兄弟でさ、面白い事に最後に必ず「兎」がつくんだ♪」


「ふふ、面白いわね♪」


「そうじゃねえだろ!」


春兎が小夜子と楽しそうに話しているのが気に入らないのかリナは春兎を肘打ちする。


「(痛いな…)そうだった、実はその二人なんだがさっきからずっといないんだよ…」


春兎は小夜子にあらましを説明する。


「お任せください、その二人なら私の巫術で引き合わせましょう!」


小夜子は真剣な表情となり、耳と精神を研ぎ澄まさせる。


「ロセワアキヒ・ソワカ!」


小夜子の体が淡い白を帯びた光に包まれる。


小夜子は鏡のようなものを取り出し、何かを探るかのように鏡をあらゆる方向に動かしながら前を進む。


(わからないうちに二人とはぐれてしまったという事は霊障の影響を考慮すれば二人は悪霊によって神隠しに遭っていると考えるのが自然…この魔縁鏡まえんきょうでその正体を探る他方法は無い!)


しばらく進むと小夜子は手を広げて春兎達をストップさせた。


「何かあったのかい?」


思わずリナが聞いてくる。


「ええ、夏兎と秋兎はそこにいます」


「ええっ!?」


それを聞いて思わずゾクリとしてしまうリナ。


何故ならリナがどうみても夏兎と秋兎が見えないからだ。


春兎は成る程といった表情で腕を組んでいる。


「夏兎と秋兎は霊が僕らの目には見えないようにさせて夏兎と秋兎を異空間に閉じ込めていると考えるのが自然だね!」


「あら、霊障についてご存知なのですか?」


「うん、僕も霊感強くてそう言うオカルト的なものって興味があるからね」


何だか小夜子と春兎は気が合うようだ、リナの乙女心的には腑に落ちない気持ちとなった。


(くっそ私はおいてけぼりかよ)


リナの怖い視線を感じる春兎。


(さっきからリナが僕を睨んでる気がするけどこれは気のせいだよね?)


「セミイタウショ・ソワカ!」


小夜子は夏兎と秋兎がいるらしいその中心に立ち、詠唱を唱えた。


全体がまばゆい光に包まれ、やがてその光が陽の当たらず薄暗い森の中へと元に戻る。


するとさっきまでいなかったはずの存在がそこに姿を現した。


「夏兎!秋兎!?」


「な、何やってんだお前ら!??」


春兎とリナはそこに現れた夏兎と秋兎がしている行動に思わず素っ頓狂な声をあげる。


「あへへぇ♪おねえさまぁ♪」


「酒だー酒を持ってこぉい!」


二人とも何故かきていない状態で踊ったり歌ったりして麻薬にでもやられたかのようにヘラヘラして何かに興じているからだ。


しばらく裸で踊ったり歌ったりを人が見ている前で夏兎や秋兎はしていてそれがいつまで続くのかはわからない。


「しっかりしろ!」


夏兎達の肩を揺さぶるリナ。


しかし効力はまるで無い。


「仕方がありませんね、リナさん下がっていてください!」


小夜子はリナを下がらせ、離れた距離から札を投げる形で夏兎と秋兎の額にそれを貼り付けた。


生観世音なむかんぜおん生観世音…」


小夜子は両手を合わせて念仏を唱える。


すると札から電気の糸が這い、やがて鋭い電流が二人を襲った。


「アベベベベベ!??」


電撃によるショックでようやく意識を取り戻す夏兎と秋兎。


「あれ?姉ちゃん達は?」


「それよりなんで俺ここにいるんだ??」


さっきまで豪華な城の中にいて、沢山の美女と酒池肉林の日々を過ごしていたはず…。


それにしても男が裸になって興じているのを見てもポーカーフェイスを貫いている小夜子は春兎達から見てもやはり只者では無いと感心せざるを得ない。


そんな時何処かから甘い声が。


「ふう…くうん♪」


何かを誘惑するかのように甲高く、甘い蜜の臭いが漂う。


「この鳴き声…狐でもいるのかな?」


「いえ…」


春兎の疑問に小夜子は否定し弁明する。


「わかりましたよ夏兎さんと秋兎さんをあっちの世界に引きずり込んだ者の正体が…」


小夜子は一点を見据える。


そこに何があるんだと思ったが、よく見ると太い尻尾のようなものが動いているのが見える。


「そこの悪霊!正体を現しなさい!」


小夜子は赤い縄をその対象めがけて投げつける。


「!!」


その悪霊は赤い縄を跳躍して躱し、赤い縄は一つの大きな木に縛りついてしまった。


『ふう、危ないなあ、危うく縛られるとこだっだわ…』


悪霊が姿を現した。


悪霊が姿を現わす。


「「あ、あの子…!」」


夏兎と秋兎が悪霊に見覚えがあるのか同時に声を上げる。


現れたのは体のラインを魅せつけるかのような薄着の装束の美女、狸のような尾に頭のてっぺんに獣耳がついている。


「ハロー♪また会うたなあ、楽しかったじょ♪」


悪霊の正体、タヌポンは夏兎達に愛嬌を振りまき、阿波弁で語る。


「貴女が夏兎と秋兎を異空間に引きずり込んだ者の正体ね、目的は何なの!?」


小夜子が薙刀を前に突き出しタヌポンに問う。


「んー特に無いんやけど二人めっちゃ可愛い顔しとったけんちょっとオカズにしたかったんよ♪」


タヌポンはこの緊迫した状況にも関わらず間延びした口調を出す。


「おかず…食べようとしていたのですか!?許すまじ!!」


小夜子は怒気を露わに出す。


リナは小夜子を見て思った。


(小夜子オカズの意味わかってないんじゃ…それと賢いとかじゃなくて単に男を知らないだけって感じが…まあ何だかんだで安心したぜ…)


リナは小夜子の今の一面などを見て絶対男遊びとかはしないと確信した。


「何真剣になっとるん?そんな怒らんでも良いで、お嬢ちゃんも可愛いんやしその気になったら男何人でも食べられるじょ?」


「私にそのような趣味など無い!」


小夜子は薙刀を振るいタヌポンに一撃をくわえる。


タヌポンはそれをヒョイと避ける。


「この人喰い悪霊め!とっとと成仏なされよ!!」


タヌポンを斜め上の捉え方で小夜子は吼えながら薙刀による攻撃を繰り出す。


「そんなカッカしとるとすぐに老けるじょ!泡手裏剣!」


タヌポンはどこからか卍型の手裏剣を取り出しそれを小夜子めがけて投げつけた。


手裏剣から何故か泡が吹き出し、それは小夜子の視界を遮る。


「しゅ…手裏剣から目くらまし!??」


小夜子は泡が目に入るのを防ぐので精一杯の状態となる。


「ほな行くじょ!!」


タヌポンは今度は接近戦に持ち込む。


タヌポンは視界の奪われた小夜子に華麗な動きで矢継ぎ早に攻撃を繰り出す。


それを見て兎達は「色っぽい♪」とタヌポンの見えそうで見えないそれを楽しんでいた。


「これだから男達は!小夜子!今助けに行くぞ!!」


リナは男達は美女を前にするとやはり頼りにならないと感じ、防戦一方の小夜子に助太刀しようと前にでた。


そんな時、リナは何故か足くくり罠にはまってしまう。


「な、何じゃこりゃ!?」


「良えとこなんやけん邪魔せんとって!」


小夜子を徹底的に打ちのめしながらタヌポンは口を荒げる。


「抵抗出来ない子を一方的に痛めつけるなんて猫柳の女王みたいな奴ね!」


そんな時別の少女らしき声が。


「だ、誰な!?」


上を見上げるタヌポン。


そこにはポニーテールの高めの背の美少女が傘を差した姿勢で木の枝に足を乗せた状態で立っていた。


「私は中山万里なかやままり!人は私をくノ一まりりんと呼ぶ!さあタヌキの妖怪!今度はこのくノ一まりりんが相手だよ!」


中山万里、WNI2に出てくる主要キャラで雨の力の異能を使う。


時にはくノ一となり、時には魔法少女にもなる。


テンションが高くポジティブシンキングをモットーにしたハイテンションガールだ。


「どんな強敵でも私の泡手裏剣があったら敵やおらんじょ!あんたも喰らってみたいんか!??」


タヌポンは泡手裏剣をまりりんに繰り出す。


「私に泡なんじゃらなんて通用しないよ!」


万里の頭上から滝のような雨が降り注ぐ。


降り注ぐ雨はタヌポンの泡手裏剣から出る泡をことごとく消していった。


「あ、あんたは雨の妖怪!?」


「あんたと一緒にするんじゃない!!」


まりりんはツッコミながらタヌポンに攻撃を開始する。


二人の戦いに喜んで応援する兎達。


「それよりお前らアタイを助けろー!!」


足くくり罠に嵌ってしまい抜けられないリナは女と女の戦いに興じている男達に怒声を上げる。


まりりんとタヌポンの戦いだがまりりんの方が一枚上手だったようで、一方的に手数を与えられるタヌポンは「お、覚えとき!」と声を荒げてその場から立ち去っていった。


「はっはっは卑怯な手しか使えない奴の実力なんてあんなもの!この私に肉弾戦において勝る奴など存在しないのだー!」


まりりんは笑う。


ともあれタヌポンを退治し森は元の静かな森に戻った。


「別の仕事があるから私はそろそろおいとまするわ♪ほんじゃ!」


まりりんは用は済んだとばかりに跳躍しながらKEI作品の中へと帰っていった。


ーーー


「りなっしー本当にごめん、後で奢るからさ」


「ふんっ!」


すぐには助けられず女同士の戦いに夢中になってしまっていた兎達は謝るがリナの機嫌が直るのには一週間かかったのは余談である。

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