夏兎と秋兎の海辺戦
ザザーッザザーッ
そこはなぜか海の砂浜。
夏兎、秋兎が森から抜けるとなぜかそこには海の水平線が見えていた。
「よくわからないけど森からは出られたみたいだな」
「でも結局春兄とりなっしーは見つからず終いだな…」
夏兎と秋兎が呆然と海を眺めていると後ろから突然何者かが夏兎達に聞き出してきた。
「おやおや貴方がたは夏兎さんに秋兎さんではありませんか?」
夏と秋は振り向く。
「小山っ!何でここに!?」
「それはこちらの台詞ですよ、貴方がたがどうしてここにいるんですか?」
義人は尋ねる。
*小山義人…KEI主のWNIメンバー、坊っちゃん刈り、サイコパワー(超能力)の使い手、基本優しく少し気弱だが大胆な行動に出ることもある。
「アリスちゃんって子が今大変な目に遭ってるらしい、俺達は彼女を助けに来てるんだ」
話す夏兎。
「アリスさんですか…ふん、大変な目にと言っても自業自得でしょう?あの子助けにいく価値そもそもあるんですか?」
突然小山はらしくない言葉を平然と放つ。
「小山…何言ってんだ?」
「たしかに他人っちゃ他人だがそこまで言う事は無いんじゃないの?」
小山のあまりの言い草に抗議を出す二人。
「すっかりアリスを信じていましたよ…貴方がたも悪い事は言いません、アリスと言う女には関わらない事を勧めます」
小山は目元は鋭い目線を向けたまま、口元を上げる。
「よくわからないけどナツ兄、俺こいつぶちのめしたくなってきたぜ!」
「お前もか?小山は弱そうだがサイコパワーの使い手だ、油断するな!」
夏兎と秋兎は怒気を同時に小山に対して放ち、呟き合う。
「僕に楯突くつもりですか?あまり甘く見ないで欲しいものですね」
「ほざけ!サンダーストレート!」
夏兎は垂直線上の稲妻を小山にぶつける。
「サイコシールド!」
小山はバリアを張って稲妻を防ぐ。
「どこを見ている?」
秋兎がすかさず小山の後ろに回り、攻撃を仕掛けようとする。
「こっちですよ!サイコスコール!!」
と小山は触れずとも発揮されるサイコパワーから出る嵐で秋兎を後ろに吹き飛ばす。
「畜生、相変わらず油断出来ねえ野郎だぜ」
秋兎は空高く跳ねながら瞬時に夏兎の横に着く。
「もう終わりですか?」
小山は不敵な笑みを浮かべながら夏兎達に歩み寄る。
「まだまだァ!!」
夏兎は稲妻による攻撃を、秋兎は高い跳躍力を活かしたバトルを繰り広げる。
「サンダーソード!いい加減更正しやがれ!!」
「結愛さんみたいな事を仰いますね、結愛さんが今アリスさんから離れている事はご存知ですか?」
「知るわけ無いだろ!回旋蹴り!!」
後ろから秋兎の回旋蹴りが放たれる。
「おっと♪」
小山はしゃがんで避ける。
「馬鹿!危な…ぐはぁ!」
秋兎の回旋蹴りが夏兎の顔面にもろ入ってしまう。
「ははは息が合ってませんねお二人さん♪」
夏秋を笑う小山。
「くそう小山の笑う顔がこんなにムカつくのは初めてだぜ…」
夏秋も小山のいつになく挑発的な態度に青筋が入る。
『やれやれ、だからあんた達は駄目なんだ』
「んだとテメェ!もういっぺん言ってみろぉ!!」
夏兎が激しく啖呵を切る。
「違う、今の声は小山じゃない!この声は…!」
秋兎は声の主が小山とは別の青年であるのに気付き、声の主を探した。
よく見ると岩陰に仮面をつけた白いタキシードの青年が立っている。
「スノーラビット!!」
そう、声の主はスノーラビットのものだった。
「何ほざいてるのですコソコソと…」
小山が訝しげに洩らす。
『兄…もとい夏兎!秋兎にサンダーボールを打ち付けろ!!』
「はっ?気でも触れてるのか?」
『いいから!』
スノーラビットは確信を持って言ってるんだろう、夏兎はサンダーボールを秋兎にぶつける事にした。
「秋兎すまねえ!サンダーボール!!」
夏兎は秋兎にサンダーボールを撃ちつけてきた。
「わっ!危ねぇ!!」
夏兎の放ったサンダーボールが秋兎の目前に飛んできて秋兎は思わず飛び上がり、そのボールを条件反射的に蹴り返した。
秋兎の蹴り飛ばしたサンダーボールは海に飛ばされたが今ので新たな攻撃法を思いついた。
「成る程、そう言う事か…」
秋兎は確信を持った笑みを見せる。
「そう言う事って何だよ?」
と夏兎。
「相変わらずだなナツ兄、だからケイちゃんに呆れられんだよ!」
「なんだとテメェ!!」
夏兎は怒りに任せてサンダーボールを次々と秋兎にぶつける。
「そらよ!!」
秋兎は夏兎の放ったサンダーボールを次々と蹴り返す。
それは全て小山に向かっていた。
「くっ、ふっ!これは新手の攻撃法!しかし僕にそんなもの通用しませんよ!!」
小山はサンダーボールを避けながらも強がりを放つ。
「じゃあこれはどうかな?」
秋兎は夏兎の怒りに任せて放たれたそのボールを少し違う角度から蹴り放つ。
「何度やっても無駄ですよ!」
小山は避ける。
しかし秋兎の蹴ったボールはカーブを起こし、小山めがけて放たれる。
「サッカーは何処からボールが飛んで来るかわからない!だから面白いんだよ!!」
秋兎のサッカー愛のこもった言葉。
そしてボールは小山の背中に命中。
「があぁっ!?」
小山は後ろからカーブしてきたボールに撃ちのめされ、前のめりに倒れた。
我に返る夏兎。
「ハァハァ、あれ?小山が何故か伸びてる…」
「あのタキシード野郎のおかげで良いコンビネーションが取れたな、兄貴!」
「何が良いコンビネーションだ!」
夏兎が抗議しようとしたところ小山が立ち上がる。
その目は憑き物が取れたような、少し気弱でとぼけた感じの小山そのものだった。




