表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アレンと徳島とWNIの国のアリス  作者: 海豹ノファン
4匹の兎勇者と徳島アーク伝説
35/82

少女救出作戦!


ーーー春兎side


森から何とか抜けた春兎とリナ。


すると今度は廃墟の跡が多く建ち並ぶ街が見えてきた。


「あ、あれはっ!?」


春兎とリナは何か黒いものが蠢くのを発見した。


近づくとそこには触手に襲われている少女が。


「あいつは小夜子!!」


リナが叫ぶ。


「知り合いかい?」


「ああ、以前コラボで一緒に出た事がある、しかしあいつが何故ここに…」


しかし触手に襲われている様子からしてお世辞にも無事であるとは言えない。


挿絵(By みてみん)


「呑気に話なんかしてる場合じゃねえ!小夜子、今助けに行くぞ!!」


リナが駆け出す。


リナが駆け出すや触手が矢を射るかのような勢いでリナに飛びかかってきた。


「!!!」


しかしリナは目の前に突然触手が四方から襲って来るのに思わず固まってしまう。


肝心の避ける選択肢が出来ない。


「危ない!!」


そんな時、春兎は機転を利かし、リナを抱いて触手をかわした。


「春兎、すまねえ、何度も助けられて!」


「無事で良かった、でも迂闊に行動しては駄目だ、先ずはどうやってあの子を助けるかを考えよう!」


「そうだな!」


一方の小夜子は身体中触手の体液や自身の汗に塗れ、身体の一部一部を刺激されている。


そして心なしか表情はやつれている。


(ハァハァ…今のは…リナ?リナだとしたら何でここに…でも来ないで!来たら貴女も大変な事に…ふあっ!)


僅かにでも動かすと触手の電撃が襲う。


内部にまで刺激されて力も入らず、あるはずの巫力も奪われる。


今の小夜子は触手に襲われているただの少女、助けられない限りどうにも出来ないのは確実だった。


しかし今は、偶然にも彼女を助けられる存在が二人いた。


「あの子を助けるには石を触手にぶつけるしかない!」


「でも小夜子にまで当たっちまったら!」


「それしか方法は無い!」


そう言って春兎は石を触手めがけて投げつける。


すると春兎の睨んだ通り触手がこちらに飛んで来た。


すかさずそれを避け、春兎は矢継ぎ早に石を投げ続けた。


「触手が小夜子から離れていく、しかし春兎だけじゃ足りない、小夜子、悪いけど我慢してくれよ!」


リナも小夜子を助ける為に春兎に助太刀する形で石を次々と投げ続ける。


触手が襲ってくるが仲間を助ける為ならとリナも避け続けて石を投げる手を止めない。


石は触手に少なからずダメージを与えているようで触手が少しずつ小夜子から離れていくのがわかる、反面小夜子は痛いと呻かず声も出せない程弱っているも顔を歪めているので痛がっているようだ。


小夜子から離れた触手は何をするんだと言わんばかりに春兎達に襲いだすが仲間を助ける為ならとリナも避け続けて石を投げる手を止めない。


やがて小夜子から触手が離れて小夜子はぐしゃりと地面に崩れ落ちる。


「痛いけど…触手は離れてくれたようね…後は触手を片付ければ良いだけなんだけど…」


小夜子は触手に襲われ続けたせいで身体が思うように動かず、魔力も出せない。

しかしこのままでは小夜子も、春兎やリナも無事では済まない。


「ここにはヒロが魔物を寄せ付けないように張ったバリアーがある…とりあえずそこに鉢合わせるよう誘導すれば…」


小夜子は一かばちか、残り少ない巫力でテレパシーを送った。


『リナ、リナ!聞こえますか?』


「小夜子か!?」


『良かった、聞こえるようね、ここから左に折れた信号の所に走りなさい!』


「信号ったって…わかった!」


一瞬迷うが目的の物が見えて納得するリナ。


リナは小夜子の言葉を信じてそちらに走っていった。


するとどうだろう、リナがそこに駆けつけるのを追った触手がリナの目前でジュっと熱で溶けるように消滅していった。


「危なかった…」


リナは一安心。


「ハァハァ、何だかわからないけど…触手は襲って来なくなったね…」


息を切らしながら春兎も歩み寄る。


「とりあえずこれ!」


春兎は何もきていない状態の小夜子に深い布を被せた。


「とりあえずこれを被せとけば周りの目も気にせずに済むだろ?」


「恩にきます…」


やや目線を反らして顔を赤らめて春兎が言う。


触手に追われている最中に偶然拾ったらしいそのボロボロの布だが、それを偶然とは言え拾い上げた春兎の機転には只々関心するばかりだ。


「小夜子、立てるか?」


「立てま…あぁっ!」


小夜子は何とか立ち上がろうとはするがすぐによろけてしまう。


「しょうがねえな!」


そう言ってリナは小夜子を背負う。


「重く無いですか?」


「気にするな、アタイはこう見えて力は強いんだ!」


それを見た春兎は気を使って「僕が背負おうか?」と聞いて来るが「お前は駄目だ」と逆にリナにつっぱねられ、少し凹む春兎だった。


「クオーツを…」


「え?」


リナの耳元で小夜子が意味深な言葉を放つ。


「クオーツを持っていたのですが今はメアリアンと名乗る者達に奪われて今は手元にありません…」


「そのクオーツってなんなんだ?」


「それは魔よけのアイテムだね、それを着けていれば霊障を受けなくて済むと言う、所謂パワーストーンさ」


春兎が小夜子の代わりに説明する。


「へえ…でもアタイらなら無事だよ、春兎さんのお陰でな!」


「いえ…実はもう一人女の子がいたのですが…彼女にはクオーツを渡せていないままなのです…このままだとあの子は…」


小夜子は弱った声を振り絞りつつも言葉を紡ぐ。


「その子、ひょっとしてアリスちゃんかい?」


と春兎。


「貴方がたもそのアリスと言う方を…」


小夜子の声が心なしか明るくなる。


「あぁ、スノーラビットと名乗る男の人から助けてくれと頼まれてさ…」


「だとしたら話は早い、クオーツはヒロの手にも渡っています、私の見間違いでなければですが…」


「だったらアタイらが取り返してやるよ!」


リナが自信満々に言うが小夜子はそれを遮った。


「かなり厳重に警備されていて迂闊には近づけません、少なくとも生身では…」


「生身で無ければ大丈夫なのかい?」


と春兎。


「大丈夫と驕っていいものでもありませんが…その術で気配を消す事が出来れば或いは…」


「でも無理するな、あんたが魔法少女なのは知ってるが今は使えないんだろ?」


「いえ、その術程度ならかけることは出来ます、しかし相手が気づかないからと言って油断なさらぬよう…」


「その点については大丈夫だ、かけてくれるかい?」


春兎が促す。


「わかりました、セケヲイハケ…ソワカ!」


小夜子は詠唱を二人にかけると春兎とリナの姿は消えて無くなる。


「なんか…自分の姿が見えないって変な感じだな…」


「効果は今の私の魔力を考慮して6分、本来なら30分以上は可能ですが今はこれが限度です、速やかに、慌てず行動してください!」


小夜子は忠告をかける。


「速く慌てずって…難しいような…」


「大丈夫だ会社ではよく言われる言葉だから、とりあえず僕に任せておけば大丈夫だよ」


春兎は社会人としての頼もしい言葉をリナにかける。


「とりあえず春兎についていけば大丈夫そうかな、じゃあ小夜子、行ってくるわ!」


「はい、気をつけてください、その間私は休んで自分の魔力を回復させておきます」


「それが懸命だ、じゃあリナちゃん行こう!」


「あぁ!」


そして春兎とリナは廃墟の奥へと進んで行った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ