恋せよ乙女!
アリス、いやアリスに化けたメアリアンはアリスの部屋に転がり込む。
部屋の中には猫のディアナがいた。
にゃーと鳴きディアナがメアリアンに寄ってくる。
(こいつはアリスの飼ってる猫ね、妙に馴れ馴れしいわね…)
警戒もせずメアリアンにすり寄ってくるディアナ、メアリアンをアリスと思っているようである。
メアリアンは口元を上げる.
「ふふふ、そんなにいじめて欲しいならいじめてあげるわよ!」
「ふぎゃっ!?」
メアリアンはディアナをいたぶりだした。
その時、アリスの執事がやってきた。
「お嬢様!おやめなさい!!」
執事が割って入りディアナは解放される。
その隙にディアナが逃げる。
「お嬢様!こんな事をしたらロクな大人にはなれませんよ!人一倍優しかったお嬢様…それはずっと変わらないと信じておりましたのにっ!」
執事がメアリアンに説教を聞かせる。
そんな中メアリアンは思った。
(説教くさくていちいちうるさいおっさんね、顔も好みじゃないし、もっと若くてハンサムな人はいないのかしら…とりあえずは追放しちゃいましょう!)
執事の説教に腹を立てメアリアンは嘘泣きをしだした。
「うえーんうえーん!」
突然の嘘泣きに執事は狼狽える。
「いや、私は貴女が嫌いで説教しているわけでは無く悪い大人になって欲しくないからであって…」
執事は弁明するがメアリアンは嘘泣きを続けやがて父親がやってきた。
「何があったアリス!!」
「このおっさんが襲ってくるお父様助けて!」
メアリアンは父親にすがりつき喚く。
執事は違います!と慌てて話すが時すでに遅し、
「カール!お前は信頼出来る男と思っていたのに幻滅だ!追放する!!」
と父親からの雷が落ち、執事カールは執事の座を追われレイチル家から追放された。
「ふースッキリした♪」
突然のアリスの豹変にデイジーも戸惑いを隠せず、デイジーもアリスを呼び止めた。
「アリス!待ちなさい!」
アリスと呼ばれメアリアンは立ち止まる。
「なあにお姉様?」
「なあにじゃないわよ!帰ってきたと思ったらあれだけ慕っていたカールさんを追放しだしたり嘘をつくようになったり貴女最近おかしいわよ!?」
メアリアンはとぼける。
「何言ってるのお姉様?私は正真正銘アリス・レイチルよ?お姉様も少しおかしいのではなくて?」
「貴女ねえ!」
デイジーがアリスに掴みかかる。
「やめなさい!」
割って入る父親。
「お父様!アリスが最近おかしいのに気がつかないんですか!?」
父親も薄々は感じていた。
「うむ…言われてみれば…」
メアリアンはニタリと笑い父親とデイジーに提案を持ちかけた。
「こうしましょうよ♪私と剣で勝負して私が負けたら家を出てってあげる、勝ったらみんな私のいう事を聞く、どう?」
「アリス、お前は自分が何言ってるのかわかってるのか?」
父親は言おうとしたがその前にデイジーが提案に乗り出した。
「面白い、この日の為に私はお父様と剣の稽古を受けて腕を上げてきたのよ!今なら貴女に負ける気がしないわ!いいでしょ?お父様!」
「う、うむ…」
父親は承諾するがメアリアンは更にとんでもない事を言い出した。
「お姉様に勝っても面白くないからお父様も私と試合するの、手加減なしでね、どうかしら?」
デイジーは悔しさで歯ぎしりをする。
「言わせておけば…」
「ここでは喧嘩してはならん!いいだろう、では明日道場で試合しようではないか!」
父親は言った。
「楽しみね、お姉様♪」
「ふんっ、言ってなさい!」
そして一家は眠りについた。
ーーー
アリスはハンに会うのが楽しみになってきていた。
メイドとしての日々は辛いがハンがいるからこそ頑張れる。
そしてハンがまたアリスの元にやって来た。
「ハン!今日も来てくれると信じてました!」
「頑張ってるようだね、たまには休みなよ?」
そして部屋でアリスは束の間のひと時をハンと過ごす。
(あぁ、私ハンといると辛い日々から忘れられる、どうしよう!私ハンに恋してる!)
アリスはハンの甘い言葉を聞くたびに魔法にかかったようにハンの虜になっていった。
(ハンと繋がりたい…ハンに束縛されたい…滅茶苦茶にされてもいい…)
アリスもやはり年頃の娘、恋という魔力にはどうしてもかかりやすくなってしまうものである。
ただ、その日は何も進展はないまま、ハンは帰って行ってしまいアリスは虚しくため息をついた。
私にもっと勇気があれば…。
アリスはただ自分の不甲斐なさに心の中で自分を責める事しか出来なかった。
アリスはふと恋愛小説を読みたい気持ちになりそれを読んだ。
「告白出来ないままだとその子に好きな子取られちゃうよ!」
こう言った台詞にアリスは危機感を覚えた。
そうだ、ハン君は毎日来てくれる…だから言うチャンスはいくらでもある、今度こそ勇気出さなくちゃ!
腐っても元勇者!エイエイオー!!
アリスは心の中で気合を入れた。
そして翌日…。
「どうしたのアリス話って?」
「あの…あのね…私…」
モジモジして目が泳ぎ、落ち着かない。
昨日あれだけ気合入れたのに!
やはり異性相手では本来の自分を出せない。
しばらく過ごすと変わってくるのかな?
アリスはそんな感じに思ったが異性を意識し過ぎているのかアリスは固まったままでいた。
「可愛いなお前は♪」
そっとハンがアリスの頭を撫でてくれる。
「言いなよ♪遠慮せずにさ、その方がモヤモヤせずに済むし、それから言いたいざらい言うのも勇気だぜ?」
ハンはアリスの言いたい事を知ってか知らずか、言わせて見せようと垂らし込む。
「き、嫌いにならないでね?」
「なるわけないだろ?」
そしてアリスは意を決した。
ーーー
暗雲が立ち込め稲妻が迸る大地。
そこで今、決闘が行われようとしていた。
黒い翼のアリスは今か今かと白い翼のアリスを待ち構える。
「うむ?」
やがて白いものがこちらに飛んで来るのが見えた。
「来たな…!」
黒い翼のアリスは椅子から立ち上がる。
そして白い翼のアリスも黒アリスの目前に着地する。
「遅かったわね!」
「踏ん切りがつかなくて…ずっとどうしようどうしようと迷ってたの」
「ふん、腰抜けね!」
「でもやっと決心が付いた、覚悟はよくて?」
白い翼のアリスは聖なる槍を構える。
「ふん、お前の勇気など私の恐怖心の槍で一網打尽にしてくれるわ!」
黒い翼のアリスも恐怖心の槍を構える。
白と黒の戦いの火蓋は切って落とされた!
「ハン…ここから連れ出して!そして滅茶苦茶にして!今までの辛い日々を忘れてしまえる位に!そしてずっと一緒にいて!私、貴方無しじゃ生きられなくなったみたい砲 !!」
アリスは槍から巨大なエネルギー砲を放つ。
「やっぱりなんでもありません砲!!」
逆に黒アリスも槍から巨大なエネルギー砲を放つ。
互いに押し問答するエネルギー砲とエネルギー砲。
「WNI…えんげき…交換日記のキャラのみんな!私に力を貸して!!」
白アリスは好きな小説のキャラを応援させた。
「こ、この私が…ウボァー」
黒アリスはエネルギー砲に飲まれ、消滅した。
ーーー
「…心に決めた…私…頑張るよ…!」
アリスは目を見開き、告白した。
「ハン…わ、私貴方の事がす、好きになりました!!」
「は?」
するとハンはこう返事をし、一瞬小馬鹿にするような表情を見せる。
アリスは戸惑うが、続いて勇気を出してハンに叫んだ。
「だから!私は貴方が好きになりました!!」
顔は赤らめ頭から煙が出そうになるほど恥ずかしい思いをするも想いを精一杯伝える少女アリス。




