表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アレンと徳島とWNIの国のアリス  作者: 海豹ノファン
アレンと徳島とWNIの国のアリス
17/82

アリス目醒める!

城の地下の宝物庫を目指すアリスと結愛。

そんな時、甲斐もつたなく地下に入った所で最も最悪な相手が現れた。


「この女王様から逃げるなんて流石ねえ…」


後ろを振り向くとハートの女王が闇のある微笑を浮かべてアリス達に近づいてきた。


結愛は構える。


「アリス!ここはミーが足止めをする!ユーは早く先を急げ!」


「…うんっ!」


今のアリスではいた所で足手まといにしかならない。


アリスは強くなるために、女王に立ち向かう力を手に入れる為に向こう側のトランプの鍵穴を目指してめいっぱい走った。


一方対峙する結愛と女王。


「今度はあの時のようにはいかない!」


結愛、いやユイ・ルミナーレはハリセンを両手に構えて伸ばすように気合を入れる。


女王は虫を見るようにユイに冷笑を浴びせる。


「愚かな、妾には敵わぬと知りながら…」


「今度はこの前のようにはいかない!」


ユイはハリセンを用いて女王に飛びかかった。


ハートの女王は身の程知らずがと言った表情でユイを見下し右手からあるものを出現させる。


それは剣のようなものだが形はいびつで、中心や刃部、所々に紫に光る妖しい形のまるで女王の心の闇を象徴したかのような剣。


ユイのハリセンと女王の闇の剣がぶつかる。


グオオオオォッ!!


両者のぶつかり合いで互いから衝撃波が伝い怪しく風か吹く。


ユイはハートの女王を押し返そうと必死。


しかしハートの女王は余裕の笑みさえ浮かべていた。


「ふんっ!」


女王が一振りするとユイの体は後方に飛ばされた。


ユイは落ちる直後に体勢を変え、大地に足を付けるがこの時点で女王との力の差を感じていた。


(やはりハートの女王は強い…あの唯や義人二人かかっても勝てなかった相手…だが…!)


ユイは覚悟を決めてハリセンでの攻撃を繰り出し続ける。


「ぐあああぁっ!!」


ユイはなおも後方に突き飛ばされる。


着地する余裕もなくモロに体を大地に預けた形で倒れる。


ユイはハリセン武術による自身の闘気と体力を全速力で使い、女王に立ち向かうがまるで刃が立たない。


一方女王は余裕で無傷、ドレスにも埃一つ着いていない。


ユイは痛々しい傷を周囲に作り、立ち上がれないほど体に傷を負っている。



それでも女王に立ち向かうのをやめなかった。


ユイはヨロヨロと痛む体を踏ん張って立ち上がる。


「ハァハァ…ミーは猫柳でも散々傷つけられた…傷つく事なんか怖くない!」


「どこまでも忌々しい勇者達だねぇ…」


女王は諦めずに女王に立ち向かい続けるユイに対し、目をギッとさせる。


ーーー


一方アリスはどこまでも続く廊下を息切れ切れになりながらも走り続けていた。


(振り向いちゃ駄目!急ぐのよ!早く急がないと、結愛ちゃんが…!)


アリスは結愛を、そして徳島とWNI世界を守る為に勇者となろうとしていた。



入り口までやってくるアリスだが、そこにはトランプ兵達が待ち受けていた。


「!!」


トランプ兵が門の前にいて絶体絶命の危機を感じるアリス。


今度こそもう駄目だという絶望感がアリスを襲う。


もう…逃げ場はない…!



「フフフ、お嬢ちゃん、まだハートの女王様に屈服しないつもりかい?」


トランプ兵は嫌らしい笑みを浮かべてアリスに近寄る。


(恐れるな!戦うのよアリス!)


アリスはこの状況こそかえって強気に言い聞かせる。


「えーーい!!」


アリスは十手程の大きさの鍵を振り回し、トランプ兵達に立ち向かっていった。


ガシッ。


逆に腕は捕まれ、持ち上げられる。


「ほーら捕まえた♪」


トランプ兵達は気丈に立ち向かうアリスを嘲笑う。


「は、離してよ!」


アリスは暴れて抵抗するがトランプ兵はビクともしない。


「ほらよっ♪」


アリスは突き飛ばされる。


「ひひひ、それよりそんなにいじめられ足りないなら俺たちと遊ぼうぜえ♪」



トランプ兵達は薄ら笑いしながらアリスに手を伸ばしてきた。



その時、鋭いむちの一閃がトランプ兵達の手に飛ばされる。


「ぎゃっ!?」


兵士達は手に激しい衝撃を覚え、悔しそうに痛む手を抑える。


「汚らしい手でか弱い女の子に触れるんじゃねえよ!」


そこに現れたのは蝶の美しさを強調させたような美女池田唯。


「アリスさん!遅れてしまってすみません!」


そして小山義人も現れた。


二人は女王の呪いでイモムシ、海亀に変えられていたがアリスの更生の鍵で人の姿に戻った。


因みに唯は美しい蝶の羽根と触覚がつき、妖艶さの増した美女となっていておまけに鱗粉の異能も使えるようになった。


「いつまでも足手まといのお姫様やってるんじゃ無いわよ!とっとと急ぎなさい!!」


アリスに怒号をあげる唯、口は悪いが彼女なりにアリスを思ってのことである。


アリスは唯の一言に「ありがとう!」と礼を述べて先を急いだ。


「あの鳴海結愛さんにハートの女王を任せて大丈夫なんでしょうか?」


入り口にいきなり女王と出会い戦わざるを得なくなったユイ、勿論戦況は前ページの通りである。


「しょうがないでしょこうするしか無かったんだから!今は目の前のトランプ兵を片付けて結愛に加勢するわよ!」


「そうですね!」


襲ってくるトランプ兵達を唯と義人は異能を使って次々と粉砕していった。


アリスは緊迫と体力の消耗から全身から嫌な汗をかく。


おかげで服まで湿っていて手入れに手間取りそうだ。


しかしそんな事は気にしていられない。


勇者に目覚めて戦わなくてはならない宿命なのだから!


アリスは鉄の大きなトランプと対峙する。

中央には鍵穴が。


アリスは鍵穴に鍵を差し込んでみた。


この間は鍵を合わすことも不可能だったが今は形にはめる事が出来た。


やはりアリスの持つ鍵は本人の素質のほか心の光にも影響を及ぼすらしい。


そしてアリスは硬い鍵穴に差し込んだ鍵で力一杯回した。


ガチャリと音が鳴り鉄板のトランプが砕かれ、その隙間から眩い光が部屋中を包む。



「!!!」


アリスは眩い光の中で長身の男性を見た。


ブラウンのツーブロックに青いハチマキ、形の良い筋肉を魅せたタンクトップに鉄の肩当て、必要な所だけを鎧で覆ったハンサムな青年だった。



「お嬢はんが目覚めさせてくれたんかいな、おおきにな、ワイはアレンや、この作品の題名にワイの名前ドカドカと乗っとるのに全然出番無あてシクシク泣いとったとこや!」


アレンは暫く封印された状態の上この小説の作品にアレンと付けられているのに出番がやって来ないことにヤキモキしていたのか凄まじくアリスにトークを繰り広げた。


「は、はあ…」


アリスは苦笑いを浮かべ返答に戸惑う。


「お嬢はん!そこは突っ込まな!!」


アレンは乗って来ないアリスに文句を投げる。


「ごめんなさい、そ、それより私の為に友達が戦っているんです!早く急がないと大変な事に…!」


「焦らんでもこの空間は時間止まっとるけん」


どうやら時間は止まっているようだ。


ーーー


ハートの女王は致命傷を負われても何度も立ち向かっていく結愛に痺れを切らす。


「お前、そんなに死にたいのかい?」


恐ろしい形相で結愛を睨みつける女王。

女王は暗黒に包まれた剣で結愛の腹わたをえぐろうとした。


(もう駄目だ…だがミーは精一杯戦った…ミーのような人間のクズにもレイやアリスみたいなミーを思ってくれる奴に出会えたのはせめてものセーブだ…)



結愛は命の灯火が消えそうなその直前に自分がせめて愛する人の救いとなれた事に誇りを感じた。


勇者の宿命は皆が憧れるが実態は残酷で世界を守る事をアイデンティティにしなければ身が持たない。


小山義人のように恋人と離れなければならず、敗北となれば唯のようにイモムシにされる。


しかし最高の友情を得られた結愛はこれ以上の幸せは無いと目を閉じた。


ガキィン!!


激しい金属音が鳴る。


痛くない…ミーはどうなったんだ?

結愛はゆっくりと目を開ける。


女王の持つ暗黒の剣は結愛の腹わたをえぐろうとしたが白い剣状の閃光によって制止された。


「良かった、間に合いました!」


義人が結愛を女王の剣から守った。


「結愛にしてはがんばったわね!」


結愛が極限になってまでハートの女王を阻止した事に気持ちだけ褒める唯。


「素直じゃないなー…」


義人は軽く突っ込むが唯が褒めるのは意外と珍しい。


「ノープロブレム、この言葉かけて貰えれば…ミーは勇者として冥利に尽きるよ…」


結愛は仲間の助けと励ましに熱いものが込み上げて泣いてしまった。


「あんたはゆっくり休みな、あとは私達でやるから、小山、行くよ!!」


「はいっ!」


「あれ程力の差を思い知らせてやったのにまだ懲りないのかい!!」


唯と義人は結愛の頑張った分まで魔女を倒すつもりで臨んだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ