勇気を取り戻せ!
「私はあんた達の思い通りにはならない!!」
アリスはいじめを受けてミサりんから間違いを指摘されていたが闇アリスに打ち勝ったアリスはこう反発した。
「てめえこの期に及んでまだ懲りねえみたいだなあ!!」
ミサりんはアリスを突き倒す。
「いい気になってんじゃねえぞお前なんか殺していいと女王様からも言われてんだからな!!」
そしてアリスをサンドバッグのように蹴りを浴びせる。
「死ね!死ね!」
取り巻きも面白がってミサりんとともにアリスを矢継ぎ早に蹴り続ける。
力も体力も極限まで削がれたアリスは抵抗も虚しくミサりん達からの罵詈雑言と蹴りを受け続け、体の一部が損壊しないかと言う程傷つけられ、それでもアリスの心までは壊す事はミサりん達には不可能だった。
その時別の人影が現れるがいじめに夢中になっているミサりん達はそれに気付かずにアリスを徹底的にいじめ続ける。
そんな時だった。
取り巻きの一人が突然吹き飛び、壁にぶつけられた。
ガシャン!!
取り巻きは家具にぶつかり、家具と共に地面に崩れ落ちた。
「な、何が起こった!?」
異変に気付いたミサりん達はアリスを蹴り続けるのをやめる。
「だ、誰だアンタ??」
別の人物の存在をミサりんは気付く。
その人物はアリスの最高のフレンズ。
鳴海結愛、いやユイ・ルミナーレだった。
しかし彼女が覚醒した鳴海結愛とはミサりん達はわからない、彼女は覚醒した途端別の人間になっているからだ。
ユイ・ルミナーレは第三者でもわかるほどの殺気を沸き立たせて放つ。
「何をやっているユー達?」
右手には血塗られたハリセン。
眼は赤く光り長い髪が自身の殺気で作られた風で軽くなびく。
「あ…アタイらはこいつが間違った事ばっかしてるんで懲らしめているだけだ!」
ミサりんはうろたえながら口実をする。
「そうか…間違いを正すことは素晴らしい事だ、ならこのミーにも懲らしめてみせるが良い…」
ユイはズッと近づきながら言う。
「な、何の事でしょうか?」
おののき、思わず丁寧語になってしまう取り巻きの一人。
「ミーもユー達で言う悪者だ、女王を更生させる為にアリスと行動を共にしている、正義の味方なら、悪党をやっつけなければならない、これはジャスティスな行動だ、違うか?」
ユイは不気味に口元を上げる、口元を上げるも眼は殺気に満ちている。
「あわわ、そそそれは…」
取り巻きが言い訳をしようとするとその取り巻きにもハリセンの一撃が飛ぶ。
その取り巻きもぶっ飛ばされて壁にぶつかる。
そしてまた近づいてくるユイ・ルミナーレ。
ミサりんと取り巻きはこの場合なんとかしないといけないのはわかってはいるものの恐怖で動けなくなる。
そして嫌なものが床に漏れる。
「なあ、間違いは正すべきなんだろう?ミーも正してみせてよ?」
ユイは静かに言うもその一言にはある種の凄みを感じさせた。
「わ、悪い事はしません!ですから許して!!」
取り巻きが謝るもユイによるハリセン攻撃が飛んでその取り巻きも吹き飛ぶ。
「ひええっ!!」
ミサりんは腰を抜かす。
「悪い事?ユー達とミー達のどっちが悪い事なんだ?教えてよ、ミサりん、ユーならわかってんだよね?」
「し、知らない知らない!アタイはなんも知らない!!」
ミサりんはガチガチと情けなく震え、言い訳しまくる。
「結愛ちゃん…もういい…やめて…」
その時アリスが弱々しくユイの足元を握って言ってきた。
ミサりんは恐れを為して逃げ出した。
「アリス…大丈夫か?」
ユイがアリスを介抱する。
「結愛ちゃん…信じてたよ、貴女なら助けにきてくれると…」
「オフコース!ミーもユーに何度もレスキューされた…ベストフレンズなら、お互いレスキューするものだろ?」
ユイはそう言うもアリスの痛々しい様子に少し狼狽えている様子を見せる
「そうだね…ユイ…でも早くここから出なきゃ、誰かが来たら大変だよ!」
「ライト(そうだな)それより…」
「これは…?」
アリスはユイの持っているものに疑問の声をつぶやく。
ユイはなんと鍵と、着替えを持っていた。
「必要なものは取り返した、ユー、遅れてソーリーな…」
ユイは来るのに遅れた事を詫びる。
「ううん、結愛ちゃん、本当に見違えたね!」
アリスは着替えながらユイに尊敬の念を送る。、
一方ユイはその言葉を聞いて恥ずかしげに頭をかいた。
「大分遅れちゃったね!でも後は勇者の力を手に入れて女王を更生させるだけ!行こ、結愛ちゃん!」
「い…イエス…!」
アリスは痛々しい外傷を残すものの満面の笑みを浮かべて気丈に振る舞う。
しかしいつものアリスと何かが違う…。
結愛は違和感を感じ取るがその正体は今の時点ではわからなかった。
勇者の力を手に入れに走るアリス達だが、その時アリスの足がもつれて転んでしまう。
「っ!ユー、大丈夫か?」
結愛がアリスに駆け寄る。
「…あれ…?」
アリスは自分の手足が何かに震えているのに何気ない違和感を覚える。
「アリス?」
結愛がアリスの目前で心配そうに見つめる。
「何でもない…」
アリスは誤魔化すように立ち上がる。
アリスは目の前の世界がいつもと違って見えた。
何か、黒い霧が世界を立ち込めているような…。
そんなこんなで鍵を持って目的地までやってきたアリス達。
しかしアリスはさっきから無口だ。
目にも輝きが見られない。
真の勇者の力を得られる者は勇気と純粋な心の輝きを持つ少女のみとされている。
今のアリスには果たして勇者の力を手に入れられるのか…。
一か八かアリスは鍵を鉄のトランプの鍵穴に押し込む。
「ホワイ?どう言う事だ…」
鍵が鍵穴に嵌らない。
「チエチエ…」
その時千恵猫がチエチエ言いながら現れる。
言うと表現したのは笑っていなかったからだ。
「チエチエ…アリスちゃんの心は壊れてもとる…ほなけん鍵使うてもどうにもならんで…」
「ホワイ?どう言う事だ千恵猫…?」
「千恵猫さん…?」
アリスは結愛の言葉で千恵猫が現れたのに気付く、しかし何処にいるのかわからないようだ。
「そう言う事や…」
千恵猫はアリスに指差し哀しげに漏らす。
「アリス…ユー…」
「私はな、大人とか心に大きな傷を負った子には見えれへんねん、アリスちゃんはようけいじめられていじめられて…本来持っとる勇者の可能性を封じ込まれたんや…」
「どうすれば良いんだ千恵猫…!?」
体だけでなく心の傷を負ったアリス、今の結愛にはアリスを救う方法は千恵猫に頼るしかなかった。
「結愛に教えるんは気が引けるわ、自分で考えや」
千恵猫は突っぱねる。
アリスになら喜んで教えていたが好き嫌いはやはりあり、あまり面識の無い結愛に教えるのは千恵猫的に気が引けるものがあった。
「これまでの無礼は謝る、だから教えてくれ!」
結愛は土下座をする、フレンズを救う為なら、結愛はプライドを捨てる事を厭わない。
「しゃあないな…アリスちゃんは助けたいしな…知り合いに桜って言うカウンセラーの子がおるけん取り敢えずそのカウンセラーに紹介状でも送っとくわ、桜ちゃんは『桜カウンセリング』て事務所を建ててカウンセラーやっとる」
千恵猫はアドバイスをする。
*桜カウンセリングは本編には登場せずノファンが設定つけたもの、KEIさんごめんね(^^;)
「…わかった…」
結愛はアリスと共に桜カウンセリングという事務所を訪れる。
ーーー
桜カウンセリング…徳島で数多くの桜が植えられている箇所に構える桜カウンセリング。
桜は異世界を救った後カウンセラーとなっていた。
「千恵猫さんから紹介状は頂いたわ、貴女がユイ・ルミナーレさん、その子がアリス・レイチルさんでよろしいですね?」
桜はニコリとして結愛達に質問する。
「はい…」
結愛とアリスは答える。
「懐かしいわね、私も若い頃仲間達と一緒に異世界を救ってきたものよ」
「ユーも勇者?」
結愛は桜に聞く。
「勇者なんてたいそうなものじゃないけどね、でもそれがきっかけで友達も沢山出来たしいい思い出も出来たわ…失ったものも大きいけどね…」
桜はトーン良く話していたが言葉の終わりになると目を細めてトーンも下がっていった。
(千恵ちゃん…)
桜の瞳から微かに涙が。
「ユー、どうした?」
「ごめんなさい、感傷に浸っている場合じゃないのよね、じゃあアリスちゃん、始めるわよ!」
「…はい…」
アリスは無表情のまま答える。
カウンセラーであり、そう言った勉強をしてきた桜は今のアリスは言い例えるなら鳥籠に押し込まれ外に出れない鳥のような状態になっている事がわかった。
放っておくとアリスにとって良くない事は桜だからこそ知る事が出来た。
(こんな幼い子が可哀想に…でもすぐに良くしてみせるからね!)
桜はアリスの頭部を親指で軽く押す動作をしてみせる。
それはアリスの深層心理を探るためだ。
それによってアリスが心の傷を負った原因を知る事が出来る。
(これね…)
桜は感じ取った、アリスの心の傷を負った大きな原因を。
桜はアリスの深層心理に意識を飛ばす。
桜はその途中でアリスの色々な思い出をこの目で見る。
友達と遊んでいた小さい頃の記憶。
使いの教師から教育を受けている記憶。
ペットのディアナや姉と遊んでいる記憶。
執事から話を聞かせてもらいその話に大変興味を持って話を作ってとせがんだ記憶…。
(この子は本来とても正義感に溢れていて素直な子ね…今まで色々な人の記憶を辿ってきた事があるけどここまで輝きを放った子ははじめてだわ)
しかしこのままではアリスの心は闇に閉ざされてしまう。
その光とは比べものにならない程大きな(心の傷)によって。
やがて桜はアリスの深層心理にたどり着く。




