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アレンと徳島とWNIの国のアリス  作者: 海豹ノファン
アレンと徳島とWNIの国のアリス
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アリスと結愛と徳島の海ー2ー

「義人、久しぶり、私よ?」 前に出て百歌は義人の名を呼んだ。 目の前には大きな亀の甲羅を背負い、頭だけ人間の少年の顔の姿。


「百歌…ちゃん?」 義人は横を振り向いた。


しかし亀の姿なので振り向いたところで何も見えず 、体をぎこちなく動かしながら呼んだ主の顔を確認する。


「義人の馬鹿!何で連絡くれなかったのよ!!」 百歌は突然怒声をあげた。


「私、ずっとずっと待ってたのよ!貴方が帰ってくるのを…!」


そう言いながら百歌の目からボロボロと涙がこぼれる。


「僕は呪いでこんな姿に変えられて…君に会うのが怖くなった…僕を嫌ったりしないのかって…」 「馬鹿…!嫌う訳無いじゃない!!」


百歌は義人の体に抱きつく。 大きな亀の姿なので両手を広げた形でなのだが、肌の温もりが義人に伝わる。


「うわーん!アイアムクライド!!」

「ぐすん…良かったね…」


感動して貰い泣きするアリスと結愛。


その時の事だった。


義人の背負った亀の甲羅が光り出したかと思うと鍵穴が現れた。


「オゥ!あれは何!??」


光り輝く鍵穴に結愛も目を見張る。


その時千恵猫がアリスに急かすように言葉を放つ。


「アリスちゃん!感動しとるとこ悪いけど義人の甲羅の鍵穴に鍵差し込みや!!」


「えっ!?」


アリスは義人の背負った亀の甲羅の一部分が光っているのを確認する。


そこはよく見ると鍵穴の形をしていたのだ。


アリスは春兎から貰った奇跡の鍵を手に取り、それを甲羅の鍵穴に差し込んだ。


「さあいっせーので回すんや!!」


「いっせーの!!」


そしてアリスはその鍵穴を回した。


ガチャリッ!


手応えと共に音が鳴った。


バリンッ!!


アリスが鍵を回したと同時に義人の亀の甲羅が割れ


、八方に弾かれる。


「!!!」


アリス達は大きく目を見開いた。


小山義人は人の体に戻っていた。


「義人…貴方、体が…」


百歌がうろたえるように声をだす。


「え?」


亀の時のような重さが無く、体が軽くなったような感じを受ける小山義人。


そして義人は両手を顔目前に出して自分の体を確認する。


義人は自分の体が人間に戻ったのに歓喜の声を上げる。


「信じられない!僕、人間の体に戻ったんだ!!」


そして義人は抱きつく百歌の体を抱きつき返した。


「良かった!良かったよ!うわーん!!」


義人は思いっきり泣いた。


そして百歌も。


「チエチエ…私も貰い泣きや…チェシャ猫なのに…」


チエチエ笑うチェシャ猫は今、チエチエ泣く泣き猫となっていた。


「良かったな、義人…」


「兄さん…今まで迷惑かけてごめんなさい!」


義人は兄に今までの分まで詫びた。


「馬鹿!謝る相手が間違ってるだろ!!」


軽く注意をするセナ。


そうだ、百歌だ。


「百歌ちゃん、ほんとにごめん…」


「許さない…」


「え?」


百歌の怒気の含んだ静かな言葉に戸惑うアリス達。


「今まで私を独りにした分まで愛さないと許さないから!!」


百歌は更に怒りながら激しく泣く。


とりあえずこれでハッピーエンド…とは問屋がおろさない。


「百歌ちゃん、ごめんけどこやん借りて良いで?」


千恵猫が百歌に聞く。


「千恵猫さん!せっかく会えたのに!!」


「シュア(そうだよ)!また別れさせるなんてナンセンスだよ!!」


抗議をしだすアリスと結愛。


「ごめんな…でもこれはしゃあないんや…」


千恵猫は目を伏せる。


「…行ってしまうの?」


義人に聞く百歌。


「…ごめん…これはWNIの世界を守る為に大切な事…」


運命とは残酷だ。


勇者の使命を持って生まれたばかりに愛する人と離れ離れにならねばならぬ事もある。


そうした運命には抗う事は許されない。

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