━12章━
マルクの15歳の誕生日の日、4人で食事をしているとブレイマンが「これを食べてほしい」と包み紙を取ると一口サイズの赤黒いガラス玉のようなのが入っていた。
「ブレイマンさん、これ何?」
「キャンディだよ。食べてみてごらん。少し硬いから気をつけて」
少しチカラを入れて噛むと「うわぁ、あっ、甘いよぅ」と吐き出そうとするとブレイマンはコップを渡して水を飲ませた。
「だっ、大丈夫?」
「何あれ? キャンディなんて、もう絶対食べないからね」と少し涙が出ていた。
するとブレイマンは「ごめんっ」と皿をマルクに向けて投げた。
マーガルが「マルクッ!!」と立ち上がって見ると、マルクの顔の前で張り付いたように一瞬止まり、落ちると床の上で割れた。
ブレイマンは涙を流し笑みを浮かべて「成功した━━━。アビリティキャンディの効果で無事にシールドを使えるようになった」と喜んだ。
「もし失敗してたらどうするつもりだったんだっ!?」とマーガルはブレイマンのローブの襟を掴んだ。
マドカは「マルク、大丈夫?」と抱きしめると、「手が、手が皿を掴んでくれた・・・・・・」と呆然とした姿に「大丈夫だよ」と頭を撫でてあげた。
マーガルはブレイマンの襟から手を離すと「もう少し、やり方を考えて下さい━━━」と椅子に座った。
そして次の日、ブレイマンは研究室でコンピュータに連絡が来ると応答した。
「久しぶりだな、ブレイマン。メールは読んだ。成功おめでとう」
「ありがとう、アルス総統」
「2人で離す時は、その呼び方はやめてくれ」
「悪かったよ、ブラドレッド」
「それで、その子供はいつ島を出れそうかな?」
「ちょうど一年後には━━━」
「分かった。こちらもハンダーの事件から準備を始めた2人が、奴らの作ったウォールと呼んでいるモンスターに対応はしている。だが、いつどうなるか分からない。なるべく早く、こちらへ送ってくれ」
「2人も成功しているなんて、素晴らしい。スペクターの時の名前は、何て言うのかな?」
「シャークナイトとバットウォリアーだ」
「会って見てみたいものだ。それじゃ名前は、合わせるか、どうするか・・・・・・、合わせるなら、そうだね━━━。ドラゴン、じゃなくて身近なリザードにして、ザンクルットにしよう」
「良い名前じゃないか。君の自慢のスペクターに会えるのを、楽しみに待っているよ」
「しばらくは、無駄な地球人の死を増やさないように頼むよ」
「分かっている。こちらも頑張るが、ブレイマンも頑張ってくれ」
「しょうがない。急ぐとするよ、それじゃ」と通信を切って外へと出た。
マーガルの投げる石を仁王立ちで全て止めていた。
「凄いですね、マルク。第2段階の攻撃方法を教えましょう。ウインボルと言う風を使ったチカラの使い方です。まずは見ていて下さい」と岩に向かって素早く右手を伸ばすと、体から出る熱風が包み込むように岩を圧縮させて破壊した。
「━━━すっ、凄い。どうやったらできるんですか?」
「シールドという能力は、その名前の通り守りもありますが攻撃するチカラもあります。やり方を教えますね。手に意識を集中させて、体から熱風を搾り出し手の平に集まるのを感じたら、それを岩に当てるつもりで手を引き一気に伸ばしてみて下さい」と家に戻って行った。
目を閉じて手に意識を集中させると、手のひらにサワサワと感じた。
「こっ、これかな? よしっ、当たれっ!!」と手を伸ばすと岩に当たって、少し削れたぐらいで消えた。
「やったな、マルク」
「この調子で、練習してみるよっ」
「ブレイマンさんはマルクに地球と人間を守ってほしくて色々と教えてくれてるけど、怖くないのか?」
「今さら、何だよ。だってこのチカラなら安全で地球や人間を守れるってことでしょ。つまり父さんや母さんにブレイマンさんも守るってことなんだから怖いなんて言ってられないよ。島を出て間違ってる奴らを倒して帰ってきたら、またみんなで食事する約束だからね」
「よしっ、約束だ」
マルクは再び手に意識を集中して、岩に向かって手を伸ばすと更に多く削れた。
それに喜んでるのを見たマドカは、笑みを浮かべて走って2人の所へ来ると頭を撫でた。




