転生
ドラゴンの足にぶら下がる。
なんとか届いた。届いたはいいのだがここからどうしよう。
降りようにも下は空だし、かといって登るのも危険だし。あと先考えていなかったがこれってもしや詰みってヤツでは?
そう考えていると、ドラゴンは急に足を動かし、私は隆起した焦げた地面に投げ出された。
助かった……。が、状況はいまだにピンチであることには変わらな……ん?
「ドラゴンが攻撃の手を止めてる?」
なぜ。
考えていると、ドラゴンは私をじっくり見ていた。攻撃してくるわけでもなく、ただじーっと視線だけをこちらに向けてくる。
そして、ドラゴンはガウと吠えたかと思うと、自分の足を爪で傷つけて血を出していた。
その足を私に差し出してくる。
「えと、やるって?」
ドラゴンは首を横に振る。
違う?
血を出してきたことには意味があるはずだ。
素材として差し出してきたわけじゃない。血を……。
「飲むんですか?」
そういうとドラゴンは頷いた。
私は手でドラゴンの血を受け止める。両手の平いっぱいに注がれたドラゴンの血。
少し生理的拒否感が否めないが、人間の血ではなくドラゴンの血。生き物の血を飲む料理もあるのでそれだと思い込んで飲んでみる。
とてもブラッディ。ではあるが、流石はゲーム。味を感じない。味覚モードをオフにしていたのを忘れていた。
ゴクゴクとドラゴンの血を啜る。
気分はまるで血の伯爵夫人だ。
全部飲みきると、ドラゴンはニッコリして飛び去っていったのだった。
隆起した地面が下降を始める。ドラゴンが去ったことにより地面が元通りになっていた。
「うん……?」
ざざっ…と視界にノイズが走る。
《転生条件を満たしました》
《上位種族:竜人に強制的に転生します》
転生……?
視界が一瞬暗くなったかと思うと、すぐに目の前の光景が映し出される。
転生となるものが聞こえた。ステータスを見てみると。
【ステータス】
名前:アクタ レベル:1
種族:竜人 職業:無職
HP:50/50
MP:80/80
AT:29
DF:35
MD:33
INT:20
スキル:竜変身 神の息吹(光)
かかっている効果:なし
装備
武器:なし
頭:なし
胴:ボロボロの服
手:ボロボロの手袋
足:ボロボロズボン
靴:ボロボロの靴
お、おぉ。なんか凄いことになってるぞ。
レベルが1に下がっている……が、レベル1の割にはステータスがすっごい高いな。人間の時のレベル8くらいがこんな数字だった気がする。
あと、スキルが増えてる。竜変身ってなんだ?
試しに使ってみると、私の身体が巨大化した。そして、ドラゴンのような姿になる。
名前の通り竜に変身するスキル……。だがしかし、すぐに変身が解けてしまった。
MPが枯渇したようだ。8秒くらいだったか。あまり有用ではなさそうだ。
「…‥転生かぁ。転生……。うーーーん、転生はジャンルがライトノベル寄り……」
転生は使わないかな……。




