ゼロリア・アムネディア
昨日は仕事にならず、結局そのまま寝た。
どうやって今のドラゴン状態から解放すればいいのか、解決策を模索して結論にたどり着く。
それはドラゴンに満足することだ。
ドラゴンに満足すればこのドラゴンゲシュタルトも治るだろう。
デジタルデトックスとかも考えたがそれはそれで嫌だ。まだゲームをしたい。
「次の町に行ってもいい頃合いですかねぇ」
と考えていた時だった。
モ~~~~!という甲高い鳴き声が聞こえてきたかと思うと、巨大な牛が突進してきている。牛の前には必死に泣き叫びながら走っている女の子がいた。
「だ、だだ、誰かぁ~~~~~~!」
「竜の鉤爪」
牛をドラゴンの爪で切り裂いた。
必殺技に竜の鉤爪が登録される。
「大丈夫ですか?」
私は追いかけまわされていた女性に声をかける。
女性は助かりました……と息も絶え絶えだった。ゲームだから息も絶え絶えとかはなさそうなのだが……。
「このゲーム初めてでして……。リスナーの皆さんの助言も受けてやってるんですけど戦闘がやっぱりだめで……。助けてもらってとても感謝していますぅ……」
「配信してるんですか?」
「あ、はい! っていうか今もしてるんですけど大丈夫ですか!? お顔映りたくないとかあれば……」
「私は大丈夫ですよ」
プレイヤーネームはゼロリア・アムネディアというらしい。
どこかで聞いたことがあるというか……。
「あぁ、あなたはかなかんじのゼロリアさんですね」
「え、私のこと知ってるんですか?!」
「知り合いがファンなので」
喜谷さんが好きだって語っていた。
私は名前ぐらいしか知らず配信は見たことがないが、喜谷さんが推しているからいい人なのだろう。
「うれしいです……! あなたは……アクタさんっていうんですね! アクタさん、よければ今日は私と一緒にやりませんか?」
「いいですよ。一緒に遊んだほうが楽しいですからね」
「いよしっ! じゃあ、一緒に楽しみましょうねぇ!」
ゼロリアさんはとても明るい人のようだ。
ゼロリアさんの武器は大きな大剣らしい。彼女曰く、立ち絵とかにも巨大な剣があり、傭兵(という設定)らしい。
大剣の特徴はおおよそ見当がつく。隙が大きい代わりに攻撃力が高いとかそういう感じだろう。ダメージ受ける前提の立ち回りになってきそうなので、先ほどの牛のような一撃が重いタイプとも相性は悪そうだ。
「どりゃあああああ! 聖女の一撃ぃいいいいい!」
「威力はすごいですね」
女の子×大剣。
割と悪くない組み合わせだ。大剣という力がいるであろう武器を華奢な女の子が抱えて戦う。ミスマッチではなく、とても性癖に刺さりそうではある。
そういったキャラ出してみるか……。あとでキャラだけでも作ってみるとしようかな。
「アクタさんの技も見てみたいです!」
「わかりました」
私は右手を竜に変化させる。
「え、なにそれかっこよ……」
「竜の鉤爪」
モンスターを竜の爪で切り裂く。
「なにそれ!? カッケーーーーー! 私も使いたい! どうやったらそれできるの!?」
「ええと、竜人って種族に……」
「竜人!? そんな種族あるの!? みんな知ってる? ……知らないの? え、じゃなにそれ……。もしかして新たに見つかった上位種族かも? マジ? すごくね?」
「そんなにすごいんですかねやっぱり」
「いやいやいや、私もゲーム上手いほうじゃないし知らないほうだけどみんな知らないんだからすごいことだと思うよ!?」
シュカさんもすごいとか言ってたしやっぱすごいのかこの種族。




