表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
言の葉の家へようこそ ~異世界の言葉がわかる転生令嬢、各国を巡る~  作者: 菖蒲月
第二章 邂逅編 ーひらかれる世界 ー

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

86/87

25.お披露目会②

 お義父様の挨拶の後、フェレーリ家として家族で挨拶を受けるべき方々とお話をしていた。


 お義父様もお義母様も流石だわ!

 相手の探るような問いかけや、少し不躾に感じる言葉にも一切動じることはない。


 しかも、問いかけに答えているようで答えになっていない煙に巻くような返答をしつつ、逆に相手が聞かれたくない内容の話に流れを持っていくその手腕たるや…。


 すごく勉強になる!!

 特にお義母様が凄いわ…。

 一見すると、お義父様のフォローをしているような話し方なのに、全体の流れを操っているのはお義母様なの。


 すごい、すごい!と内心大はしゃぎで母親を見ているマリーナを、カルロは苦笑いで見守っていた。


(あ~あ…マリーナってばキラッキラの目で母上を見つめちゃって。まあ、確かに母上のあの場を操る技術は本当に凄いと思うよ。僕でもまだ、あそこまでスムーズには出来ないからね。でも、マリーナがあれをやるのはなぁ…。貴族の夫人となるのであれば必要なことなんだろうけど、出来れば僕がその役割をして、都合の悪い話から逸らしたいところだよね。それにマリーナの性質からすると、きっと母上のように話すのは難しいだろうから、別な方向に徐々に誘導していくとしよう)


 私とカルロがそれぞれの思惑で、ステフお義母様の会話術を盗もうとしている内に、一通りの挨拶が終わっていた。


 後は、各自親しくしている方や、この機会に縁を結びたいと思っている人と、積極的に交流をする時間になるらしい。



<さあ、カルロ、マリーナ。後は、自由な歓談の場となる。それぞれが交流のために、バラバラに場を移すことになるから、恐らく我々が離れた隙に良からぬ者達が近付いてくることだろう。二人は決して離れずに、必ず二人で行動をしなさい。今日は二人のお披露目会だから二人が一緒にいることに文句を言える者はいないからね。カルロもマリーナもしっかりしているし、ある程度のあしらいは出来ると思うが、常識が通用しない者もいるからな。困った事があったら、遠慮無く我々を頼りなさい。>


 お義父様は少し心配そうに、これからの時間の対応について話してくれた。


 『遠慮無く頼れ』と言って貰える安心感に、肩の力を少し抜くことが出来た。


 本当に私たちは恵まれているわ。

 嬉しい気持ちで一緒にいるカルロを見ると、カルロが視線に気付いて、私を安心させるようにニッコリと微笑んでくれた。


<はい、父上。間違いなく余計な虫が湧くと思うので、全て蹴散らします。常識が通用しない特大の虫が出たら、力を貸していただくかもしれませんが、これから外の国に行く身としては、何事も経験ですのでなるべく頑張ってみたいと思います。>


<お義父様。カルロは私がしっかり守りますので安心してくださいね。カルロの手は私がずっと繋いで離しませんわ!>


<わはは。マリーナがカルロを守ってくれるなら安心だな。二人でなら対応出来ることも多いだろう。なに、多少の失敗なんて後からいくらでもフォロー出来る。必要以上に恐れずにやってみなさい。さあ、そろそろ行くぞ。>


 お義父様の言葉に、カルロと二人で<<はい!>>と返事をすると共に、それぞれが行動を始める。


<さあ、マリーナ。まずは少し軽食を摘まみに行こうか。マリーナが色々とレシピを提供してくれたから、いつものパーティーよりも料理とスイーツは充実しているよ。スイーツには煩い母上が嬉々として試作と味見をしていたから、期待出来ると思う。変なのに絡まれる前に、少し食べておこう。>


<まあ、そうなのね。『腹が減っては戦は出来ぬ』っていうし、まずは戦うためのパワーを蓄えましょう!>


(こちらでも実家と同じ料理が食べたくて、お義父様とお義母様に許可を貰って、料理長にいくつか覚えて貰ったのよね。それに、お義母様はスイーツお好きだものね~。お義母様監修のスイーツなら間違いないわね。)

 

<ふふふ。前にマリーナが教えてくれた異国の格言だね。確かに戦いにはパワーが必要だ。では、我が婚約者殿。まずは戦いの前の補給と参りましょうか。>


 カルロの嬉しいお誘いに貴婦人の笑みで答え、仲良く軽食コーナーに向かった。



◇◇◇



 軽食コーナーでは見慣れた料理の他に、リモーネでよく食べられる料理もたくさんあった。


 特産品ということもあり、レモンを使ったお料理やスイーツがとても豊富で、意外な組み合わせもあったりして堪能させて貰っている。


 給仕係の人達から、どういう時に食べる料理なのか説明を聞くのもすごく楽しい!


 風邪の時に食べる料理や、お祝い事の時に食べる料理。

 家庭ごとに様々なアレンジもあるらしく、今度食べ比べをしてみましょう!とコッソリ盛り上がったりもした。


(給仕係のみんなはお仕事中だからコッソリね。みんなプロだから表情には一切出さずに、『質問にお答えしてます風』に少しだけ雑談にも付き合ってくれている。この二ヶ月で厨房に出入りしたり、情報収集としてみんなから一般家庭での話を聞いたりしていたから、顔と名前はしっかり一致するようになったわ。みんな私をフェレーリ家の家族と同等に丁寧に扱ってくれて、こちらに来てから居心地の悪さなんて感じたことない)


<カルロ。食べるのを手伝ってくれてありがとう!お陰で食べたいと思ったお料理は全部食べられたわ。後は、食後のお茶で少しお腹を落ち着かせてから歓談に戻りましょうか。>


<マリーナが食べたい料理を一緒に食べられて嬉しかったから、こちらこそありがとう。レモンを使った料理が気に入ったみたいだね。食べ比べの時にはちゃんと僕にも声を掛けてね!はあ…僕としては、ずっとここでマリーナとお茶をしていたいけど、そうもいかないみたいで残念だよ。(こちらの様子を窺っている者達の視線が煩いからね…)>


 カルロが周囲にチラッと視線をやって、軽くため息を吐く。


 うん…周囲の視線がさっきから凄いのよ。


 パーティーの形式によっても若干の違いはあるんだけど。

 こういったパーティーフロア内に軽食コーナーと休憩用のテーブルが置かれている形式の場合、座って飲食している者には基本的に話しかけないのがマナーだ。


 要するに、『今は話しかけないで欲しい』って事を行動で示しているってことね。

 

 テーブルに着いている者に招かれれば同席することも出来るけど、招かれてもいないのに声を掛けるのはマナー違反。


 だから、周囲の人達は私たちから声が掛かるか、テーブルを離れるタイミングを待っているの。



<ふふ。私もカルロとずっとお茶をしていたいとは思うけど、同じくらい皆さんにカルロと仲良しだって事を見せたい気持ちもあるの。お付き合い頂ける?>


<はは。マリーナには敵わないな。そう言われちゃうと行かないわけにはいかないね。もちろんお供いたしますよ、婚約者殿。>


 そんな寛いだ雰囲気で食後のお茶をゆっくりと飲んでいた私たちに、予想外の声が掛かった。

  

最後まで読んでいただきありがとうございます(ღ˘⌣˘ღ)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ