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言の葉の家へようこそ ~異世界の言葉がわかる転生令嬢、各国を巡る~  作者: 菖蒲月
第一章 幼少期編 ー芽吹くことば ー

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47.暴走の連鎖

 さて、本格的に『レモン』の加工に入ろうと思うマリーナです。


 やる気に満ちているカルロと、少し哀愁漂う雰囲気のパオロ様も一緒です♪


 なんかパオロ様ってたまに遠い目をしていたり、今回みたいに哀愁を漂わせていたりするんだけど、何か悩みでもあるのかな?


 私やカルロには言いづらい悩みかもしれないから、ギル兄様に話を聞いてあげてって後で伝えておかなくちゃね!



◇◇◇



 『レモン』の加工については、前回ドライレモンを作りながらみんなとアイディアを出し合っていて、やってみようと思っているのは、『蜂蜜ドライレモン』と『ドライレモンビネガー (レモン酢)』の2つ。


 その他に、通常の『ドライレモン』も大量に作る予定。


 蜂蜜レモンとビネガーをドライレモンで作るのは、水分が出てしまうとカビや傷みの原因になるので、なるべく水分が出ないようにドライレモンにしてから加工することで、より日持ちするようにしたいから。


 蜂蜜もビネガーも、殺菌力が強い食材なのでその効果も大いに発揮させつつ、レモンの良い部分も活かすにはってみんなで考えたの。


 蜂蜜レモンは水やお酒に少し混ぜでも良いし、風邪を引きそうな時にホット蜂蜜レモンとして飲むのも最高だと思う。

 

 ドライレモンビネガーは甘みを抑えて作るから、ドレッシングにしても良いし、お料理に少し掛けても良いよね。水で割ってビネガードリンクとしても飲めるしね。甘みが足りないときは少し蜂蜜レモンの蜂蜜を足せばバッチリ♪


 もし足りなくなったら通常の『ドライレモン』のレモン水などで凌ぎつつ、寄港地で蜂蜜やビネガーが手に入れば、容器を煮沸して漬け込むことも出来るように、他の保存食も含めてレシピを商船の料理人には覚えて貰ったし、なるべく切らさないようにと伝えてある。


 パオロ様とカルロにも理由や使い方を都度説明しながら、一緒に作業をして貰ったんだけど、パオロ様は・・・二度と包丁を持たせたく無いレベルで危なかったので、スライスする工程以外の乾燥させるための大きなザルに並べたり、並べ終わったザルを乾燥場所まで移動させたりする事に専念して貰った。


 いや~、私も含めてメンバー全員が二度と味わいたくない恐怖体験をしたのよ・・・。


 何で振り下ろした包丁が天井に刺さるのよ!!加工場の全員が一瞬で凍り付いて、その後、ザザッーと一斉にパオロ様から距離を取ったのも仕方がない事だわ[冷汗]


 それからはパオロ様を包丁に近づけないように、みんなで協力して他の仕事を次々とお願いしていたのは、もう必死だったよね[笑]


 その点カルロはさすがのポテンシャルで、全部の工程をそつなく熟してくれました。(めっちゃ戦力として助かったよ~♪)



 さて、一通りの工程は見て経験して貰ったので、船で着いたばかりのパオロ様とカルロに休んで貰うために、今日は邸に引き上げることにした。


 パオロ様とカルロはすぐにフェレーリ領に戻るのかと思ったけど、他の食材の加工も是非みたいとの事だったので、一通り見てから自領に戻ることにしたみたい。


 今日は待っていた『レモン』が届いた日だったので、加工場のメンバー全員で『ドライレモン』を大量に作る作業をしたが、明日からは他の保存食も含めて手分けして作業するので、その様子を見て貰う事にして、後を他のメンバーに託して加工場を後にした。



◇◇◇


 

 邸に戻ってパオロ様とカルロには客室で休んで貰っている間に、お父様に『レモン』の加工についての方向性を説明した。


 そのついでに、パオロ様の包丁事件についても教えたら、「普通の貴族は包丁なんて触る機会は無いだろうからそれも仕方ないが、それにしても不器用すぎるな。私でもナイフくらいは使えるよ。」と苦笑いしていた。

 

 それに比べてカルロは何でも出来て凄い!器用なだけじゃ無くて、仕事も丁寧だからカットしたレモンもバラツキが無くて綺麗だし、素晴らしい即戦力だった!と熱弁したら、お父様が微妙な表情で「そうか。さすがカルロだな。(相変わらずのポテンシャル・・・弱点は無いのか!?)」と、褒めているのに何だか面白く無さそうな口調でそう言ったので、私は???と首を捻ることになった。


 よく分からなかったのでこの話にはもう触れないでおこ~っと。


 後は『レモン』の加工については可能であれば、フェレーリ家の方でやって貰った方が、良いだろうという意見がお父様とも一致したので、今回の『レモン』の加工が一通り終わったら、実物を持ち帰って貰ってアレッシ小父様にも相談して貰うよう提案することで決まった。


 こちらは現地で加工して貰った方が鮮度も良いし、輸送の際にも『ドライレモン』の状態で出荷して貰った方が、生のレモンよりもたくさん仕入れられる上に、傷みなどの心配も少ないっていうメリットが大きいよね。


 相手にとってもそのまま出荷するよりも加工してから出荷する方が、加工費を上乗せして売ることが出来るし、輸送時の傷みで安く買い叩かれてしまうリスクが減るメリットがあるから、パオロ様とカルロを通じてお互いのメリットをちゃんと理解して貰えれば大丈夫だと思うけどね。



◇◇◇



 その日の夕食は、邸の料理長にお願いして保存食をメインに使った料理を出して貰った。


「うわ~、このドライキノコと芽キャベツのスープは旨味が凄いね!干し肉の塩味も良い仕事してるし、これが船上で食べれるなんて最高だよ~」


「うん。僕は芽キャベツのピクルスが好きだな。酸味がまろやかで僕でも食べやすい。ハムと温野菜 (じゃがいも・にんじん)のサラダも凄く美味しい。ドレッシングにドライキノコのオイル漬けのオイルが使われてるんだね。キノコは入ってないのに、キノコの旨味がちゃんとオイルにも移っていて味に深みがあるよ。」


 うん、パオロ様は良いとして・・・カルロのコメントが料理コメンテーターみたいだ。


 作ってくれた料理長も説明のために食堂に来てくれてるんだけど、5歳とは思えないカルロ様のコメントにドン引いて・・・無いね。


 あれ?どちらかというと、良くぞ気付いてくれました!的な感動を感じているのか、あの顔は。


 まあ確かに普通の貴族は、よっぽどの食通じゃない限りはドレッシングに使っているオイルなんて気にしないよね。


 パオロ様みたいに美味しいな~って思って終わりだよね。


 それでも美味しかったよって言って貰えたら嬉しいんだろうけど、自分が施した美味しく食べる工夫を理解して食べてくれる人がいたら、そりゃあ嬉しいか。


 カルロのコメントにすっかり気をよくした料理長が大張りきりで、保存食を使ったアイディア料理を次々に出してくれたので、みんなお腹がはち切れそうなぐらい堪能出来たと思います。


 いつもはまだ食べるの!?ってビックリする位食べているヴォルフ兄様ですら、ちょっと苦しそうだったのだから相当だと思うわ。


 私はちゃんと腹八分目に止めましたよ。


 私も含めて料理長の暴走に気付いたメンバー (お父様・お母様・ギル兄様・カルロ)はちゃんとセーブ出来たみたいですが、お祖父様とヴォルフ兄様とパオロ様は大変苦しそうな表情をしていますね[苦笑]


 料理長は達成感に満ちた満足げな表情で、挨拶をして戻って行った。




 この後はサロンに移動して食後のお茶をする予定でしたが、お腹いっぱい組が動けなさそうなので、このまま食堂でお茶をすることになりました。


 さきほどの食事の時には通常のレモン水を飲んで貰っていましたが、食後に試して貰うのは、


【ノンアルコール】蜂蜜レモン水・ホット蜂蜜レモン・レモンビネガー水


【アルコール】レモンビネガーワイン[1:4]・レモンビネガービール[1:4]([]内はビネガーとお酒の割る比率)


 レモンビネガー自体は甘さを控えめに作っているので、レモンビネガーを使ったドリンクで甘さを調節する際は、蜂蜜レモンの蜂蜜を少しずつ追加して調整して貰った。


 色々と飲み比べて貰うために、一杯の量を少なめにして貰って、それぞれが気になる物をどんどん試して貰った。


(お腹いっぱい組もレモンの消化を促進する効果が効いているのか・・・本人の消化能力かは分からないけど[笑]、いつの間にか復活して色々と飲み比べしててビックリした。)


 お母様や私、そしてカルロは少し甘めの方が飲みやすくて、蜂蜜レモンやレモンビネガー水に少し蜂蜜を追加する飲み方が断然好みでした。ホット蜂蜜レモンも冬には絶対に美味しい♪


 一方でギル兄様やヴォルフ兄様、そしてパオロ様の若者男子達は、まだアルコールは飲めないけど、あまり甘いのも好きじゃ無いらしく、通常のレモン水やビネガードリンクが料理のオイル感をリセットしてスッキリさせてくれると好評みたい。


(うん、君たち唐揚げとかポテトフライとかの油物も大好きだもんね。そりゃあ、レモンでスッキリしたらいくらでも食べれるぞって喜ぶわけだ[苦笑])


 そして、お父様とお祖父様の大人の男性陣は、レモンのスッキリとした酸味がワインやビールに思いのほか合うのにビックリしたみたい。


 フルーティーさで重くなりがちなワインやビールが軽やかになり、でも甘さがほとんど無いので男性でも飲みやすいと、お酒とビネガーの割合を変えて何杯も試している。


(料理長に続いてお父様達が暴走している・・・。2人ともそろそろ止めないと、お母様の表情が一杯飲む毎に険しくなっていってるよー[小声])


 私の小声での忠告も空しく、お父様とお祖父様がお母様に叱られてしまっているので、ギル兄様と目配せして、子ども達は部屋に引き上げることにしました。


 うん、空気が読めるって大事なスキルだと思う。


 お母様を刺激しないように、ギル兄様が「それでは僕たちはお先に失礼します。おやすみなさい。」と挨拶をした後、みんなで「「「「 おやすみなさい 」」」」と挨拶をしてサロンを後にし、そそくさと各自の部屋へと戻ったのだった。


 サロンを出る時に、お父様とお祖父様の縋るような目を見たような気がするけど、きっと気のせいだと思うわ、うん気のせいよ。


 さ、明日もパオロ様とカルロを加工場見学に連れて行かなきゃいけないし、早く寝なくちゃね。


 おやすみなさ~い。


(暴走って連鎖するんだな~。巻き込まれないように気をつけないとね!と妙な気合いを入れつつ眠りに落ちたマリーナだったが、本人も暴走しがちな事には気付いて居ないのだった・・・。)


最後まで読んでいただきありがとうございます(ღ˘⌣˘ღ)

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