41.『言の葉の家』始動?・・・いえいえ、まだお試しです♪
主人公の自国語は「」、は外国語は<>で表記しています。
久しぶりに会ったフラン従姉様と、遅くまで女子会をしていたので、少し寝不足のマリーナです・・・zzz。
本日は、定例会のためにフェレーリ家の商船が来ているということで、『言の葉の家』のお試しをやってみたいと思いまーす♪
お試しとは何ぞや?と思った皆さん、そう!実際に『お使いを依頼』する側と、『お使いを受ける側』の双方のお試しをやってみようと思うのです。
この段階に進むまでにはもう少し時間が掛かるかと思ったんだけど、思いのほか孤児院の子や参加した皆さん(寡婦や傷病者など)の志気が高く、既にムリーノ王国語の基礎を終了している人が数人出始めているのよ。
今回は、その中でも孤児院での先生役としての役割も担っている11歳のダンに『依頼を受ける側』のお試しをお願いした。
フェレーリ家の商船からは、以前『留守番組』として『カモメに餌をやって怒られた』話を聞かせてくれた若い船員が『依頼をする側』のお試しに参加してくれることになっている。
さてさて、どうなるかな~♪
◇◇◇
ギル兄様が『言の葉の家』の活動場所として用意したのは、港にあるバイエルン商会が船から降ろしたばかりの荷物を運び込む為の倉庫だったところだ。
停泊している船からほど近いため、利便性が高いとの判断みたい。
え!?『留守電組』は船から降りられないから、活動場所(事務所)まで依頼に来られないんじゃないの???って?
うん、私もそう思ってギル兄様に聞いたら、船の仕事は限られた人数で熟さなければならないので、荷物を取引相手の倉庫に運んで検品を受け、問題なく受領となるまでは人手が必要になるんですって。
だから、下船許可の無い人達も荷降ろしの際などに船から降りて手伝う必要があって、港の倉庫までは降りて荷を運ぶ事が許されているのだとか。
ちゃんと船に戻っているかどうかは、管理事務所の職員が抜き打ちで確認に来るみたい。
もしそれで違反者が見つかった場合は、船の寄港許可が取り消されたりすることもあるみたいなので、船主側もその辺はしっかり管理して、作業終了後は戻ることを徹底させているらしい。
確かに船に乗れる人数は限られているし、持ってきた荷物は引き渡しが完了するまでは自分たちの物だから、相手に任せっきりにして荷物だけ持ち逃げされても困るものね。
今回は、『下船許可の無い者も、船から倉庫までは一定の条件下で移動できる』というこのルールを少し拡充して、『言の葉の家』に依頼したいことがある下船許可の無い者が居た場合、その時の船の最高責任者の許可を貰う事で、『言の葉の家』にのみ行くことが出来るというルールを追加したらしい。
一応、行ける場所が『言の葉の家』だけとはいえ、無秩序に来られて長く居座られても困るので、依頼して戻るまでの時間として下船してから1時間以内と時間制限を設けている。
1時間という時間が適正かは運用してみないと分からないので、もしかしたら時間が増減するかもしれないけどね。
では実際にやってみましょうか♪
◇◇◇
今日はどんな流れになるのかを知ってもらうために、『依頼する側』も『依頼される側』も一緒に行動する事になっている。
大勢がぞろぞろと移動するのでちょっと物々しいけど、今回だけなのでご勘弁を!!
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まずはフェレーリ家の商船からのスタート♪
停泊中は取引などで船に居ないことも多いアレッシ小父様なので、船に残る事が多い船長さんに許可証の発行をお願いしようと思ったのですが、今日は『どうしても自分が許可を出したい!!』と駄々をこねた[笑]アレッシ小父様にやって貰うことになりました。
お父様やクリス伯父様が呆れた顔で見ていますが、アレッシ小父様は余程やりたかったのかキリッとした表情で、カモメの船員さん(お名前聞いてないので勝手に名付けて呼んでます)に許可証を発行しているのが、すごく面白くてカルロとこっそり笑いあっていました。
カモメの船員さんも、大勢に見られながらのお試しに凄く緊張しているみたいですが、アレッシ小父様から許可証を貰った後は、打ち合わせした通りに『言の葉の家』に向かいました。
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はい、ここからは『言の葉の家』での対応です。
カモメの船員さんを先頭にして建物の中に入ると、途中で先回りをしたダンが受付にいました。
<『言の葉の家』へようこそ。許可証はお持ちですか?>
<わぁー、ホントに言葉が分かるっす!あ、許可証はコレっす!>
<はい、確かに。今日は何にお困りですか?>
<えっと・・・に、日用品に不足が出たんで、その買い出しをお願いしたいっす。>
・・・うん、ちょっと棒読みっぽいけど、指示した通りにやってくれてるね。
その点、ダンはすごく落ち着いて対応してくれてる。相手が落ち着いているお陰か、カモメの船員さんも緊張が取れてきたみたい。やっぱりダンにお願いして良かった~。
<はい、承知しました。私は依頼をお受けするダンと言います。依頼書の記入が必要ですが、文字は書けますか?必要なら代筆も出来ますので安心して下さい。>
<あー、名前は書けるっす。>
<では、お名前をここに書いて下さい。あとは必要な内容を伺ってこちらで記入しますね。>
<名前だけは得意っす!・・・書けたっす!>
<では、買ってくる品物ですが、何がいくつ必要ですか?>
<石鹸1個と少し甘いお菓子が食べたいっす。>
<予算はどのくらいですか?>
<えーっと、いつも下船許可が出ている先輩方に頼むと、5000レネくらい掛かるっすから5000レネっす。>
ここまでは、うんうん良い感じに進められてるね~って様子を見ていたマリーナだったが、『石鹸1個とお菓子で5000レネ!?』ってビックリしすぎて、危うく変な声が出そうになっちゃったよ。
危なかった・・・。これは、定例会でギル兄様から報告があったアレのせいだね。
警備隊の隊長が実家の商家と共謀して、商家の周りの店を巻き込んだ集団詐欺をやっていたっていうアレ。
お父様とギル兄様、あとはお祖父様と騎士団まで動員して、一気に取り締まったみたいだから、これからは適正な価格で買い物が出来るはず!ホント碌でもない奴らがいたもんだわ!
<ちなみに、石鹸は香り付きや無香など希望はありますか?菓子はどういうものが良いですか。>
ダンもアレのことは知ってるし、孤児院で勉強の一環として市場の価格調査もしているから、実際に金額を聞いてびっくりはしたみたいだけど、落ち着いて対応してくれてて良かった。
さすがダンだわ~♪とニコニコして見ているマリーナの様子をカルロがジーッと見ており、その目線の先にダンがいることに気付いた瞬間、ハイライトが消えた目でダンを見つめ、小声で(マリーナがあんなにニコニコとアイツを見てる・・・。嫌だな。なんでアイツはマリーナにあんなに可愛い笑顔を向けられてるのかな?アイツはマリーナの何なの?)と呪文の様に話し始めた。
「「「「「「 (ぎゃーーー!!!カルロが闇落ちしかけてるーーー!!!) 」」」」」」
マリーナ以外の面々が、カルロの様子に戦いている中、全く気付く様子のないマリーナがカルロに話しかけた。
「カルロ、ダンは孤児院でもムリーノ王国語を一番上手に話せる子なのよ。落ち着いていて気が利くから、先生役としての役割もお願いしているの。ずっと誰かに似てるな~と思ってたんだけど、カルロに似てたのよ!もちろん、カルロの方が紳士的でカッコイイし、頭の良さも上だけど、何て言うのかな年齢よりも大人びている所とか、面倒見が良い感じがカルロを思い起こさせたのよね~♪」
「そっか、彼を見て僕を思い起こしてくれたんだね。これからも、マリーナにいつも思って貰えるようにもっと頑張るね♪(ふふふ、やっぱりマリーナの一番は僕だよね。これからも一番の座は誰にも渡さないよ。)」
マリーナの言葉でカルロの機嫌が戻った事に、他の面々はホッとしたが、こんなに心臓に悪い思いはもうしたくない・・・と全員の心の声が一致したのだった。
一方で敵意を向けられていたダンも、悪寒を感じると共に、逃げなくてはいけない様な落ち着かない気持ちになったが、依頼を受けている途中なので何とか踏みとどまったのだった。
落ち着かない気持ちが収まった後も、あれはなんだったんだ???と不思議に思ったが、あまり深く考えてはいけないという自分の直感に従って無かったことにして対応を続けたのだった。
<石鹸の匂いはない方が良いっす。菓子は日持ちするようにオススメの飴とかあれば嬉しいっす。>
<そうですね。無香の石鹸なら店によって300~500レネ。オススメの飴なら、小瓶で500レネ、中瓶で850レネ、大瓶で1200レネって所ですね。1つの味で纏めることも出来るし、色々な味をミックスも出来ますよ。味の種類は季節限定の物も合わせて常時10種類あります。そして、最後に依頼料として500レネが掛かりますが、どうしますか?>
ダンが店舗の取扱商品と価格のリストを見ながら希望の商品と価格について案内すると、
<えー!??そんなに安いんすか?依頼料を含めても先輩方に頼むより安いっすよね?それでお願いしたいっす。石鹸は安くて大丈夫なんで300レネので、飴は思い切って大瓶の全部味のミックスが欲しいっす!>
<はい、承知しました。では、石鹸300レネ、飴の大瓶1200レネ、依頼料500レネで合計2000レネ頂きます。>
<わー、半分以下の金額で済むなんて助かるっすー。はい、2000レネ(銀貨2枚)っす。>
<はい、確かにお預かりしました。では、買い物が済みましたら船までお持ちしますので、船でお待ち下さい。>
<よろしくお願いするっす!>
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ここからは、実際の買い物でーす♪
今回は、領主と船主が同行しているということで、特例として依頼主であるカモメの船員さんも、実際に買い物をする様子を見学出来る事になった。
ダンは価格調査で作成した店舗のリストを参考に、まずは300レネの石鹸(無香)がある雑貨店に行き石鹸を購入。
そして、アンカーで地元の人に大人気の飴屋さんに行き、全10種の味のミックス飴の大瓶を1200レネで購入した。
自分が頼んだ買い物が、説明通りの金額で為されている様子をカルロの通訳で見ていたカモメの船員さんは、<本当に言ってた金額の通りっす。外国で買い物をすると高くなるのは分かってたっすけど、地元の人に買い物を頼めるとこんなに違うんすね。これは俺らみたいな下っ端にはめちゃくちゃ助かるっす!!>と大感激していた。
まあ、実際は倍以上の金額でぼったくられてた訳なので、非常に申し訳ない気持ちになるけど、これからはちゃんと適正な価格で、ちゃんと買い物が出来るって分かって貰えて良かった。
事前に金額も知る事が出来るし、依頼する側にも商品を選択する権利があることも嬉しかったみたいだね。
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さ~あとは、船での商品の受け渡しだね♪
全員で一緒に動いているんだから、そのまま商品渡せば良いじゃん!って思うでしょうけども・・・流れの確認は必要だから!
フェレーリ家の商船に戻ってきて、船のタラップの下で受け渡しとなりました。
カモメの船員さんが商品を確認し、依頼した品物と相違なければ、最初に記入した依頼書の完了欄にサインして貰って依頼完了となった。
<依頼通りの物が安く、ちゃんと手には入って凄く嬉しいっす。また依頼したいっす!>
凄く嬉しそうにダンと何度も握手して、カモメの船員さんは船に戻って行った。
こうして、『言の葉の家』としての最初の依頼は無事に完了した。
まだまだ、正式な運用とまでは行かないけど、実際の流れを見ることで、改善出来そうな所も出てきたし、これを参考にもっと利用しやすいシステムにしていかないとね~♪
何故か、カルロの闇がどんどん深くなって行く・・・((( ꒪꒫꒪; )))
チャラいパオロを反面教師にして、好青年になる予定だったじゃないか・・・_| ̄|○lll
最後まで読んでいただきありがとうございます(ღ˘⌣˘ღ)




