40.初めての定例会
ここからまた本編に戻ります♪\(≧▽≦)/♪
はい、プロジェクトが始動してから色々と動き回っていたマリーナです。
あれから4ヶ月が経っていて、今日は再度アイヒベルク家とフェレーリ家が我が家に集まって、これまでの経過を報告する予定なのです。
みんなに会えるのが楽しみだし、他の領地での取り組みがどうなっているかを聞くのもめちゃくちゃ楽しみ~♪
◇◇◇
前回のプレゼンの時と同様に応接室に3家が集まりました。
前回と違うのは、アイヒベルク家からは現侯爵夫妻とエル従兄様、フラン従姉様がいらしていて、前回ご一緒だったロナルトお祖父様とアネットお祖母様がいらっしゃらなかった。
残念に思いましたが、王都に近い要衝地でもありますので、あまり頻繁に領主家が総出で留守にするわけにはいかないということで、今回はお祖父様達が残ることになったようです。
お年でもあるので長時間の移動が心配というのもありましたが、それは敢えて言わなかったみたいですね。(言ったら年寄り扱いするな!って無理矢理ついてきそうだし・・・って伯父様ってば。)
その話を聞いてみんなは苦笑いをしていましたが、ヴェルナーお祖父様だけは「当たり前じゃ!年寄り扱いされるなぞ心外じゃ!」と怒っていました。
お祖父様達がお元気なのはとっても嬉しいですが、お身体に気をつけて欲しいのも確かなので、無茶はやめて下さいね!ってヴェルナーお祖父様に言ったら、「天使がわしの心配を・・・!!!」とギュウギュウに抱きしめられて、ちょっと呼吸が危なかったです・・・。
ふぅ・・・本当に危なかった。ギル兄様とヴォルフ兄様に助けて貰って胸をなで下ろしていると、
「マリーナ、大丈夫かい?ヴェルナー様の愛情表現は相変わらず過激だね。」
「兄様、過激どころではありませんわよ。我々女性にとっては死活問題ですわ!もっと加減を学んで貰わなくてわ。」
エル従兄様とフラン従姉様にも心配を掛けてしまいましたようです。
「エル従兄様、フラン従姉様、お久しぶりです!お祖父様も普段はとっても優しいので大丈夫ですよ♪ちょっと感極まると加減が怪しくなるだけです。」
あははー、と笑って言うと、「怪しくなるだけって・・・」とエル従兄様もフラン従姉様も引きつった笑顔になってしまいました。
そこにパオロ様とカルロが近づいてきて、
「いやいや、危なすぎるでしょ!スキル持ちなんだから気をつけないと!恐すぎるって。」
「マリーナ、本当に大丈夫?心配だから、こっちで一緒に座ろう。」
と心配してくれて、カルロはソファにエスコートまでしてくれた。
おおー、カルロってばとっても紳士だわ♪しかもメーア王国語がとっても上手になってる!!
「本当に大丈夫よ。でもエスコートしてくれてありがとう♪それにしてもカルロってば、この4ヶ月でメーア王国語が完璧になってるわ。すごく頑張ったんじゃない?」
「ありがとう♪自分が言葉を勉強することで、プロジェクトでこれから外国語を覚える人達にも、コツとかを教えてあげられるかもしれないと思って頑張ったんだよ。(本当はマリーナと通訳無しで話がしたかったからだけどね。フフフ)でも、マリーナも言葉が前よりもスムーズになって、とっても素敵だね♪」
そうなのだ、わたくしマリーナ、言葉が前よりもスムーズに話せるようになりました~♪
たくさんの人と関わるようになって、たくさん話をしたことと、孤児院の子達とムリーノ王国語を勉強するときに、スキルのオンオフを意識的に切り替えて、スキル無しでもムリーノ王国語が話せるように練習したら、すっかり滑らかに話せるようになりました!
お互いにスムーズに話が出来るようになって嬉しくてにこやかに話していたら、ちょっと引き攣り気味?な表情のパオロ様が、
「そうそう、我が領地での取り組みについてもカルロがすっごく頑張ってくれたんだよ。(本人の学習意欲の大部分がマリーナ嬢のためだと思うけどね・・・我が弟ながらそれで4ヶ月で外国語を完璧に習得するとか恐すぎる)」と教えてくれた。
更に詳しいお話も聞いてみると、フェレーリ侯爵領は他の領地に比べて孤児院の子供達の基礎教育が遅れていたこともあり、基礎の引き上げから着手したみたい。
そこで活躍したのが、フェレーリ侯爵夫人であるステファニア様とカルロだったんですって。
こちらに居るときにレーナお母様から聞いた孤児院で実施している政策や、持ち帰った知育教材を使って、無理の無い段階的な引き上げを考えて実践したみたい。
それが効果覿面で、素晴らしい事に4ヶ月が経過した現在では、自分の名前しか書けなかった子が、基礎的なムリーノ王国語や計算をマスターして、メーア王国語の習得にも取り掛かっているらしい。
この結果には、フェレーリ侯爵家の方だけではなく、孤児院の関係者たちもみんなが驚愕しているとか。
彼らの予想では、まったく勉強の仕方を知らない彼らに基礎的な言葉や計算を教えて、さらには外国語を習得するようになるまでに、最低でも1年は掛かると見込んでいたのだとか。
ギル兄様達もこの話を聞いて、彼らと同様にフェレーリ侯爵領でのプロジェクトの進行は、他に比べて少し遅れると見込んでいたのが、良い意味で期待を裏切られたことに驚きを隠せない様子だ。
まぁねぇ、確かにそう思うのも無理はないのかもしれないけど、子供の頭って『スポンジ』みたいな物なんだよ。教えたことをどんどん吸収しちゃうの。しかも孤児院の子供達は同じ子供でも『乾いたスポンジ』を頭に持っている状態。カラカラの状態なので更にとんでもない速度で吸収しちゃうんだよ。
ただ、これは本人の興味のある分野かどうかでも違ってくるから、勉強や知識にはあまりこの効果を発揮せずに武術や剣術、芸術など他に吸収力を向ける子も居るので、全員がそうとは限らないけどね~。
という話をみんなにしたら、「なるほどね~」と納得した表情になった。
「確かに、とんでもなく覚えの早い子と、そうでも無い子がいるから不思議だったんだけど、興味の矛先が違うって事なのか~」とパオロ様も納得したようだ。
「あまり勉強で伸びない子には、基礎の言語と計算が終わったら、プロジェクトでは簡単なお使いを熟してもらいつつ、合間に身体を動かす仕事や、料理、手作業など興味のあることを見つけて伸ばしてあげても良いかもね~。」とアドバイスしてみる。
「やっぱりマリーナは凄いね♪例えも凄く分かりやすいし、的確なアドバイスもくれる素晴らしい友人だ!!(僕もマリーナに相応しい友人になれるように、もっともっと頑張らなくちゃ!)」
おおぅ、カルロどうした!?なんか目がキラッキラしてるけども・・・。
あーそっか、おばちゃんもカルロが領地で頑張ったって聞いて、とっても誇らしかったから、そういうことだよね♪
うんうん、ありがとねーとカルロと2人でニコニコしていると、兄様達がコソコソと
「(ちょっと、パオロ!カルロ全然落ち着いてないじゃないか。むしろ悪化している気がするのが恐すぎるんだけど・・・。)」
「(そんなこと言ったって、領地に戻ってた時は普通だったよ!?一生懸命プロジェクトの為に走り回ってたしね。・・・まあ、この定例会でマリーナに良い報告をしたいって考えての行動だったのかもしれないけど・・・。)」
「(間違い無いだろうね。少し離れたら落ち着くかと思ったけど、逆に悪化している気がするよ・・・。これがパオロなら考えるまでもなく引き離すんだけど、カルロには悪いところがなさ過ぎるんだよな。浮気もせずにマリーナを大事にしてくれるのは間違い無さそうだし・・・。はぁ。)」
「(ちょっと!聞き捨てならないんだけど!!なんで僕なら引き離すのにカルロなら良いのさ!!僕だって侯爵家の嫡男だし、仕事だってやれば出来るし、容姿もイケてるじゃないか!)」
「(パオロ、そういう所だよ。ほら、フランの顔を見てご覧よ。虫を見るような目で君を見ているよ。まぁ、カルロもまだ友愛の域を出ていないし、まだまだ時間を稼ごう。そう簡単にはマリーナは渡さないからね。ふふふ)」
「(いやーーー!そんな目で見ないでー!![泣])」
ん?何かギル兄様とヴォルフ兄様が不敵に笑ってて、フラン従姉様が虫を見るような目でパオロ様を見てる?
そして、泣きそうになっているパオロ様と、パオロ様を慰めようとしているエル従兄様・・・。
なんだ?どうしてそうなった???
カルロを見ても、こちらを見てニコニコしているだけで、よく分かって無いみたいだし・・・まあ、良っか!
その後、アイヒベルク侯爵領地での取り組みについてもエル従兄様に確認したところ、バイエルン領と同じような経過を辿っているとのこと。
ただ、アイヒベルク領での外国人と地元民のトラブルは、こちらでのトラブルよりも多種多様らしい。
うちは、貿易港なので船でやってくる外国の方がほとんどで、その立場は外交官的な人や、商人、船員などで一般の観光客はまだまだ少ない。
(最近はサンキャッチャーが有名になってきて、近隣からの観光客が少し増えたけどね♪)
そのため、起こるトラブルもある程度の種類に限定され、その対応も予測が付けやすいが、アイヒベルク領は陸路で街道の整備もされているため、もちろん外交官的な人や商人も多いが、貴族や裕福な平民などが観光としてくる事もあり、そのトラブルへの対応がなかなか大変らしい。
確かにねぇ、人の数が増えれば増えるほどトラブルも増えるのは間違いないし、それが違う国の人ならその傾向は加速度的に上昇するかもね。
ほら、『旅の恥は掻き捨て』って言うでしょう?
ん?兄様達どうしたの?『旅の恥は掻き捨て』の意味?
あぁ、旅先って自分の事を知ってる人が居ないし、次はいつ来るかも分からない場所でしょう?
だから、ちょっとくらい失敗したり、恥ずかしい行いをしても、後を気にせずに忘れてしまえるという意味の言葉なのよ。
だから、旅先なんかでは気が大きくなって、横柄な態度を取ったり、普段はしないような失礼な事をしちゃったりするのよね。それが言葉の違う外国なら尚更ね。
だって、自分の国の言葉で悪口や悪態をついても、分からない人が多いなら大丈夫だろうって思うでしょう?
私の説明にみんな「確かに・・・」と頷くと、困ったように空を仰いでしまった。
まあ、でもこれは相手の国の言葉が分かる人が増えれば、一定の抑止力にはなるだろうから、少しずつやっていくしかないと思うよ。
他国の町で自国語で悪口を言っても、同じ言葉で返事が返ってきたらビックリするだろうし、そうなったら誰が自国語を話せるか分からないから、不用意に悪口なんか言えなくなるでしょう?
後はそれを繰り返していって、あの町は外国語を話せる人が多いから、不用意に悪口や悪態は言わない方が良いって思われるようにしていけば、そっち系のトラブルはかなり減らせるんじゃないかな。
エル従兄様とフラン従姉様が、その方向でやってみる!って張り切ってますね。
外国語が分からなくても相手が悪口を言ってるのかどうかって、表情や雰囲気で伝わることもあるから、言葉が通じない者同士がケンカをするトラブルも結構あって苦労していたみたいね。
うん、プロジェクトが進むことでそう言ったトラブルが減ることに、大いに期待致しましょう♪
最後まで読んでいただきありがとうございます(ღ˘⌣˘ღ)




