敵を知る
「◎△$♪×¥」
ケンタが打ち鳴らすモールス信号は意味不明だ…
喜んでいることはわかるけど…
私はケンタとクリスタの腕を掴み細い魚の巣穴に滑り込んだ。
ケンタが不服そうな顔をしたので、私はケンタが抱えている細長い魚を指さした。
ケンタは細長い魚が半分の長さになっているのを見て驚いている。
「大きな魚が来ていたのよ」
「遅れていたら、俺がこの細長い魚のようになっていたのか…」
「どうして、大きな魚が来たのかしら? 私たちを狙って?」とクリスタが聞いた。
「そうねぇ… 私たちを狙ってかもしれないけど、匂いだと思うわ」
「匂い?」
「あっ。そっか。俺たちがこの細長い魚を攻撃して、肉とかが飛び散ったからかぁ。確かに匂いがする」
「クララ、この巣穴はあの大きな魚は入ってこれないよね?」
「たぶん。でも、この細い魚は入ってこられるから、入り口を狭めた方がいいわね」
巣穴から手を伸ばして石を何個か拾い、入り口にくっつけて私たちが余裕で通れる程度の大きさにした。
「クララ、ちょっと広いと思うけど…」
「これを通れるぐらいの魚なら、安全よ」
「そうだな。ここを通れる魚は食べやすい大きさだな。それより、俺は腹が減った! この細い魚を喰っていいか?」
「ちょっと待って」
「なんだよぉ」
「ケンタはどうして、ここを攻撃したの?」と私は魚のエラの辺りを指さした。
「穴だけど、エラだろ? 口じゃないから攻撃できるじゃん」
「確かめよう」と言いながら、私は指サックで穴の周りを切り開いた。
ケンタもクリスタも細長い魚を見ている。
「やっぱり、エラだ。俺たちがいつも食べていた魚はここを包み込むように持て、しばらくしたら動かなくなって食べやすいんだ」
「目とか、エラが弱点なのかな?」
「そうかもね」
「じゃぁ、喰っていい?」
「いいわよ」と私は許可を出したので、ケンタは齧り付く。
「食べにくい… クララ、クリスタも喰ってみろ」
私たちも齧り付いたが、固い… 指サックで攻撃してもダメだったのはこの固い皮膚のせいね。
「ちょっと待って…」
私は手近の尖った石を指サックにつけ、皮膚を切り裂く。
皮膚の下に非常に小さな鱗らしきものがある。
「ねぇ、これ鱗じゃない?」
「ん? これ、鱗かぁ? クリスタ、どう思う?」
「小さくて固いのがびっしりあるってことは、鱗じゃない?」
「いいこと思いついた! この鱗をとってしまえば食べやすいと思わないか?」
「そうかもしれないけど、どうするの?」
「ま、見てな」
ケンタは自分のなめらかな指サックを見せて、私が傷つけた箇所に指サックを突っ込み、皮を剥ぎ始めた。
「へぇ。結構綺麗に取れるのね」
ケンタは細長い魚の身も切り出し、私とクリスタに渡した。
私たちは細長い魚の切り身?を食べた。
「これ、美味い!」
「あぁ。美味いな」
私たちは細長い魚を食べていると小魚が近づいて来ていたので、ケンタは器用に捕まえて丸ごと食べる。
「小魚も美味い」
「食いしん坊ねぇ」
私はさっきの大きな魚や小魚が近づいて来たきとを考えていた。
「クララ、どうしたの?」
「細長い魚の匂いにつられて、大きな魚も小魚もちかづいてきたのよね?」
「そう思うわ」
「だとすると、魚の匂いを使えば、魚を集められるよね?」
「なるほど! 細長い魚を捕らえる時はクララが囮になったけど、魚の匂いでおびき出せるということだな。で、あのデカい魚を捕らえるのか!」
「ケンタ、あの大きい魚は無理じゃない?」
「クリスタが言うように、あの大きい魚は無理かもしれないけど、匂いにおびき寄せられた魚の中から、捕まえる対象を選別すればいいのよ」




