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殻の都  作者: 鐘雪 華
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7/21

敵を知る

「◎△$♪×¥」

 ケンタが打ち鳴らすモールス信号は意味不明だ…

 喜んでいることはわかるけど…


 私はケンタとクリスタの腕を掴み細い魚の巣穴に滑り込んだ。

 ケンタが不服そうな顔をしたので、私はケンタが抱えている細長い魚を指さした。

 ケンタは細長い魚が半分の長さになっているのを見て驚いている。

「大きな魚が来ていたのよ」

「遅れていたら、俺がこの細長い魚のようになっていたのか…」


「どうして、大きな魚が来たのかしら? 私たちを狙って?」とクリスタが聞いた。

「そうねぇ… 私たちを狙ってかもしれないけど、匂いだと思うわ」


「匂い?」

「あっ。そっか。俺たちがこの細長い魚を攻撃して、肉とかが飛び散ったからかぁ。確かに匂いがする」


「クララ、この巣穴はあの大きな魚は入ってこれないよね?」

「たぶん。でも、この細い魚は入ってこられるから、入り口を狭めた方がいいわね」

 巣穴から手を伸ばして石を何個か拾い、入り口にくっつけて私たちが余裕で通れる程度の大きさにした。


「クララ、ちょっと広いと思うけど…」

「これを通れるぐらいの魚なら、安全よ」

「そうだな。ここを通れる魚は食べやすい大きさだな。それより、俺は腹が減った! この細い魚を喰っていいか?」


「ちょっと待って」

「なんだよぉ」


「ケンタはどうして、ここを攻撃したの?」と私は魚のエラの辺りを指さした。

「穴だけど、エラだろ? 口じゃないから攻撃できるじゃん」


「確かめよう」と言いながら、私は指サックで穴の周りを切り開いた。

 ケンタもクリスタも細長い魚を見ている。


「やっぱり、エラだ。俺たちがいつも食べていた魚はここを包み込むように持て、しばらくしたら動かなくなって食べやすいんだ」

「目とか、エラが弱点なのかな?」


「そうかもね」

「じゃぁ、喰っていい?」


「いいわよ」と私は許可を出したので、ケンタは齧り付く。


「食べにくい… クララ、クリスタも喰ってみろ」

 私たちも齧り付いたが、固い… 指サックで攻撃してもダメだったのはこの固い皮膚のせいね。

「ちょっと待って…」


 私は手近の尖った石を指サックにつけ、皮膚を切り裂く。

 皮膚の下に非常に小さな鱗らしきものがある。

「ねぇ、これ鱗じゃない?」

「ん? これ、鱗かぁ? クリスタ、どう思う?」

「小さくて固いのがびっしりあるってことは、鱗じゃない?」


「いいこと思いついた! この鱗をとってしまえば食べやすいと思わないか?」

「そうかもしれないけど、どうするの?」


「ま、見てな」

 ケンタは自分のなめらかな指サックを見せて、私が傷つけた箇所に指サックを突っ込み、皮を剥ぎ始めた。

「へぇ。結構綺麗に取れるのね」


 ケンタは細長い魚の身も切り出し、私とクリスタに渡した。

 私たちは細長い魚の切り身?を食べた。

「これ、美味い!」

「あぁ。美味いな」


 私たちは細長い魚を食べていると小魚が近づいて来ていたので、ケンタは器用に捕まえて丸ごと食べる。

「小魚も美味い」

「食いしん坊ねぇ」


 私はさっきの大きな魚や小魚が近づいて来たきとを考えていた。

「クララ、どうしたの?」

「細長い魚の匂いにつられて、大きな魚も小魚もちかづいてきたのよね?」


「そう思うわ」

「だとすると、魚の匂いを使えば、魚を集められるよね?」


「なるほど! 細長い魚を捕らえる時はクララが囮になったけど、魚の匂いでおびき出せるということだな。で、あのデカい魚を捕らえるのか!」

「ケンタ、あの大きい魚は無理じゃない?」


「クリスタが言うように、あの大きい魚は無理かもしれないけど、匂いにおびき寄せられた魚の中から、捕まえる対象を選別すればいいのよ」

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