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殻の都  作者: 鐘雪 華
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21/22

栽培

 ケンタとクリオは大きな殻を作っているが、波が来るとひっくり返ることがあるので、ひっくり返らないようになにやら相談している。

 クリオが連れて来たタコは私たちに馴染まず、巣穴の奥に引きこもって出てこない。

 クリスタも自分の巣穴を居心地がいいように修正している。


 私は指サックの調整を済ませ、岩場に向かう。

 人間はいるが、クリスはいない…

 私は拠点に戻って、トゲトゲ、えっとウニだっけ? ウニを囲う場所を作り、ウニを入れた。


 それをクリオが見ていて、「クララ、何をしているんだ?」と聞いてくる。

「ウニを飼うのよ」


「ウニ? この黒いヤツ?」

「そう、美味しいのよ」


「美味しい? 本当か?」

「本当だぜ」とケンタが話に割り込んできて、ひょいっとウニを持ち上げ、指サックで割り、中身を取り出してクリオに差し出した。


「ケンタ、勝手に食べないで! 飼っていると言ったでしょ?」

「ごめんなさい。後で補充しておくよ」


 クリオは「本当においしいのか?」と言って胡散臭そうに見るだけで食べない。

 すると、いつの間にかクリオが連れて来たタコがウニをかっさらって食べる。

「おい! あっ。言葉が通じないのか… クリオも食ってみろよ」とケンタは中身をクリオに手渡す。


 クリオが渋々食べ「うまい…」という。

「どうした?」


「ウニの動きは遅いし、いっぱいいるのにどうして食べないんだ?」

「トゲトゲがあるからじゃないか? 俺たちは指サックがあるから割るのは簡単だぜ。ウニを食べると、小魚も食べようと集まってくるから小魚も簡単に獲れるぜ」

「本当だ… 俺はいろいろ動き回ったけどさ、ウニだらけで魚もいない場所があったぜ。どうしてだ?」


「たぶん、こいつらは海藻を食べるからじゃないか? 海藻があれば小魚は隠れることができるけど、海藻がないと狙われるからな」

「なるほどねぇ。でも、ここでウニを飼ったら、ここも海藻がなくなるんじゃないか? クララ、大丈夫か?」


「クリス達はエビを飼っていたけど、海藻も育ててたわ。私たちも海藻を育てたらいいのよ」

「海藻を育てる? どうやって?」


「クリスは水槽に光が当たるようにしていただけで、特に何もしていないように見えたわね」

「じゃ、育てると言っても、放置するだけじゃん」


 人間は色々知っていたから、何か私たちが知らない何かがあるかも…

「クリオ、海藻がいっぱいの場所ってなかった?」

「あったよ」


「どこ? 案内して」

「わかった」


 私はクリオに案内されて行った場所は海藻がいっぱいあった。

「どうして、ここにはたくさんの海藻があるんだろう… ウニもいるのに」

「あっ。ここには、変な石がいっぱいあるんだぜ」


 よく海藻を観察すると、海藻が多い場所の根本には見慣れない四角いものがある。

 四角いものはこのあたりにいっぱいあるが、すべて海藻が生えている。

 四角いものを叩いたが、外が柔らかいから音があまりしない。

 指サックで突くと穴が開き、中から石が出て来た。


 人間が置いたものだろうか?

 でも、何のために? 海藻を育てるため? どうして?

 理由はよくわからないが、この四角いものを私たちの拠点に持ってくれば、海藻を育てるのは簡単ね。


 私は四角いものを持ち上げようとしたが、重い…

 クリオが四角いもの下に潜り込み、動かすがあまり移動できない。


 私たちはケンタとクリスタを呼んで、みんなで四角いものを担いで拠点まで移動させた。

「クララ、この四角いのはなんだ?」とケンタが聞くと、クリスタも疑問に思っていたのか私の回答を待っている。

「さぁ。わからないわ」


「え!? わからないものを運ばせたのか!?」

「クリスに聞くわ」


「クリスは岩場に来ないんだろ?」

 確かに…最近は来ていないけど、私たちは『ともだち』だから来るはず。

「明日には来るわよ。たぶん」

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