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殻の都  作者: 鐘雪 華
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15/21

武器の改良

 ケンタが戻って来たので、候補の場所をみんなで見に行く。


「ここだけど、どうかな?」

「手近で見つけたわね…」とクリスタが言う。


「近いか遠いかは問題じゃないだろ? ある程度深さがあるし、岩場で小魚も多いだろ? 材料もあるけど、一つ問題がある」

「何?」


「細長い魚がいる」

「やっつければいいじゃない?」


「うーん」

「何よ」


「もっと強力な武器があったらいいんだけど…」

「指サックは強力じゃない?」


「そうだけど、前回は一発で仕留められなかったじゃないか」

「贅沢ね。クララ、岩場で鳥を仕留めた時は一撃だったわよね。あれを細長い魚に使えばいいんじゃない?」


「あれは、海水の中じゃなく外だったからよ。見て、私がここで同じように動かしても重い感じがしてあんなに速く動かせないわ…」

 重い? 外は軽く感じたわね… 石をつけたら強くなったけど、速さは落ちたわ。

 以前の殻だけの指サックの方が速かった。


「どうしたの?」

「指サックだけど、以前の殻だけの時の方が速くなかった?」


「そういえば、そうだな。細長い魚を捕まえても動くから、着く速度は重要かも」とケンタが言う。

「石を付けた方が固いわよ」とクリスタが言う。


「そうだよなぁ。人間が魚を突く棒の先は尖っていて鋭いよな? あれ欲しいな」

「ケンタ、人間が魚をつく棒の先を殻でまねた指サックを作ってくれない?」


「クララ、簡単に言うなよ」

「頑張ってね。私たちはこの周りをもっと見てくるわね」とクリスタが言う。

 クリスタと私は周辺を警戒しつつ、生活に適しているか観察をした。

 確かに細長い魚がいる… 前の奴よりちょっと大きい。

 トゲトゲも魚もいるので食料には困らないし、逃げ込める場所も多そうね。

 確かにケンタが言う通りいい場所かも…


 ケンタが指サックの形を変えては突く動作を繰り返しているのが見える。

 私たちが戻ると、「人間の棒の先が尖っているのは速く動かすためみたいだぜ」と尖った指サックを動かした。

 確かに速度がかなり速い。

「ほんとうね。すごく速いわ。でも、人間の棒の先って先端じゃなく逆側に尖ったものがついてなかった? あれが引っかかるから魚が落ちてなかったわ。そういうのがあった方がいいんじゃない?」


「うーん。引っかかったら、二回目の攻撃ができなくなるぜ。それより、あの細長い魚の歯の形は三角だけど、よーく見るとギザギザなんだぜ。あのギザギザは肉に食い込むと思う」

「噛まれた経験があるから?」

 ケンタは嫌な顔をした。


「ギザギザのことは細長い魚を食べる時によく観察していたから、わかったことでしょ? 偉いわ」

 ケンタは私のフォローで気分を良くしたようだ。


「いろいろ試して、いいのができたら、細長い魚の退治をしましょう」

「わかったわ」

 私たちは少し変えては、小魚を突くを繰り返した。


 速度をもとめると、強度が落ちて欠けやすくなる。

 人間の棒のような逆側の尖は魚が刺さると抜けないので逃げにくいが、私たちには8本も腕があるので、怪我をした魚を逃がさないように捕まえるのは簡単だ。

 ということで、2撃目を考慮してギザギザを採用した。


 ギザギザは欠けやすいから予備を用意するか議論したが、細長い魚を私たちが複数で攻撃するから不要と判断した。

 布陣は前回と同様だが、危険を減らすために囮は大きめの魚を利用することにした。

 大きめの魚を細長い魚の前に出し、食べに出て来たところを左右から捕まえ、攻撃する。

 弱点が目とエラなので、左右からの攻撃を行い、私は、補佐をする。

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