図鑑
私はケンタが塞いだ岩場を確認してくると言い、岩場に向かった。
岩場はかなり入り組んでいるため、塞ぎきれていない場所は結構あった。
私は、その穴から顔を出し、周りを見渡した。
クリスに会えるかと思ったが、誰一人いない。
私は岩場に手をかけ体を持ち上げた瞬間、殺気を感じて海に戻った。
ガチ!っと、私のいた場所から音が聞こえた。
その場所には黄色く細い棒?のようなものがあった。
私はそーっと岩場から上を覗くと、今度は鋭く黒いものが海に差し込まれた。
人間が使っていた棒?
私は場所を移動して、別の岩場から外を見た。
私のいた場所には大きな白い鳥?がいた。
私が黄色い細い棒と思っていたのは足で、鋭く黒いものと思ってものは先端がだけが黒い嘴だった。
クリスが見せてくれた図鑑に載っていた生き物に似ている。
クリスは奴らは羽で空を飛べると言っていたが、私はそんな変わった動物は実在しないと思っていたが… 本当にいたのね。
クリスが見せてくれた図鑑には何十種類も変な生き物が載っていたが、すべて実在する!?
図鑑の鳥は小さいと思っていたが、実物は大きいし、あんなに獰猛だとはわからなかった。
こいつは危険ね…
クリスが見せてくれた図鑑は危険動物の一覧だったのね。
クリスは私達を水槽から出す気がなかったと思う。
じゃ、どうして危険動物を教えたんだろう?
鳥はまだ私があそこに隠れていると思って覗き込んだりしている。
意外とバカね。
私は手頃な石を拾い、白い鳥に投げつけた。
白い鳥に当たった瞬間、白い大きな羽を広げて飛んで逃げて行った。
鳥って本当に飛ぶのね。
クリスの話す荒唐無稽なものって嘘だと思っていたけど、実は全部本当のこと?
クリスが見せてくれた図鑑には、タツノオトシゴとかヒラメのように変な形をした動物は存在しないと思っていた…
タツノオトシゴやヒラメの形が魚と違いすぎるので、奴らがどうやって攻撃するのかわからない。
透明タコも急に刺してきたし、油断できない。
小魚ももしかしたら、攻撃してくるものがいるかも…
私はケンタとクリスタの待つ場所に戻ったら、クリスタが何か食べている…
「クララ、戻ったのね。これ食べる? 変な形だけど結構美味しいわよ」とタツノオトシゴを渡してきた。
えー! タツノオトシゴ!
タツノオトシゴってこんなに小さいの!? 子供よね?
もしかして親が近くにいるんじゃないかと周りを見渡した。
「クララ、それ…」
「はい。美味しいわよ」
私はタツノオトシゴを恐る恐る受け取り、引っ張ったりしたが動かない。
「これの大きのは周りにいなかった?」
「いなかったわ」
「そう… タツノオトシゴをよく食べる気になったわね…」
「これ、タツノオトシゴって言うの? 知らなかったぁ。指サックで突いたら、これの体が裂けて、匂いが美味しそうだったから…」
「どこにいたの?」
「あそこにいっぱいいるわよ」と海藻がある場所を指した。
たしかにタツノオトシゴがいっぱいいる… でかいのはいない。
よく見ると、尻尾?を海藻に絡めている。
あの丸まった尻尾は海藻を掴むためか…
タツノオトシゴは無害っぽい。
クリスの図鑑は危険生物だけじゃなかったのかと思ったら、何かを抱えてケンタが戻って来た。
ヒラメ!?
「ケンタ、変な魚を持っているわね!」とクリスタが言う。
「砂地に隠れてた」
はぁ… 今度はヒラメか…
「クララ、どうしたの?」
「それは、ヒラメよ」
「クララは物知りね」
「私も透明タコみたいに知らないものがあるわ。襲われるかもしれないから気をつけて。さっき岩場で鳥に襲われたわ。気をつけて」
「鳥? 鳥って何だ?」
そうか… クリスが図鑑を見せてくれていたのはかなり昔で、ケンタもクリスタも小さかったから覚えてないのね。
私は鳥の危険を教えるために、ケンタとクリスタを連れて岩場に戻った。




