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94.カリファミナミ

翌朝、酒場に向かう途中、


「ラナはキリンとサイ狩りだろうし今日は何をするかな…」


考えていたことがつい零れてしまっていた。


「もうこの町のダンジョンは行ったのよね?」


「行ったというか…狩り尽くしたというか…」


「そう…組合の依頼は飽きちゃったってこと?」


「そっちは飽きるほどやってないが…

 たまにはもう少し何か刺激が欲しいと思ってな。」


「じゃあ王都ゴンコかカリファミナミのダンジョンにでも行ってきたら?

 転移装置を使えば移動もすぐでしょ?」


「違う町のダンジョンか…いいかもしれないな。」


王都ということはカバドがいるかもしれないし今は行く気にならない。

するとカリファミナミだな。どんな敵が出てくるんだろう?



酒場で食事を済ませ、ラナと別れた。

こっちは転移装置に行くため、とりあえずは組合の方向に向かって歩き出す。


『さて、どんな敵が出てくるかな。』


『面白イダンジョンダトイイナ。』


『そうだな。今までは知っている動物や恐竜だけだったからなぁ…』


『恐竜?』


『ああ、元いた世界での地竜の総称だな。』


『ソウカ、シカシ行動ハ違ッタノダロウ?』


『そうだけど視覚的に見たことがあると刺激も少ないというか…』


『ナルホド。カリファミナミノダンジョンハ未知ノ敵ガイルトイイナ。』


『期待しすぎない程度に期待しておくよ。』



ヨルムと会話をしながら歩き続け、東門に到着した。

西門の時と同じように止められたが図鑑を出して説明すると通してもらえた。

蛇が首に巻きついているくらいでゴタゴタ言わないでほしいな。


東門を出て転移装置の方に歩き出す。

名前からすると王都ゴンコは北に、カリファミナミは南にあるのだろう。

西は川があったが東は何があるんだろうな…?

他の町のダンジョンよりそちらを先に確かめてみるべきだったかもしれない。


カリファミナミ行きの転移装置には少しの行列ができていた。

前の人を見ていると、入り口にいる衛兵に図鑑を見せてから

軽く何かを話した後に中に入っていった。


要は空港と似たようなものか。移動してダンジョンに向かうだけで

やましいことは何もないし正直に話して通してもらおう。

少し待っていると自分の番が来たので図鑑を出現させる。


「ポノさんですね。カリファミナミにはどの様な目的で?」


「カリファミナミにもダンジョンがあると聞いたので挑みに行くんだ。」


「そうですか、お気をつけて。」


「ありがとう。」


随分簡単に済んだな。どこもこれくらい簡単だといいんだが…

転移装置には入ったことがあるので勝手はわかっている。


建物内の中央まで進む。転移が終わると以前と同じく

入り口の外にはアビンザと似たような風景が見えていた。

こちらにも外に衛兵がいたので図鑑を出現させて進んだ。


「ポノさんですね。カリファミナミにはどの様な目的で?」


「カリファミナミにもダンジョンがあると聞いたので挑みに来たんだ。」


「そうですか、お気をつけて。」


「ありがとう。」


図鑑を片付けて町に向かって歩き出す。大げさだがここから先は未知の領域だ。


『さて、まずは町の入り口にいる門番にダンジョンの場所を聞かないとな。』


『ワザワザ聞カナクテモ地図ニ載ッテイルノデハナイカ?』


『…そうだった。まだ慣れていなくてな。』


『ソウカ、我ハマタウッカリシテイルノカト思ッタゾ。』


『それはほぼイコールだな。』


図鑑を出して地図のページを見るとカリファミナミの転移装置の集まりも

アビンザと同じように町の北東部に位置していた。


『たまには海を見るのもいいし東側から町に入るか。』


『海ニソレホド思イ入レガアルノカ?』


『そういうわけじゃないが平原、草原、森はアビンザで見飽きているというか…』


『アア、ナルホド。ソレハワカル気ガスルナ。』


危なかったが区切ったからギリギリセーフだな。

のんびり海を見ながら東門に向かって歩いていく。


『門でまた止められると思うか?』


『止メラレルダロウナ。』


『ちょっと変わった格好をしているだけなのにな。』


『普通ノ人間カラ見レバチョットデハナイノダロウ。』


『…そうかもしれないな。』


『ソレホド面倒ナラ透明ニナッテ素通リスレバイイデハナイカ。』


『さすがにそれはまずいだろう。町中でもずっと透明の状態を維持しても

 ダンジョンの扉を開ければ何かがいるってことはバレるだろうし。』


『色々考エルト門デ少シ面倒ナ方ガマシトイウコトカ。』


『たぶんな。』


東門に到着すると案の定門番に止められたが図鑑を見せて

ヨルムは従魔だと説明すると通してもらえた。

面倒だが新たな刺激をもらうための代償と考えれば大した手間ではないか。


地図によると、この道をまっすぐ行けば冒険者組合、教会、商人組合がある。

どこの町もその部分は共通なのだろうか?それともこの国の中だけなのか。

ダンジョンも同じく冒険者組合の裏手にあるようだ。

と、図鑑を見ながら歩いていたので一人の男にぶつかってしまった。


「おっと、すまない。」


「すまないじゃねーよ!」


「この町には初めて来たから地図を見ながら

 歩いていたのが悪かった。本当に申し訳ない。」


「ちっ、今後は気をつけろよ。」


男はそのまま去っていった。

俺はもちろん悪いのだが男の方も前方不注意だったはずだよな…


『スマナイ、我モ地図ニ見入ッテイタモノデナ。』


『いや、ヨルムは悪くないさ。悪いのは俺とあの男だ。』


『アンナ男クライ軽ク捻ッテヤレバヨイデハナイカ。』


『俺はできるだけ目立ちたくないんだよ。』


『ナラバマズソノ服装ヲダナ…』


『お、組合が見えてきたぞ。』


『…』


こちらもアビンザの町と同じく組合と教会の前から南方向に大通りがあった。

カリファミナミの南部は海に面していて、港の方には大小様々な船が見える。


大きいのが貨物船だとすると転移装置で運ばないのかと不思議だが

そっちで運ぼうとすると荷物を小分けにするのが手間なのかもしれない。

または物自体が大きすぎて装置に入らないなんてこともあるのかもしれないな。


組合自体に用はないので裏手に回ると、見覚えのある扉とその近くに衛兵がいた。

ここで間違いはないと思うが念のため衛兵に声をかける。


「カリファミナミのダンジョンはここで間違いないか?」


「はい。初めてダンジョンに入る方ですか?」


「いや、ダンジョン自体は初めてではない。

 アビンザのダンジョンに行ったことがある。」


「ではアビンザと違う部分だけ説明させていただきますね。

 ここのダンジョンでは敵は全て飛行しています。

 それと共に遠距離攻撃しかしてきません。

 遠く離れた敵に攻撃する手段を持っていない方は入らない方が賢明です。」


「なるほど…その点は大丈夫だ。ありがとう。」


「ご武運を。」


扉を開けて中に入ると目の前に広がったのは

アビンザのダンジョンと同じような草原だった。

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