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93.武器の性能

翌朝、ラナがスキル書を読み終わったということで

今日こそCランクの動物と魔子を比較することになった。


食事を済ませた後、町の外に出て移動を開始する。

例によってラナは自分のダチョウ。俺は走って移動する。


「ところで、どっちと比べるんだ?

 キリンか?サイか?カバ…だとこっち方向にはいないよな?」


「そうね、どっちでも…あっ!ちょっと待って。」


ラナが進行方向を変えた。その先に見えるのは小規模なヌーの群れだ。


「試し切りか?」


「新しい剣に新しいスキル。ちょうどいいからあの群れで試したいの。」


「剣はともかくスキルは向きが変わっただけなんじゃ…」


「細かいことは気にしないの。」


ラナはヌーの群れに近づくとダチョウを降り、ドンイ鋼の剣を取り出した。

剣を構えて少しの間集中すると新しいスキルを繰り出した。


豹薙ぎ(パンサースラッシュ)!」


豹牙(パンサーファング)の時とは違って横向きの斬撃が飛んでいった。

ヌーの群れはまとめて両断されて消え、地面には肉と角が散らばっている。


「やったわ!ドロップ品を拾ってくるわね。」


「オメデトウ、ラナ。」

「よかったな。」


ラナはダチョウに乗ってドロップを拾いに行った。


「今回は素直に祝福できてよかった。

 これからはもっとスムーズに狩りができるだろうな。」


「ソウダナ。縦向キヲ横向キニスルタメノ

 アノ妙ナ動キガ見ラレナイノハ少シ寂シイ気モスルガ。」


「妙な動きとか言ってやるなよ。それにあれはヨルムの発案だろうに。」


「アアスルシカナカッタノダ。

 結果ヲ求メテ動キガ妙ニナッタノダカラ仕方ガナイ。」


ラナがドロップを拾って戻ってきたので移動を再開する。


「ええと、キリンとサイよね…どっちでも構わないわ。

 先に見つけた方と比べてもらうってことでどうかしら?」


「わかった。倒せるくらい魔子が増えてるといいな。」


「それが一番いいけどさすがにそこまでは…」


と、1頭のキリンが視界に入った。


「お、キリンがいたぞ。あれと比べるか。」


「そうね、お願いするわ。」


俺達はキリンの近くまで行き、ラナはダチョウを降りてキリンの隣に立った。

可視魔子(カシマシ)を発動させてキリンとラナを見比べてみる。


「どう?」


「さすがにキリンの方がラナよりも魔子が結構多いようだな。

 ついでだからドンイ鋼の剣を出してみてくれないか?」


ラナは図鑑からドンイ鋼の剣を取り出した。


「これでいいかしら?」


「…おお、剣の方がキリンよりも魔子密度が高いみたいだな。

 もう少しそのままで頼む。」


フィルターを調整していくとラナの魔子はキリンの半分より少し多い程度だった。

剣の方はキリンの2倍には届かないくらいか。


「ラナを1とするとキリンが1.8くらいで剣が3.5くらいかな。」


「それくらいだと…戦って倒せるものなのかしら?」


「わからん。何せデータが少ないからな。」


ラナは少し考えるような様子を見せた後、少し嫌な笑顔で切り出した。


「…ねえ、指導する立場ならデータを取るのも重要じゃない?」


「試しに戦ってみてダメそうなら助けてくれってことか?」


「正解よ!」


考えてみればゴンザナシ達や白い牙(ヤポンスキー)にも頼まれて

同じようなことをしているわけだし特に問題はないか…

もっとも、彼らには充分な勝算があってのことだったが。


「わかった。骨は拾ってやるから大船に乗った気持ちで挑むといい。」


「それじゃ遅いわよ…お願いね。」


ラナはキリンから距離を取ってスキルの準備を始めた。

スキル終わりの硬直時間を狙われないようにするのか

それとも連続でスキルを使用するつもりなのか…


豹薙ぎ(パンサースラッシュ)!」


横向きの残撃がキリンに向かって飛んでいく。

硬直が終わったラナは次もスキルを放つべく集中を始めた。

キリンに攻撃が当たろうかというところでラナが次のスキルを使用した。


豹牙(パンサーファング)!」


今度は縦向きの残撃がキリンに向かって飛んでいく。

見ると先に放ったスキルでキリンの四肢は切断されていた。


思ったよりも損傷が大きいな。これが武器の力だろうか?

手足を失って動けないキリンに縦向きの斬撃が直撃し、胴体を両断した。

キリンがいた場所には皮と肉が落ちている。


「あれ…勝てちゃった。」


ラナの目の前には図鑑が浮かんでいた。


「そうだな。武器の力は偉大…なのか?」


「武器モソウダガ技ノ威力モ合ワサッテイタカラナ。

 同ランクノ武器ガアレバコンナモノダロウ。」


「じゃあ例えばラナがミスリルの剣を手に入れればゾウは簡単に倒せるのか?」


「ミスリルノ剣ハ魔子吸収ノ効果デ今ノスキルハマトモニ使エナイダロウナ。」


「さすがはヨルムちゃんね!」


『タイガーサーベルだとどうだ?』


『アレハ刀身ガ脆イカラナ。スキルヲ使ウコトニ耐エラレルカドウカ…』


『じゃあティラノダガーは?』


『アレハAランクデハナイカ。ゾウハ楽勝カモシレナイガ

 地竜相手トナルトラナ自身ノ力ガ足リナクテ今ノヨウニハイカナイダロウ。』


『なるほど…Cを超えるとなかなかちょうどいい武器がないわけか。』


「予想外だったから言うのを忘れていた。おめでとう、ラナ。」


「オメデトウ。」


「ありがとう。これでやっと商人組合に行かなくて済みそうだわ。

 あ、キリンのドロップを拾わなくちゃ。」


これでラナもCランクか。泡銭で買った武器の力で強くなる…

まぁ俺も【竜の遠征】ではカジノで交換した武器を普通に使ってたしな。

ラナ本人がいいなら問題ないか。



その後は日が暮れるまでラナの狩りに付き合った。

Cランクに上がった嬉しさからか、

今回は自ら宴を開いて冒険者達にヌーの肉を振舞っていた。


ラナはキリンの肉よりもヌーの肉が好みだったようで、

引き続きヌーの肉を食べることにしたようだ。

いい機会なので少し前から俺とヨルムが鹿牛ではなく

キリンを食べていたことを告げると軽く小突かれてしまった。


なお、スキル書で金を使い切ってしまったらしく支払いは俺に回ってきた。

元々俺が出すつもりだったから特に問題はないんだが、

人から言われて払うのは何だか腑に落ちない気がするな…

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