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81.高い地図と安い地図

「さすがにもういいか。」


「我ハ随分前カラソウ思ッテイタガ。」


「待たせてすまなかったな。」


「モウ慣レタゾ。」


図鑑を片付けて歩き出す。

森の中は随分暗くなったが片目の可視魔子(カシマシ)が継続しているので苦にはならない。

もうすぐ森を出ようかというところまで来たが斧の音は聞こえてこなかった。

この時間だ、ヨサクももう帰ったのだろう。


そういえば地図を買おうと思っていたんだった。

組合に向かう最中、道具屋が目に入ったので中に入る。


「いらっしゃい。」


「地図を買いたいんだがここで合ってるか?」


「地図ね…あるよ。高い方は100万円、安い方は1万円だ。」


「随分差があるな。何がそんなに違うんだ?」


「まずは地図の基本的な所から話そうか?」


「それは願ったりだな。頼むよ。」


「地図を買うと図鑑に納まる。

 ただし所持品リストにじゃなく新たなページとしてだ。」


「なるほど。」


「高い方も安い方も世界地図だから地域ごとに買う必要はない。」


「そこまでは一緒なわけか。」


「地図のページは自分の現在地周辺が表示されるが、

 高い方の地図は開くたびに更新されて最新の状態が保たれるし情報量も多い。

 安い方の地図は買った時のままだ。自分で書き加えることはできるけどな。」


「何だか大きな差があるように思えないな。」


「高い方は地図をスライドさせて好きな場所の情報を得ることができる。

 安い方は自分がいる場所周辺の基本的な情報しかわからない。」


「うーん…」


「まあそこに価値を見出せないなら安い方をおすすめしておくよ。」


「悪いがそうさせてもらうよ。自分で色々埋めた方が楽しいだろうし。」


代金を支払って地図を受け取ると言った通りに地図のページが増えた。


「付属品だからこれも渡しておくよ。」


ペン(地図用):E

 地図に書き込む専用のペン。

 他の物に何かを書くことはできないがインクが尽きることはない。

 ペンの尻部分でなぞると消すことができる。


「おお、これはありがたいな。」


「毎度あり。」


道具屋を出て再び組合へ向かって歩き出す。


『いい買い物をしたな。』


『地図ヲ自分デ埋メルノハ楽シソウダナ。』


『だろう?最初から色々わかってると楽しみも半減だよな。』


『今日ノヨウナハズレノ依頼モアルガナ…』


『それを言うなよ。俺だって楽しんでやってたわけじゃないんだから。』


『見ヨウニヨッテハ体勢ヲ変エズニ

 手ダケ高速デ動イテイル様ハ面白イトモ言エルガ。』


『それは端から見ていた場合だろ?やってる本人は面白くないぞ…』


『マアマア我ハ楽シメタトイウコトデ一ツ穏便ニ…』


どこでそんな言い回しを覚えてくるのやら…



組合に到着したのでアマンダに話しかけた。


「薬草を取ってきたんだが納品はここにすればいいのか?」


「ポノさん、おかえりなさい。今回の依頼は重さを量らなければいけませんので

 クロエのところでお願いします。依頼内容は伝えてありますから。」


「わかった。ありがとう。」


アマンダの言葉通り、隣のカウンターに移動する。


「薬草の納品をしたいんだがトレイの上に乗せればいいか?」


「はい、お願いします。1本1本だと面倒でしょうから

 図鑑から掻き出すようにするといいですよ。」


「なるほど。やってみるよ。」


図鑑をトレイの上に持ってきて手を突っ込んで掻き出すと大量の薬草が出てくる。

量は多いがトレイの力で縮むので溢れることはない。

取り出してみて気付いたが根の部分に土は付いていなかった。

図鑑に入る時に余計なものが落ちる仕組みにでもなっているのだろうか?

あまり時間をかけずに100kg分乗せることができた…が。


「そういえばクロエはどれくらいの重さまで持てるんだ?」


「あ、ひょっとして上限まで採って来たんですか?100kgは無理ですよぅ…」


「よければ俺が運ぼうか?」


「是非お願いします。」


トレイを持ってみるが全然曲がる様子がなかった。さすがはアカネの道具だな。

そのまま移動して秤の上に乗せるとクロエが秤を確認し、


「薬草100kgで2万円ですね。少々お待ちを…どうぞお納めください。」


後ろにある金庫から1万円札を2枚取り出して渡してきた。

小額ならそこから出すわけか。いちいちウィリスの所に行ってられないもんな。


「随分地味な依頼をされるんですね。狩りには行かないんですか?」


「ここら辺にいる動物は一通り狩ったみたいだからな。

 依頼内容次第では行くだろうが…」


「そうですか…残念です。」


珍しくクロエはおとなしく引き下がった。ちょっと物足りない感じもするが…

この前アマンダに怒られた?のが効いているのだろう。


組合を出て酒場に向かう。

今日もよく働いたからさぞビールが美味いことだろう。

明日はどんな依頼を引き当てるかな…

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