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75.ストレス解消法

まさかこんなに早く出番が来るとは…

図鑑からミスリルの剣を取り出して見せる。


「これがそうだ。」


「何だそれは…黒色そのものが剣の形を取っているような…

 ヨルム…がその柄になる前もそんな感じだったが…」

「神聖なような禍々しいような…不思議な感じがしますね。」

「ミスリルって魔子を吸収するごとに重くなるんだろ?

 ってことはそれも相当重いんだよな…」

「ゴンザナシー、地面に深く埋まっちゃったから

 わざわざポノが土ごと浮かせたくらいなんだよー?」

「見ているだけではわからないナ。この盾よりも強度があるのカ?」


コノフが盾を剣に近づけようとしているので注意しておく。


「やめておいた方がいい。せっかく買った盾を壊したくないだろ?」


「…それほどカ。わかった、やめておク。」


「せっかく出したんだから切れ味を見せてくれないか?

 その方が俺達も納得できるだろうし。」

ゴンザナシが食い下がってきた。


「…全員見たいのか?質問の件は無しにしてもらうがそれでもいいか?」


「そうだな。興味深い。」

「見れば納得するだろウ。」

「後学のためにも是非。」

「見てみたいなー。」

『我ハ見ナクテモイイゾ。巨乳ト貧乳ドチラガ好ミダ?』


『どっちもそれぞれの良さがある。つまりどっちも好きだ。』


1つ変なのが混ざったがそれで質問が終わるなら簡単でいいな。


「それなら構わないが…後悔しないようにな。」


「「「「「?」」」」」


ミスリルの剣を持ったまま三角地竜に近づいていく。5人もそれに続く。

跳躍し、空中で手放すとミスリルの剣は自由落下だけで地竜の首を切断した。

また地面に埋まってしまう前に急いで回収する。


「見ての通りだ。」


「確かに見なければよかったかもしれないな…」

「盾に当てる前に注意してくれて助かっタ…」

「こんな剣が存在するのですね…」

「た、試しに持たせてくれないか…?」

「絶対無理だよー。やめておきなよー。」


「マトンの言う通りだ。やめておいた方がいい。」


そう言ってミスリルの剣を図鑑にしまうと新たな火種が発生した。


「その図鑑の色は何だ…?」


「いい加減にしてくれ。俺を丸裸にでもするつもりなのか?」


「そうだな…すまなかった。」


「さっきの剣だってここにいる面々は簡単には他言しないだろうと

 信用して見せたんだ。好奇心が身を滅ぼすこともあるだろう。」


「「「「「…」」」」」


少し言い過ぎた…しかしまずいな、何だかイライラが止まらない。


「悪いが少し外す。ヨルムもここで待っていてくれ。」


そういって首からヨルムを離して地面に置いた。

傍に異空間の入り口を作り出してその中に入る。


入り口も閉じたし、ここなら思い切り暴れても外に影響は出ないはずだ。

とりあえず異空間内に頑丈な地面を作り出し、全力で走り回る。


ストレス解消にはまず運動だ!


走りながらあらん限りの声を出す。

自身の鼓膜にも負担がかかるが気分は少し晴れてきた。


大声を出すのもオススメだ!カラオケ等で発散しよう!


図鑑からミスリルの剣を取り出して複写すると

原本を図鑑にしまって図鑑自体も片付ける。

ミスリルの剣を地面に投げ捨てると全力で殴りつける。

ミスリルの剣は折れ、地面には巨大なクレーターができた。


人に当たるのはまずいので物に当たろう!

ただしやりすぎると後で後悔するので程々にな!

最近ではそういう店もあるので利用してみるといいかもしれない!


13桁の温度を持つ火(ツェットン)

異空間内が光と熱に包まれる。


綺麗な物を見るのもオススメだ!

今回はただ眩しいだけだったが美しいものを見てストレスを洗い流そう!



やがてそれが晴れた頃には気分もすっきりしていた。


除染と依代の修復を済ませて異空間からチキューに戻ると

こちらに気付いた6人が近づいてきた。


「すまなかった…聞けば答えてくれたのでつい調子に乗ってしまった。」

「申し訳なイ。」

「すみませんでした…」

「すまん。以後気をつけるから電気男(エレキマン)だけは勘弁してくれ。」

「ポノー。ごめんねー。」

「モウ気ガ済ンダノカ?随分早カッタナ。」


「いや、俺の方こそすまなかった。水に流してくれると嬉しい。」



少しの間沈黙が続き、気まずい空気の中、何とかモノノフが切り出した。


「私達は同胞に結果を報告しに行かなければならない。そちらはどうする?」


「俺も特に用事はないしとりあえずナワツボ平原まで戻るかな。

 さすがにラナも起きて狩りを始めてるだろうし。」


「俺達もナワツボ平原でゾウ狩りでもしようかな。なぁ、マトン?」


「うんー、そうだねー。」


何となくギクシャクした雰囲気のまま、移動を開始した。

そんな状況で移動中に会話が弾むわけもなく、

無言のまま移動が続きナワツボ平原に到着した。


いっそのこと怒る前まで時間を戻すか…?いや、もう少し様子を見よう。


『重イ空気ダナ。』


『俺はもう気にしてないんだがな…ヨルムがそんな感じで助かるよ。』


『我ハ余計ナコトヲ聞イテイナイカラナ。ヘコム理由ナドナイ。』


『あれは余計なことじゃなかったのか…』



ナワツボ平原を移動中にラナの姿が確認できた。

ラナもこちらを見つけたようで、ダチョウに乗ってこちらに近づいてくる。


「おかえりなさい。地竜の討伐はどうでした?」

ゴンザナシ達と白い牙(ヤポンスキー)の3人がいるため珍しく敬語だ。


「…おかげさまで無事に討伐することができた。」

「…モノノフの言う通り成功しタ。」

「…討伐できました。」

3人は何故か小刻みに震えている。


「…見ていてとても勉強になったよ。盾役を探そうか検討中だ。」

「…凄かったよねー。」

こっちの2人も同様だ。


「そうですか!よかったですね!…でも何で少し震えているんですか?」


5人の様子がおかしいことに気付いたラナが

思わず片方の肘置きを使って頬杖をついた次の瞬間、


「もっ、もう限界だ!すまない!あはははははははははは!」

「はははははははははハ!」

「ふっ二人とも笑いすぎですよ…あはははははははははは!」

「ラナちゃん…わざとじゃないよな…はははははははははは!」

「ごめんラナちゃんー、あたしも限界ー。あははははははははははー!」


5人の笑い声が辺りに響いた。完全にツボにはまっているようだ。

白い牙(ヤポンスキー)の3人に至ってはエルクから転がり落ちている。

この機を逃すわけにはいかない。わかっていない様子のラナに声をかけた。


「ラナ、せっかくだから足を組んでみてくれ。」


「ポッポノ、やめ…」


「…?こう?」


「あはははははははははは!ダッダメだ、苦しい!はははははははははは!」

「はははははははははハ!い、息ガ!ひひひひひひひひひヒ!」

「ごめんなさい!止まりません!あはははははははははは!」

「はははははははははは!ふ、腹筋が…はははははははははは!」

「明日は筋肉痛だねー…あははははははははははー!」



「…ねえ、どういうことなのよ?」


「わからんが5人には何か面白かったんだろう。」


「…本当は知ってるんじゃないの?足を組んだら笑いが加速したんだから。」


「たまたまだよたまたま。」



完全にツボにはまってしまった5人の笑いはしばらく続き、

治まった頃にはすっきりした顔をしていた。

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