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69.尻へのこだわり

その後も小さな宴は続いたが何事もなく無事に閉幕した。

ヨルムは酒好き度でラナに負けたなどと呟いていたが…


いつも通りの夜を過ごし朝を迎えた。食事を済ませ、町の外に出る。


「今日はヌー狩りを見に来るの?」


「いや、少し地竜に用事があってな。」


「ソウナノカ?何ヲスルンダ?」


「まあ着いてのお楽しみってことで。」


「ソウカ。期待シテイルゾ。」

自分が撒いた種とはいえ、そんなに期待されると困るんだが…


「移動はどうする?自分のダチョウで行くか?」


「せっかくだから借りようかしら。少しでも狩りの時間を増やしたいしね。」


「わかった。」

図鑑からダチョウを出してラナに近づけた。


「じゃあナワツボ平原まで移動するか。」


「そうね。」

「ソウダナ。」



移動を始めてしばらくすると狩りをしている狼人族の姿が見えてきた。

子供達も兎狩りを卒業したらしくこちらで狩りに参加しているようだ。


引率の3人がエルクに乗って辺りを見回している。

初心者達も狩りに慣れてきてあまり指導することもなくなってきたのだろう。

相手をしているのは鹿牛、シマロバ、ヌー、ダチョウだが

どれも安定して狩れている様子だ。明日の準備はばっちりというわけだな。


その様子を見ていたラナが切り出した。


「狼人族はヌーを狩れるようになっても初心者扱いなのかしら?」


「初心者講習の結果ヌーを狩れてるわけだし…どうだろうな?」


「何ヲ狩レレバ一人前ナノカマデハワカラナイナ。」


「いくら身体能力に差があると言ってもあの成長速度は羨ましいわね。

 私も狼人族に生まれてたらよかったかもなんて考えちゃうわ。」


「他と比べてもしょうがないがそうだったなら違う人生なのは確実だな。

 そもそも冒険者を目指していたかもわからないだろ?」


「そうね、ようやく狩りも安定してきたことだし

 余計なことは考えないようにしないと…」


「ラナが狼人族だったら俺との出会いもなかったかもしれないしな。」


「…え?それってどういう…」


「いや、でもモフモフの尻か…それも悪くないかもしれないな。」


「ソノ条件ヲ満タスノハ身分ノ高イ女性ニ限ラレソウダゾ。」


「…ポノはお尻のことしか考えられないの?はぁ…」



移動は順調に進み、無事にナワツボ平原に到着した。


「やっぱりポノのダチョウは速くていいわね。

 私のダチョウも育てないと…」

ラナはそう言って俺のダチョウから降りて自分のダチョウを出した。


「ダチョウに魔子を持っていかれるとラナの成長が遅くなるんじゃないのか?」

俺もダチョウを図鑑に片付けた。


「そうは言ってもダチョウの足が速くなれば狩りの効率も上がるでしょ?

 ゴンザナシさん達も育てたのにはそういう目的もあったんじゃないかしら?」

ラナはゾウ革の立派な椅子…鞍に座る。


「なるほどな…じゃあ俺達は地竜のところに行ってくる。」


「以前聞イタ話ノ通リナラ我ガ乗セテ行クゾ。」

ヨルムが意気揚々と巨大化した。


「ポノはヨルムちゃんに乗れていいなぁ…じゃあまた後でね。」

ラナはヌー狩りに出かけていった。


「さて、俺達も行くか。ダンジョンじゃないから速度に注意してくれ。」

ヨルムに跨りつつ一応注意をしておく。


「…ソウダッタナ。デハ行クゾ!」

変な間があったな…注意をしておいてよかった。


移動中、ヨルムが話しかけてきた。

「ソウイエバ地竜ト言ッテモ2種類イルノダロウ?ドチラニ行ケバイイノダ?」


「そうだな…とりあえず首長地竜の所に行こうかな。

 三角地竜とは反対側の森の中にある草原にいるんだ。」


「ワカッタ。大体デ向カウカラ道カラ外レタラ言ッテクレ。」


「頼むよ。」



その後ヨルムは道を外れることもなく木々をなぎ倒しながら森を進み、

無事に草原に到着した。迷わなかったのは地竜を感知できたからかもしれないな。


「さすがヨルム。予測も正確だな。」


「フフン、ソウダロウソウダロウ。」

ヨルムは体を縮めながらも鼻が伸びていそうな様子だった。


歩いて首長地竜までの距離を縮める。


「ソレデ、コイツデ何ヲスルンダ?」


「まあ見ててくれ。」


そう言って図鑑からミスリルの剣を取り出した。


「ポノガ武器ヲ使ウナンテ珍シイナ。」


「使うというかミスリルがどの程度魔子を吸収するのか知りたくてな。」


「ナルホドナ。」


一撃で倒しては意味がないので肉厚でダメージが少なそうなところ…尻だな。

首長地竜は脚が長いので飛び上がってからミスリルの剣を突き刺す。

さすがにBランクの剣だけあって折れることもなく無事に刀身が全部埋まった。


「攻撃スル部分モ尻カ。ポノノ尻好キモ相当ナモノダナ…」


「尻を攻撃したのは理由があってだぞ…尻好きなのは否定しないが。」


攻撃を受けた地竜が反撃してくるがこんなもので俺達にダメージは与えられない。


「この状態でしばらく見てようと思うんだが構わないか?」


「構ワナイゾ。奴ノ攻撃ナドソヨ風ノヨウナモノダ。」

さすがヨルムは頼もしいな。


可視魔子(カシマシ)を発動させて草むらに寝転がり、涅槃のポーズを取る。

さて、のんびりと魔子が減っていく様子を観察することにしよう。

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