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59.サーベルタイガーとライオン

その後もしばらく森を突き進んでいるとようやく木々の先に光が見えてきた。


ここに来るまでに何度も雹が飛んできたが無視して進み続けた。

クロヒョウの取り巻きを倒したことでドロップは充分拾ったからだ。


途中で雹が飛んでこなくなることもあったし、

雹を撃ちつくしたヒョウが直接襲ってくることもあった。

歩いたことにより索敵範囲に深く踏み込んだのだろう。


クロヒョウらしき複数の雹は飛んでこなかった。

結構遭遇するのに運が必要なのかもしれないな。



森を抜けると両脇を切り立った崖に挟まれた道に出た。

遥か向こうにうっすらと上部が平らになっている岩山が見える。

崖の上ではサーベルタイガーらしき異様に牙が長い動物がこちらを見つめている。

見ている割には襲ってこないが…一定の距離になったら襲ってくるのかな?


「やっと森を抜けたな。あれがどう襲い掛かってくるのか楽しみだ。」


「ソウダナ。シカシアレダケ牙ガ長イト食事ノ時ニ不便デハナイノカ…?」

俺もそう思う。


そういえば外の動物と違ってここの動物が何かを食べているのを見てないな。

すぐにこちらに襲い掛かるように常に空腹なのだろうか?少し可哀想な気もする。


動物の事情を気にしていてもしょうがないので道を歩き出す。

近づいたら襲ってくると思われた崖の上の動物は手を出してこない。

何か条件があるのだろうか?

歩き続けていると突如左前方の崖からこちらに飛び掛ってきた。

左腕を狙っているようだが上方から来てくれるならこちらも捕まえやすい。


少し右に身をかわして牙を避け、首と下腹部をしっかり抱えた。

と、背後からも別の個体が来ていたようで、両肩を斬りつけられた。

右腕を狙ったようだが俺が右に動いたためにこのような格好になったのだろう。

抱えた個体が消えるのを待たずにもう一体を蹴り飛ばして絶命させる。


サーベルタイガー:B

 アビンザのダンジョンに生息する肉食動物。地に着く程の長い牙が特徴。

 戦闘能力のほとんどを切れ味の鋭い牙に依存しているので

 折ることができれば戦力は激減する。

ドロップ

 ・タイガーサーベル


図鑑に目を通していると、持っていたサーベルタイガーがフッと消えた。

落ちているサーベルを回収する。


タイガーサーベル:B

 牙を折らずに倒すとドロップするサーベルタイガーの牙で作られたサーベル。

 鋭い切れ味を誇るが刀身がやや頼りないため扱いには注意が必要。


簡単に倒すために牙を折ると入手できないのか。

条件付きみたいなドロップが増えてきたな。


普通は牙の外側が厚く、内側が薄いものだがこのサーベルタイガーは

外側が薄い刃状になっているんだな。噛み付きじゃなくて斬って攻撃するわけか。


サーベルタイガーに襲われる条件は…

右の崖と左の崖にいるペアを結んだ直線状に入った時かな?

初見殺しっぽいし普通は予習が必要なんだな。

わかってしまえば片方が動いたらその場から少し動いて迎撃できるな。


その後もサーベルタイガーに襲われたが予想は当たっていたようだ。

そしてようやく崖に挟まれた道も終わりそうだ。

しかし最後の難関とばかりに左右に5頭ずつ、

こちらを窺っているサーベルタイガーが見える。


気にせず進んで手前の1組の直線状に入ったが襲ってこない。

更に進むが…2組目も同様に襲ってこない。ここは条件が違うのか?

3組目の直線状に入った瞬間、10頭が一斉に飛び掛ってきた。

ドロップを拾いやすい距離に入ったところで温度反転(インヴァージョン)でまとめて倒してやった。

なるほど、ここで一気に襲うようにペアが配置されていたわけか…


「複数ラインリーチか!」

俺のツッコミが辺りに響いた。というかあれだけまとめて襲ってきたら

フレンドリーファイアも発生しそうなものだが…考えるだけ無駄か。


「…急ニドウシタンダ?」


「いや、言わずにはいられなかったんだ。」


ドロップを回収して崖に挟まれた道を抜けた。

期待大のリーチを外してしまったようだ。現代の錬金術師達よ、すまない。



長い崖の道を抜けると平原であった。

ついつい【そこは】をつけたりしがちだが本物は意外とあっさりしているものだ。


ということで平原に到着した。遠くに見えていた山も随分と近くなっている。

ランクが高そうな肉食動物…というともうあいつしかいないだろう。


大体予想はついているがこの目で確認するまでは事実じゃないからな。

山を目指して平原をまっすぐ進んでいく。


しばらく進むと予想通りというか残念ながらというか

立派な鬣でお馴染みの自称百獣の王が寝そべっていた。

周りにいる雌達は自らの顔を雄にこすりつけたり舐めて毛繕いをしたりしている。

…清清しいほどのハーレムだな。


ちょうど進行方向にいることもあって最短距離で近づいていく。

ある程度の距離になったところで雌達が一斉にこちらに向かってきた。

雄は微動だにしていない。この辺は本物と大体一緒だな…


雌の一頭を抱きかかえ、残りを蹴飛ばして処理する。


ライオン(雌):B

 ライオン(雄)に呼び出される召喚体。自らの意思はなく、

 雄の意のままに行動するがランク相応の戦闘能力を持つため手ごわい。

ドロップ

 ・なし


図鑑を消して再び歩き出すが、抱えた雌のライオンが一向に消える気配がない。

召喚体は捕まえることができないのかもしれないな。

雄のライオンを見ると雌を追加召喚していた。

とりあえずは雄が魔子を消耗するまで抱えながら雌を倒すことにしよう。


次々に襲ってくる雌を処理し続けていると遂に雄の魔子が切れたようで

直接こちらに向かってきた。いつの間にか鬣が抜け落ちている。

抱えている個体は捕らえられないと判断して置換(リプレイス)で首を落とす。

雄の方は加減してタコ殴りにしてやった。なんとなく、なんとなくだ。


「何故雄ダケ加減シテ殴ッタノダ?」


「特に意味はないんだが無性にそうしたくなったんだ。」


「ハーレムガソンナニ羨マシカッタノカ?我ヤラナヲ侍ラセテイルトイウノニ…」

侍らせている感覚はなかったが他から見るとそうなのか?


「無意識にそう思ってたのかもしれないな…」


ライオン(雄):B

 アビンザのダンジョンに生息する肉食動物。

 ライオン(雌)を召喚して戦わせ、自ら進んで戦おうとはしない。

 敵がいない時でも雌を召喚してやりたい放題している羨ましい存在。

ドロップ

 ・ライオンマフラー


珍しくドロップがなかったな。

魔子を使い切らせる前に倒さないとドロップしないのかもしれない。

山に着くまでにもう一度遭えるといいが…



その心配をよそにその後もライオンとは度々遭遇した。

予想通り雌を召喚する余裕がある時に倒せばドロップするようだ。


ライオンマフラー:B

 ライオンの鬣で作られたマフラー。とても暖かく、筋力上昇の副効果もある。


これもよさそうな装備だな…この辺りで装備するには暑そうだが。

ドロップと気候がマッチしていないのはわざとやっているのだろうか?



そしてようやく上部が平らな岩山に到着した。ご丁寧に階段まで作られている。

さて、いよいよボスのお出ましかな?

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