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58.チーターとヒョウとレア種

遠くに見えていた森も少しずつ大きく見えるようになってきた。

襲ってくる動物はというと相変わらずラーテルとジャッカルだ…


「ポノ!別ノ動物ガ来タヨウダゾ!」


ヨルムもすっかり飽きていたようで別の動物の襲来にテンションが上がっている。

まだ俺には姿を確認することはできないがそう聞くとやる気も出るな。


しばらく歩きながら辺りを見回すと遠くにそれらしき影が見えてきた。

僅かに肉眼で確認できる程度だ、それだけ遠くの敵を感知したということは

ヨルムがどれだけ飽きていたのかが窺えるな。


ん?ヨルムが「来タ」と言ったということはその動物も

そんなに遠くからこちらに気付いたということか…?

それなりに強い動物なのかもしれない。


進行方向は変えずにそのまま歩き続けると段々動物の姿が鮮明になってきた。

あれは…チーターだな。速度以外に視力または感知能力も高いのか。


チーターはまっすぐ向かってきているわけではないようだった。

気になって体を向けるとこちらを窺いながら円を描くような軌道に変化した。

見失わないように体ごとチーターの方向を向きなおす。


チーターは俺を中心に円の弧を描くような動き。

俺はチーターを追ってその場でぐるぐる回る動き。

少しの間それが続き、やがてチーターの速度が目に見えて落ちていった。

随分遅くなったチーターはやけくそとばかりにこちらに向かってくる。


ジャッカルと大差ないほどまで落ちた速度で狙ってきたのは首だった。

ヨルムを噛ませるわけにもいかないので腕を噛ませてもう片方の手で抱えた。

魔子を消費したせいかチーターは暴れていると言えるほどは暴れられていない。

3秒経つとチーターは消え、図鑑が出現していた。


チーター:C

アビンザのダンジョンに生息する肉食動物。同ランクでは最速を誇るが、

獲物を背後からしか襲わないという習性があるため対策しやすい。

また、燃費も悪いので正面で捉え続けて少し待てば簡単に弱体化する。

ドロップ

 ・チーターバター


これでCランクなのか…こいつ、ジャッカルより弱くないか?

いや、2匹同時に襲ってきたら結構恐ろしい敵なんだろうな。

ペア以上で来た場合に背中合わせで待ってたら

ずっとこちらの周りをぐるぐる回り続けるんだろうか…気になる。


チーターバター:C

 チーターを極限まで弱体化させてから倒すとドロップするバター。

 思い出補正も加わってその味の評価は高い。


【チビクロのソビエト式格闘技】か、懐かしい。

しかしあれは虎じゃなかったか?…いや、無粋だな。

確かにあれは不思議と子供ながらに美味そうだと思ったものだ。


「何トモ愉快ナ動物ダッタナ。」


「ああ、楽しませてもらった。」



森に着くまでに数度チーターに襲われたが同じように倒した。

遅くなってから倒せば確実にバターをドロップするようだ。


飽きるほど遭遇したラーテルとジャッカルは来なくなった。

アビンザの南方面と同じように生息域がある程度決まっているのかもしれない。

最初から強い動物が来ないのは良心的だな。


「やっと森か、どんな動物がいるか楽しみだ。」


「ソウダナ。」


森に入ってみると当たり前だが草原よりは視界が悪い。

不意打ちを受けたところで俺達なら問題はないが、

普通の冒険者がここに踏み込むのは勇気がいることだろう。


まっすぐ進んでいるとTシャツに何か当たったようだ。

地面を見てみると拳大の氷の塊が落ちている。雹…?


飛んできたであろう方向を見ていると同じ物がかなりの速度で飛来していた。

しかし発射した動物は確認できない。遠距離から一方的に攻撃してくるのか。

今度は雹を掴んでやった。せっかくなので握りつぶして一片を口に含んでみる。

口の中が若干冷えたが潤った。うん、普通の氷のようだな。


再び雹が飛んできた。やや上方から来ているので木の上から撃っているらしい。

発射している位置は大体わかったのでそちらに向かって移動を始める。

…するとあせり始めたのか雹が飛んでくるペースが早くなった。

ある程度移動したところで突然雹が止んだ。


まだ動物は見えていない…が、木々の隙間を縫って動物が襲い掛かってきた。

こいつも雹で魔子が減ったのか動きに精彩を欠いている。

チーターを同じ要領で腕を噛ませて捕まえてやった。


ヒョウ:C

アビンザのダンジョンに生息する肉食動物。

樹上から拳大の雹を飛ばす魔法で一方的に攻撃してくるが、

それさえ防げれば魔子を使って弱った本体が直接襲ってくるので倒しやすい。

ドロップ

 ・ヒョウ柄のビキニ

 ・ヒョウ柄のブーツ


大きめの盾でもあれば雹を防ぐのは簡単そうだな。

あとは弱ったヒョウより自力があれば倒せるだろう。

こちらも複数に襲われると大変そうではあるが…


ヒョウ柄のビキニ:C

 ヒョウの毛皮で作られたビキニ。魔子の自然回復を早める効果がある。


ヒョウ柄のブーツ:C

 ヒョウの毛皮で作られたブーツ。魔子の自然回復を早める効果がある。


マトンが愛用してるのはこれか。見た目じゃなくて機能を重視してるんだな。

痴女っぽいとか思ってしまってすまなかった…


「動物ニヨッテ結構行動ガ違ウモノダナ。」


「ああ、色々な動きが見られて楽しいな。」


少し寄り道してしまったが元の進行方向に進んでいく。

しばらく歩き続けているとヨルムが話しかけてきた。


「ポノ、今日ハ魔子ヲ見テイナイノカ?」


そういえば使わなくても問題ないから使ってなかったな。


「さすがに深海よりは見えるからな。使わなくてもいいかと思ってたんだが。」


「ソウカ…マアドウニモデナルダロウシナ。」

…何か気になることでもあるのだろうか?


と、どこからか猫科の猛獣が出すような低い唸り声が聞こえた。

何事かと思っていると周りから一斉に雹が飛んでくるのが見える。


タイミングが同時だったので温度反転(インヴァージョン)で雹を溶かす。

別にそのまま受けてもダメージは受けないんだがなんとなくだ。


これだけの数が一斉にということは偶然ではありえないだろう。

さっきの個体の行動を考えれば見つかったら攻撃が始まるはずだ…


その後も雹の一斉射撃が続く。その度に雹を溶かして対応する。

片っ端から倒しに行くのも面倒なのでヒョウの魔子が切れるのを待つことにした。

絶対に勝てる我慢比べのようなものだ。


技の応酬はしばらく続き、やがてヒョウ達が一斉に直接襲い掛かってくる。

と同時に一回り大きい雹が複数飛んできていた。

少し範囲を広げて温度反転(インヴァージョン)でヒョウをまとめて倒しつつ雹を溶かした。


複数の雹を飛ばしてきた方向に進んでいくと

先程のヒョウと同じようにあせりを感じるほど大量の雹が飛んできた。

それらを全て受け流しつつさらに進むと樹上から黒い影が飛び掛ってきた。


少し大きいヒョウのような形の影を抱きかかえてその姿をよく見ると

影ではなく色が黒いだけのようだった。

黒豹が暴れるのもむなしく3秒後にスッと消える。


クロヒョウ:B

 アビンザのダンジョンに生息する肉食動物。レア種。

 氷魔法とヒョウを統率する能力がやっかいな難敵。

 統率されたヒョウの群れを倒せてもクロヒョウ自体の戦闘能力も高いので

 全て倒すには相当の実力が必要となる。

ドロップ

 ・クロヒョウ柄のビキニ

 ・クロヒョウ柄のブーツ


お、レア種なんているんだな。できるなら全種類と出会いたいものだ。

しかしこれはゾウ単体を倒すよりもきついかもしれないな。全方位からの

雹の攻撃で全くダメージを受けないくらいの強さがあれば問題なさそうだが…


クロヒョウ柄のビキニ:B

 クロヒョウの毛皮で作られたビキニ。魔子の自然回復をより早める効果がある。

 黒一色に見えるが光の角度によっては模様が浮かび上がって見える。


クロヒョウ柄のブーツ:B

 クロヒョウの毛皮で作られたブーツ。魔子の自然回復をより早める効果がある。

 黒一色に見えるが光の角度によっては模様が浮かび上がって見える。


おお、ヒョウの上位互換の装備か。間違っても自分で使うことはないだろうが…


「ポノガアノ程度ノ攻撃デ倒セルワケナイダロウニ。」


「ヨルムはわかってたんだな。」


「言ワナイ方ガ楽シイカト思ッテナ。」


「わかってるじゃないか。さすがヨルムだ。」


「ソウダロウソウダロウ。」



ヒョウのドロップを回収して更に森を進む。まだまだこの風景は続きそうだ。

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