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44.モノノフの頼み

「さっきのゾウ狩りは鮮やかだったな。思わず拍手が出そうになった。」


「大したことはない。私もBランクになって長い時間が経過した。

 あれくらいできないようでは上には行けない。」

モノノフは随分謙虚なようだ。

先程のやりとりから考えても間違いなく人格者と言えるだろう。


「彼女はシマロバ狩りだと言っていたが貴方は?」


「俺はラナの引率のようなものだな。

 専らダチョウを貸してダラダラしてるだけだが。」


「…なるほど、他人の従魔なら

 出しっ放しにしておいても魔子を持っていかれずに済むわけか。」

従魔は育つんだったな。すっかり忘れていたが結果よければ何とやらだ。


「まぁそういうことだ。」


「ダチョウ以外には手を貸してやらないのか?」


「どうもプライドが優先らしくてな。

 俺も気持ちはわかるから尊重することにしている。」


「そうか、種族間で考え方の違いはあるか…」


モノノフはこちらを足元を見て徐々に視線を上げていく。

「ところで、貴方は随分軽装…」

視線が首元まで来た辺りでフリーズした。大丈夫か?


「そ、その首にいるのは伝説のヨルムンガンドでは…?」

まさか見た目だけでバレるとは思わなかった。似たような蛇はいないんだろうか?


『ドウスル?コノ男ヲ消スカ?』

ヨルムが物騒なことを言い出す。


『そんなことはしない、ちょっと待ってくれ。』


「何でわかった?他に似たような蛇はいないのか?」


「そのように光を全く反射しない黒色の体に

 銀色の瞳となると他に考えられなくてですね…」

いつの間にか丁寧な言葉遣いになっている。


言われてみればヨルムの体は漆黒も漆黒だからな。

俺の視界にはあまり入らないから気にしていなかったが

光がある場所で光沢が見えないのは不自然か…


『聞いての通りだ。そのままの色が綺麗だとは思うが

 ヨルムは体の色を変えられたりしないか?』


『人ヲ乗セルノガ上手イナ。コレデイイカ?』

乗せたつもりはなかったがヨルムの体色が変化して派手な模様が浮き上がった。

ニシキヘビにしか見えないな。


「これなら一目でバレないと思うか?」


「最初からその姿だったなら私も見破れはしなかったでしょう。」


「ありがとう。あと、急に丁寧語になるのはやめてくれ。今まで通りで頼む。」


「しかし…幼体とはいえ、ヨルムンガンドを捕獲できるほどの方に無礼は…」


「我ハ幼体デハナイゾ、小サクナッテイルダケダ。

 ポノガ言ウンダカラ丁寧語ハヤメロ。」


「わかりまし…わかった。少し頭を整理させてくれ。」



少し間が空いてモノノフが落ち着いてきたようなので声をかける。


「注文が多くてすまないが極力他言は控えてくれ。

 昨日一緒にいた2人と組んでいるならそこまでは話しても構わないが。」


「わかった、そうしよう。こちらからも一つ頼みがあるんだがいいか?」


「内容がわからなければ同意はできないぞ。」


「それもそうだ。実は私達3人は引率の他に目的があってこの地に来ている。

 目的というのは地竜の討伐だ。倒す自信はあるが万が一ということもある。

 私達の戦いを見届けてもらえないだろうか?」

何か似たような話を聞いたばかりだが…地竜を普通に討伐するなら見てみたいな。


「手を出さずに見ていて本当に死にそうなら助ければいいんだな?」


「概ねそんなところだ。」


「構わないぞ、だが一つ条件がある。2人ほど連れて行きたいんだがどうだ?」


「ただの見物ということなら断りたいのだが…」


「その2人というのは少し前にBランクになった冒険者でな。向上心もあるし、

 モノノフ達の戦い方が参考になればと思ったんだ。ダメなら諦めるよ。」


「そういうことなら断る理由はない。」


「助かるよ。」


「ポノハアノ2人ニ甘イナ。シカシラナハ連レテ行カナイノカ?」


「友人に肩入れしてしまうのはしょうがないさ。

 ラナはゾウの動きさえ満足に追えないから行っても呆然とするだけだろう。

 シマロバ狩りを続けていた方が有益なはずだ。」


「ナルホドナ。」


「それで、地竜の討伐はいつやるんだ?」


「私達の滞在期間は1週間。その最終日に決行する。

 それまでに初心者達に私達がついていなくても問題ないようにするつもりだ。

 7日後の朝9時にアビンザの町の南門を出たところに集合でいいか?」


「わかった、伝えておく。」


こちらの承諾を聞いて満足気に頷いた。


「では私は町に戻る。」


「ゾウ狩りはもういいのか?」


「軽く体を動かしに来ただけだ。それよりも今はこの出会いを2人に伝えたい。」


「そうか、そっちの2人にもよろしくな。」


「ああ、そちらの2人にもな。それでは約束の日にまた会おう。」

モノノフはエルクに跨り、去っていった。



同じ町にいるんだしそれまでにまた会いそうではあるが…

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