40.新しくない武器
翌朝、ラナが目を覚ましたので移動して上下分断を解除する。
ヨルムも慣れたようで、特に騒ぐことはなくなった。
「おはよう、いい朝だな。」
そういえばここに来て1週間ほど経つが雨が降ってるのを見たことがないな。
乾季なのか他に理由があるのか…
「おはよう、いい朝ね。」
「オハヨウ。」
「それじゃ食事を済ませてシマロバ狩りに向かうか。」
『ソウスルカ。』
「ちょっと待って、昨日地竜に攻撃してたら剣が刃毀れしたのよ。
新しい剣を買いに行かなきゃシマロバも狩れるか怪しいわ。」
そういえばそんなことを言っていたな。
「じゃあ食事の後に武具屋に寄るか。」
そういうわけで食事を済ませ、武具屋に向かう。
この前来た時はヨルムは寝ていたから初めてになるな。
武具屋に入ると以前と同じおばちゃんが店番をしている。
「いらっしゃい、おや、ラナちゃんと…この前のおっさんじゃないか。」
そういえば名乗っていなかったか。
『凄イ数ノ武器ダナ…質ハアマリ良クナイヨウダガ。』
『ヨルムがいい武器だと思うものが普通に売ってたらおかしいと思うぞ。』
「こんにちはー。鉄の剣を2本お願い。」
「せっかくだから俺も同じ物を2本頼む。」
「はいよー。…そっちのおっさんに鉄の剣は必要ないんじゃないかい?」
「俺の名前はポノだ。おっさんなのは間違いないけどな。
確かにこの前の剣があれば必要ないんだが趣味なんだ、気にしないでくれ。」
「コレクターってわけかい、武器が泣いてるよまったくもう…」
耳が痛いな。しかし全力で扱えない物を俺は武器とは呼びたくない。
「鞍だけかと思ってたけど剣も買ってたのね。」
「気になった物だけな。コレクターとしては
全種類買いたいところだったんだが見えない力が働いてな…」
「…?よくわからないけどきっといい剣なんでしょうね。」
「はいお待ちどう様、鉄の剣2本ずつでそれぞれ合計千円だよ。」
やっす…まぁ元の世界基準で考えるのはよくないな。
代金を支払ったところでふと疑問に思ったのでラナに声をかける。
「そういえば剣以外は使わないのか?
例えばダチョウに乗ったまま攻撃できるように槍とかさ。」
図鑑に鉄の剣をしまう。
鉄の剣:E
文字通り鉄で作られた剣。何の変哲もない。
普通すぎて感想が出てこないな。
「…そもそも私は自分のダチョウがいないもの。」
「そうだった…すっかり乗ってる姿に見慣れてしまったから勘違いしてたな。」
「力だけはある人はこれだから。まったくもう…」
何やらぶつぶつ呟いている。ラナには言われたくないが今回は俺が悪いな。
「痴話喧嘩ならよそでやっとくれよ。」
「そんなにいいもんじゃないさ。邪魔したな。」
「そんなんじゃないわ。勘違いしないでよねっ!」
…使いどころを間違ってないか?いや、一般的なのが正しいってわけでもないか。
店を出て町の外に向かう。
「準備もできたしシマロバ狩りに勤しむか。」
「そうね、今日は混んでないといいなー。
ナワツボ平原の方が良さそうだったらまたダチョウを借りてもいい?
本当はヨルムちゃんに乗れれば一番いいんだけど…」
『我ハ構ワナイガ目立チスギルトマズイノダロウ?』
『人目につかないところじゃないとダメだろうな。』
「そうね…ああ、どこかに蛇の楽園がないかしら。」
さすがにそれはないだろう…
アカネがそんな楽園を作っていることを祈るしかないな。




