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33.効率とプライド

シマロバを倒したが辺りに次が見当たらなかったのか、ラナが戻ってきた。

「ふう、今日はダメね。いつもより人が多いし。」


「場所を変えるか?ダチョウに乗れば移動にそこまで時間はかからないだろう。」


「ナワツボ平原に行くの?そうね、お願いしようかしら。」

そんな名前だったんだな…図鑑からダチョウを出してラナを乗せる。


基本的に町から遠ざかるほど強い動物が多くなるが、

更に進むとそれぞれの動物が均等くらいの割合で存在しているエリアがある。

移動に結構な時間がかかるのでそこで狩りをしている冒険者はあまり見かけない。

広さに対して個体数が多いというわけでもないが、ここよりは効率がよさそうだ。


ダチョウと並走しつつ、ラナに話しかける。


「なあラナ、組合長に聞いたんだが近々他国から初心者講習の一団が来るらしい。

 その期間中はまともに狩りができないかもしれないから

 それまでにランクをDにして一緒にダンジョンに行けるようにしないか?」


「あら、そうなの?うーん、そうね…できればそうしたいけど間に合うかしら?」


「どんな方法を使っても間に合わせたいってことであれば

 視界に入ったシマロバを順々にラナの近くまで動かせるが…」


「それはさすがに遠慮したいわ…そこまでお膳立てしてもらったら

 自分の力で強くなったなんて思えないじゃない。」


「…それもそうか。」


「それに、もし間に合わなかったとしてもずっと滞在するわけじゃないし、

 初心者講習が終わってからまた狩りをすればいいと思うわ。」


「そうだな、悪かった。」

気が急いてたのは俺の方か。反省しないとな。


「いいのよ。気持ちだけ受け取っておくわ。」


話は終わりとばかりにラナは前に向き直ったが、

「…ありがとう。」

と小さく呟いたのだった。



ナワツボ平原に着いた後はラナがひたすらシマロバを狩るのを眺めていた。


『退屈カ?』


『特にやることはないがこういうのんびりとした時間も嫌いじゃないぞ。』


『ソウナノカ、面白イモノヲ見セテヤロウト思ッタノダガ。』


『お?なんだ?そういうことなら見せてもらおう。』


『ソウ構エナイデクレ。ハードルガ上ガッテシマウ。』

ヨルムはそう言うとスルスルと地面に降り、ゾウの近くまで移動した。


『デハ始メルゾ。』

ゾウに霧状の毒らしきものを吹きかける。

ヨルムの毒は対象を限定できるとのことだったので周りに影響は出ないのだろう。

毒をかけられたゾウは見る見るうちに縮んでいった。


『おお!?これは凄いな、どういう原理なんだ?』


『対象ガ持ッテイル魔子ヲ散ラス毒ヲカケタダケダ。』

魔子を減らすと縮むのか、ナメクジじゃあるまいし…


しかし思い返すと三角地竜は一番最初に倒した奴が一番でかかった気がするな…

基本の大きさを知っておけばドロップ内容を把握できるかもしれない。

もっとも、大きくなるまでに相応の時間がかかるなら量産は無理だろうけど。


手の平サイズになってしまったゾウは魔子を散らされたにもかかわらず、

夢中で草を食んでいる。放っておけばそのうち元の大きさに戻るのだろうか?


『ドウダ?楽シメタカ?』


『ああ、いいものを見せてもらった。』


ラナはシマロバ狩りに夢中で見ていなかったようだ。

もう少しこののんびりとした時間を楽しむことにしよう。

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