32.ラナのシマロバ狩り
翌朝、ラナが目を覚ましたので移動して上下分断を解除する。
いつものように満面の笑みで挨拶だ。
「おはよう、今日もいい朝だな。」
「おはよう…ポノはいいけど蛇ちゃんまでいなくなるのは寂しいわ。」
本当にヨルムが気に入っているらしく、心底残念そうな顔をしている。
『本当ニ何事モナカッタヨウニ元ニ戻ルンダナ。』
ラナを気にする様子もなくスルスルと移動し、首元に巻きつく。
『だから問題ないと言っただろう?』
『我モ少々ノコトデイチイチ驚カナイヨウニナラナイトナ…』
「今日もシマロバ狩りか?」
「そうね、地味だけど着実に成果は上がってるわ。」
「それはいいことだ。今日は俺もついていこうかな。」
「いいけど…どうせまた途中でどっか行っちゃうんじゃない?」
「それは否定できないが…
指導する身としてはあまり間を置かずに見ておかないとな。」
「昨日は見なかった癖によく言うわ…とりあえずはご飯にしましょう。」
というわけで皆で移動し、いつもの酒場で朝食をすませる。
町を出たところでダチョウを呼び出し、購入した鞍をダチョウに装着させた。
「鞍を買ったのね。うんうん、いい感じ。…でもこれ一人用じゃない?」
しまった、2人で乗ったことをすっかり忘れてた…
「ダチョウにはラナが乗るといい。本当は自分で走った方が速いしな。」
苦し紛れの言い訳をして誤魔化す。
「えっ…じゃあ私のために?ありがとう。」
思いの外誤魔化せてしまったが、どうせバレると思ってたので少し罪悪感が…
「それじゃシマロバのいるところまで走るか。しっかり鞍に掴まってくれ。」
「わかったわ。」
しばらくダチョウと並走し、シマロバの近くに到着した。
「いつも通りに狩ってみてくれ。」
ラナはシマロバに近づいて剣を振り上げ…
「やあっ!」
首に向かって振り下ろし、見事に両断してみせた。
「おお、もう一撃で倒せるようになったのか。」
「同格の動物ならこんなもんじゃない?最初に倒すのが一番の壁なんだから。」
そういうものか、だからこそわざわざ他所から来るんだろうな。
「次、行くわね。」
と、シマロバに向かって駆け出す。
以前と比べると明らかに移動速度は増しているものの、
戦闘時間より移動時間の方が多くかかるようだ。
それさえ何とかできればランクを上げるのも早くなりそうだが…
『近ヅイテ剣デ攻撃ヲ繰リ返シテイルノカ。
コノ広イ場所デハアマリ効率ガ良クナサソウダナ。』
ヨルムもそう思ったらしい。
魔子酔いが治まったのか、今日は他の冒険者の姿も多い。
これで初心者講習なんて始まったらもっと競争率が上がるだろう。
何とかそれまでにランクを上げておいた方がよさそうだな。




