11.口は災いの元
息も絶え絶えにゴンザナシが呟く。
「あー、痛ってえ。何なんだあの技は…?」
「体に電気が流れたような痛みを与えることから
電気男と呼ばれている技だな。効果は充分感じただろう?」
「あんな激痛は久々だったよ。手心を加えてもらって悪かったな。」
「ただの手合わせなんだからあんなもんだろう。
攻撃が通じない時点で諦めてもらった方が楽だったけどな。」
「そうだな…申し訳なかった。俺のせいで愛用の鎧に穴が開いちまった。」
「それは元通りにするさ。」
くりぬいた部分を革鎧にはめ込み…
「復元!」
ゴンザナシの革鎧は手合わせ前と変わらない状態に戻っている。
「こんなことまでできるのか…ありがとう。
まだまだ目指すべき上があることを再確認させてもらったよ。」
「これくらい軽いもんだ。ラナの治療を手伝ってもらった恩もあるしな。」
「お疲れ様ー。ポノは強いねー。」
「強いとは思ってたけどあそこまでとはね…魔袋の蓋を取ってくれてありがとう。
まだ少しフワフワしてる感じはあるけどだいぶ慣れてきたわ。」
「そういえばあの蓋は生まれつきというよりは人為的な感じがしたな。
何か心当たりはあるか?ある時期から急に成長しづらくなったとか。」
ラナは少し考え込んだ後…
「組合主催の兎狩りの時は普通に強くなってる感じがあったわ。
その後だとすると…やたらと豪華そうな装備をしている男に
ナンパされて断ったくらいしか変わったことはなかったと思うけど。」
兎がどこかにいるのか、後で場所を教えてもらおう。…じゃないな。
「その男が原因だとすると断られた腹いせにってことか。」
「とにかくしつこかったのよ。最初は丁寧に断ってたんだけど
あんまりしつこいから○○○の×××に帰れって言ってやったわ!」
うわあ…ゴンザナシもマトンもドン引きしている。
「まさに口は災いの元だな。今後はもう少し気をつけた方がいい。」
「わかったわよ…でもまさかこんなことになるなんて思わないじゃない。」
「まぁ済んだことだし一つ勉強になってよかったな。」
「今日は狩りに行く予定だったが魔子を使いすぎたから俺達は町に戻るよ。」
「あたしは全然疲れてないんだけどねー。アタッカーがいないと大変だしー。」
「そうか、今日はありがとう。助かったよ。」
「ありがとうございました!」
「こっちは手をつないだだけだったけどな。
機会があったら一緒に狩りにでも行こうぜ。じゃあ、またな!」
「またねー。」
「おう、またな。」
「またよろしくお願いします。」
手を振りながら2人を見送った。
「さて、これからどうする?」
「私も戻ろうかな。完全に馴染むまでまだ時間がかかりそうだし。」
「わかった。ところで、兎ってどこにいるんだ?」
「町の西側にいるわよ。道を歩いていけば見つかると思うけど。」
「そうか、俺はそっちを狩りに行ってくる。」
「地竜を倒せるのにわざわざ兎を狩りに行くの?まぁいいけど。」
「図鑑のページを増やすのも楽しみの一つだからな。」
「そういうことなら宿に戻ったらポノの図鑑を見せてよ。
私が知ってる範囲で載ってない動物を教えられるかもしれないじゃない。」
「そりゃありがたいな。それじゃ行ってくる。」
「行ってらっしゃい、また後でね。」




