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勇者の親友は暗躍する ~クラス転移の裏側で、機甲の主は世界を統べる~  作者: Allen
教会/霊峰オルトスク

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087:TIPS_クライヴの手記『精霊教会』『天眼の聖女』






『精霊教会』



 自動人形オートマタの受注窓口を設けたことによって資金繰り問題は解決したが、色々な勢力から接触を受けるようになったのは何とも面倒なことだ。

 今回、我々に接触してきたのは精霊教会の人間だった。

 曰く、『天眼の聖女』が我々との面会を望んでいると。

 何とも面倒なことになったものだが、残念ながら精霊教会ほどの勢力を無視することもできない。

 その召喚には、応じるほかなかった。



 精霊教会がどのような組織であるか。正直なところ、それは私も図りかねている。

 彼らの勢力はあまりにも大きい。あらゆる国家組織に対して影響力を持ち、しかしながら行っていることはどこまでも穏当だ。

 慈善活動、国家間の調停、遺物の管理――私からすれば、異常の一言だ。

 あれほどの規模を持つ組織でありながら、まるで金の流れが見えてこないのである。



 精霊教会はそもそも、数百年の歴史を持つ組織である。

 その発足の経緯は定かではないが、立ち上げたのは今も組織の頂点に存在する『天眼の聖女』であるという。

 ありとあらゆるものを見通す彼女の目は、組織の運営においても非常に有効なものなのだろう。

 かの大賢者、大樹の魔女エステラと同じハイエルフ――ある意味、エステラと同じ世捨て人のようなものなのかもしれない。



 とはいえ、何故そんな彼女が我々との面会を望んでいるのか。

 確かに、私たちは活動の幅を広げつつある。

 しかしながら、精霊教会の活動範囲と被るような内容ではない。

 互いに、干渉する必要などない筈だった。


 もしや、彼女も私の自動人形オートマタを欲しているのだろうか?

 しかし、そうであればこの製作所で依頼を出した方がよほど手っ取り早い。

 わざわざ我々を、しかもオルトスクまで召喚するような必要は無い筈だ。



 事前に調べようとしたところで、その意図を把握しているのは『天眼の聖女』の近辺だけ。

 手の届く範囲で調べようとしたところで、無駄にしかならないだろう。

 面倒極まりないが、行ってみるしかなさそうだ。




 追記


 結局、精霊教会側の意図は不明確なままだった。

 『天眼の聖女』は言葉の通り、我々との面会を行っただけだったのだ。

 主に固有魔法オリジナルに関する話であったため、貴重な固有魔法オリジナル使いとの接触そのものが目的だったのかもしれない。

 警戒しすぎたのは損だっただろうか。



 ただ、一つだけ気になることがある。

 『天眼の聖女』と面会した際、■■■■の様子が普段とは異なっていたのだ。

 理由を問うても当たり障りのない答えしか戻ってこなかったが、何かしらあったことは間違いないだろう。



 私には見えぬ何か、それがどうにも、気がかりだった。






『天眼の聖女』



 久方ぶりに精霊教会からの接触があった。

 だが生憎と、私は『天眼の聖女』と顔を合わせる気にはなれなかった。



 今、■■を■■しているからこそ理解できる。

 『天眼の聖女』は■■だ。この■の■■として、■■が――否、■■■が形を成した■■。

 まさかあのような場所にいるとは。そして、何食わぬ顔で活動しているとは。



 だが、■■であることを知った今なら、その在り方も理解はできる。

 精霊教会の在り方は、『天眼の聖女』の在り方そのものだ。


 彼女はどこまでも、■の■■を目的として動いていた。

 精霊教会を立ち上げたことも、その一環なのだろう。



 あの時、私たちを呼び出して確認したのも、そのためだったのだろう。

 そして当時、■■■■は既に■■■■に至っていた。

 だからこそ、神域検閲を抜けて『天眼の聖女』の■■を把握していたのだ。

 そして――■■の■■すらも、理解してしまったのだろう。



 術式剥離などという外法に手を出してまで、その対策を行おうとした。

 あの時、私は■■■■の苦悩を理解してやることができなかったのだ。



 理解している。『天眼の聖女』が悪いわけではない。

 そして無論のこと、■■■■が間違っていたわけではない。

 ただあの時、私も■■■■に到達していたなら、別の答えも得られたのではないかという後悔があるだけだ。



 もし、私がもう一度、『天眼の聖女』に接触する機会があるとすれば。

 それは、己の全てを遺す、その準備を終えた後の話になるだろう。






TIPS回のため、12時頃にもう一話投稿します。

引き続き★評価、応援、よろしくお願いいたします。

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