表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

70/71

5月4日(土)任命式①

 今日はダイスケの任命式だった。


 上流階級の人々を集めた式典だったが、魂送りの時とは違い、正式に新聞社の列席も許可されていた。

 国民に向けての式典は行われないため、式典の様子を報道してもらうためだ。


 国王陛下の簡単な挨拶の後、今回の聖女選抜試験についての総評が発表された。


「まず最初に伝えなければならないが、聖女候補であったベルリーナ・スプリングス嬢の重大な規律違反が発覚したため、スプリングス嬢には隣国クランドスの魔獣討伐隊に同行する任を与えた」


 ストラリズ的には長らく『聖女第一候補』として君臨していたベルリーナ陥落の報に会場がざわつく。

 おそらく聖女試験をネタに賭けも行われていたらしく、会場の内ではへたりこむ貴族も見受けられた。

 ベルリーナなんかに賭けるからいけないのよ。


「しかし、この度聖女に選ばれた人物は桁外れの聖力を持ち、スプリングス嬢の件がなくとも聖女に選ばれていただろう。

 ここで、新聖女発表の前に、婚姻魔法で聖女と結ばれるユーリスから皆に発表がある」


 そう陛下から言われ、ユーリス様が壇上へと足を進める。

 その姿は凛々しく、いつもより大人びて見えた。


「まずはひとつ。

 本日から『聖女』ならびに、『婚姻魔法』という名称を廃止する。

 察しのいい者ならこの発表だけで分かるかと思う。

 今度の『聖女』は男性だ」


 これにはベルリーナの件以上のざわつきが巻き起こった。

 それはそうだ。

 これまで千年以上前から続いていた『聖女』の伝統がここにきて覆ったわけなんだから。


「今まで奇跡的に聖力の強い者が女性ばかりだったために『聖女と婚約魔法で結ばれる』という形をとってきたが、男性が選ばれた今回から『聖女』という名称を『聖配者』と、『婚約魔法』を『盟約魔法』と変える事になった」


 記者席から一斉にペンを走らせる音が聞こえてくる。

 そしてメモを握りしめた記者達が会場から走り出ていく。

 おそらく、いち早く記事にするために書き手と配達人がいるのだろう。

 会場の後方はまるで戦場のようだった。


 ここにきてユーリス様は先程までの改まった態度を軟化させて話し出す。


「僕は『婚約魔法』のままでいいって言ったんだけど、僕の親友の『聖配者』ちゃんが恥ずかしがっちゃってさ」


 その直後、舞台裏から激しい咳払いが聞こえてくる。おそらくダイスケだろう。なんて分かりやすいの……。


「では、僕の親友を紹介しましょうか。ダイスケ・ヘンミです」


 そうユーリス様に言われて、袖からダイスケが壇上に上がってきた。

 会場が一気に静まり返る。

 それは……そうなりますよね……。

次回最終回です。


*****


下にある評価・いいねボタンを押していただけると今後の更新の励みになります。よろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ