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4月30日(火)

 明日はいよいよ最終試験日。

 今回も公式的には試験内容の発表はないけれど、お父様とお兄さまは試験の予測はつくというので、ダイスケと試験対策を立てることになった。


 明日の試験は聖女としての仕事の実地テストをするんじゃないかというのがお父様達の予想だ。

 つまり、精霊に祈りを捧げてカイレーン国中に聖力を行き渡らせる試験だ。

 精霊の加護は若干だけど天候に左右されることもあるので、おそらくベルリーナと二人同時に祈りを捧げる事になる。

 

 審査基準が『遠方の聖力観測所まで聖力を到達させる速さ』を競うのか『聖力の質や量』を競うのかは分からないけれど、とりあえず試験内容的にはそう違いはなさそうだ。


 祈りを捧げる際に重要なのは『精神を研ぎ澄まして精霊の波長と繋がること』と『精霊の波長と自分の聖力の波長を合わせること』らしい。

 聖力がない私にはどちらもピンと来ないけど、魔法石を精製しているダイスケには分かるみたい。

 一般的な神官はその重用な二点を探り当てるのに長い時間がかかるところ、聖女は数分で終わるし、効力が神官より高い。

 そこが聖女が敬われるポイントだ。


 つまり明日の試験では精神集中と精霊との対話が求められるので、午後から御神木の側で予行演習をすることに。


 御神木の森に入る許可を得にお父様とダイスケと共にカイル様の執務室へ行くと、そこには偶然ユーリス様もいらっしゃった。

 私の顔をみるなりユーリス様は「ストラリズの絵姿見たよ。とても素敵だったね!」と話しかけてくる。

 ユーリス様が入り口の辺りを指差すので振り返ってみると、カイル様の執務机から見やすい位置にストラリズの切り抜きが額装されて飾ってあった。

 考えていることは私と一緒ね!


 カイル様から許可を得られたので御神木へ行こうとしたら、カイル様から「このあと時間が取れるならお茶でも……」とお誘いされてしまった。

 父上は「ダイスケの付き添いは私だけで大丈夫」というし、ユーリス様も「僕もダイちゃんに付いていこう」というので、そのお言葉に甘えることにした。

 ユーリス様がダイスケに付いていくと言い出した時に相当にやけていたらしく、お茶会のときにカイル様に「顔に出すぎだ」とつっこまれてしまった。

 いけないいけない。気を付けないと。


 カイル様と執務室でお茶を楽しんでいると、私たちと同じく御神木の森に入る許可を得にきたベルリーナとアライザスがやってきた。

 私は直接彼等と話はしなかったけれど、部屋に飾ってあるストラリズの絵姿を見て、ベルリーナが苦虫を噛み潰したような顔になっていたのは見逃さなかった。

 最高の気分ね。


 その後、御神木の森に行った二組が遭遇したらしく、ひと騒動あったみたい。

 なんでも、ダイスケを見るなりベルリーナがめそめそ泣き出してそのまま帰ってしまったとか。

 ストラリズにユーリス様とダイスケ(仮)のラブラブ絵姿が載ったのが気に食わなかったのかも。

 

 ベルリーナの一件があったとはいえ、御神木での予行演習はうまくいったみたい。

 明日でいよいよ試験が終わる。

 果たして軍配はどちらに上がるかしら。


*****

「その……明日の試験の後だが」

「わたくしに伝えたいことがあるとおっしゃってましたわね?」

「そうだ。忘れないでいてくれて感謝する」

「忘れられるものですかっ!

 気になって気になって、わたくし、魂送りの日から寝不足ですよの!?」

「そ、それはすまないことをした……。

 とはいえ私も寝不足なんだ。

 どうにも緊張してしまってな」

「じゃあ試験の終わりを待たず、今おっしゃってください」

「そ、それはそれで情緒がないというかなんというか!」

「それではわたくし達は今日も眠れない夜を過ごすわけですわね……」

「明日は必ず伝えるっ」

「……ほんとですのぉ~?」

「……た、多分な……」

「カイル様っ!?」

「いやいやいや! 必ず伝える!」

「ほんとかしら……」


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