4月29日(月):ベルリーナside
許せない許せない許せない!
こうなったのはみんなストラリズのせいよ。ストラリズが余計な事を書いたからユーリス様が魂送りの途中で帰られてしまったんだわ。
アライザスは「お前がある事ない事をあちこちで言いふらすからだ」なんて言うけど、こっちからしてみたら、ストラリズに売り込みに行く奴らや、ユーリス様を不機嫌にさせるような記事を書く記者が悪いのよ。
だいたい、なんなのよ。今日のストラリズ!
アニーとカイル様の絵姿が一面だなんて!
聖女候補は私なのよ。なんでただの補佐官が一面になるのか訳がわからない。
アニーの地味で面白味のないドレスより、わたしのドレスの方が数百倍素敵だったのに。
わたしのドレスがちょっと目立ったからって、あんな風にわたしを常識はずれみたいな記事を書かないでほしいわ。
わたしにダンスを申し込んできた神官達はみんなわたしのことを可愛いとかきれいって言ってくれたし、ドレスもすごく誉めてくれたもの。
新聞記者っていうのはどいつもこいつもセンスがないのね。きっとそう。
あと、許せないのはあのおっさんよ。
舞踏会に参加しないくせに宴会ですって?
しかも自分で料理?
あの根暗なおっさんの事だから、どうせしみったれた不味い料理を作ってユーリス様に食べさせたんでしょ。
そんな小間使いの真似事をしてユーリス様の気を引こうだなんてあり得ない。
……そうよ。あり得ないのよ。
どうして気付かなかったのかしら。
やっぱりあの男、何か卑劣な事を企んでユーリス様を脅していたんだわ。
カイル様はストラリズに載った記事が問題だなんて言ってたけど、そんな事だけでユーリス様がこのわたしを置いてきぼりにするはずがないじゃない。
私が聖女になるだけじゃ駄目ね。
あの男を破滅させないと、いつまでもユーリス様につきまとうかもしれない。
そんな事をされたらユーリス様との結婚にも支障が出ちゃう。
手っ取り早く殺してしまえばいいと思うけど、精霊の加護のバランスが崩れるって前にアライザスが言っていたし……。
明後日の最終試験が終わるまでに策を練らないと。
*****
「ユーリス様がダイスケに脅されているだと?」
「そう考えないと色々と辻褄が合わないんですもの」
「辻褄が合ってないのはお前の方だ」
「なによ、その言い方!
あのおっさんをどうにかしないといけないのは貴方も一緒でしょ?
彼がどうにかなっちゃえば、その責任をとって神官長は辞任。
アライザスが晴れて次の神官長よ?」
「そ、それは……」
「お互いの利害関係は一致してるんだから協力しあうべきだと思うの」
「……しかし」
「もし協力してくれないなら、魔法石の件で不正をしたことをバラしちゃうんだから」
「……か、考えさせてくれ……」
「最終試験は明後日なんだから、早く決めてね」
「あぁ……」
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