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4月29日(月):ダイスケside⑥

 ユリ君に言われた数の魔法石をその場で作り続ける。

 昨日の件で『もし聖女になった後の事』にふっきれたからか、調子よく魔法石が精製できた。

 キリアンとジョン君は餃子作りの手を動かしながらも僕をガン見してくる。

 自分ではそんなに凄いことをしている自覚はないので、ああも見られ続けるとなんだか気恥ずかしかった。


 ユリ君は運んできた部材を器用に組み立ててコンロの枠組を作った。

 サイズでいうなら大家族が使うホットプレートくらいのサイズ。

 大きすぎず、持ち運びも可能な大きさなので使い勝手は良さそうだ。

 鉄板をはずすと魔法石を組み込む穴が開いていて、僕が作り終えた魔法石を次々とセッティングしていく。

 砂利サイズの魔法石を全て入れ終えると、調整がてらのテスト始動が始まる。


 ジョン君から端野菜を分けてもらい鉄板の上に置くと、数秒後に微かながらジュウジュウと焼ける音が聞こえてきた。

 どうやら魔法石ホットプレートは大成功したみたいだ。

 ユリ君曰く、僕のアイデアを取り入れて温度調節可能・アタッチメントの交換が簡単な仕様にもなっているとのこと。

 ユリ君は本当に魔道具作りの天才だ。


 大きめの魔法石を作るには時間がかかりそうだったけど、その分キリアン達の餃子作りが難航していたので、焦らず精製することにした。

 キリアンがどうしても餃子を上手く包めず、半ばヤケになって皮を破きまくっていく。

 コンロを作り終えたユリ君が、キリアンの手を取って丁寧にひだを付けるやり方を教えてやる姿を見たジョン君が「ここだけみるとキリアンさんの方が主人みたいですね。ダメ主人ですけど」と言って笑う。

 立派なカイゼル髭の不器用ご主人様と、それを甲斐甲斐しく支える美麗なフットマン。

 この二人を知らない人がみたら確実にそう見えるに違いない。


 それが妙にツボに入ってしまって笑いが止まらなくなっていると、手の中の石が急速に魔法石に変わる感覚が肌に伝わってきた。

 どうやら僕の精神状態と精霊の加護がリンクしているのは確実なようだ。

 以前の試験の緊張した状況より今の方が魔法石を精製しやすいのはそのためだろう。

 ということは聖女になったら僕は毎日精神状態を健康的に保っていないと、国の繁栄に影響があるのでは……なんて思ってしまったが、今はそんなことは考えないでおこう。


 キリアンがなんとか上手く餃子が包めるようになった頃、僕の魔法石も無事に精製し終えた。

 さて、いよいよ青空宴会スタート……という時になって、まさかの追加ゲストが現れた。


 カイル様だ。


*****

「ねえねえ。ダイちゃんの好きな人のタイプってどんな感じ?」

「な、何をいきなり……」

「いいから答えて! 性格は?」

「うーーん……。女性ってことを盾にしてるタイプは苦手かなぁ。

 あ。ってことは、対等に話せる人が好きなのかも。趣味が合うとかさ」

「なるほど? じゃあ年齢は?」

「年上でも年下でもいいけど、離れすぎてない方がいいかな……?

 っていうか何でそんなことを聞くのさ」

「この間ベルリーナ嬢が『ダイスケさんがわたしのこと、やらしい目で見てくるんですぅー』って言ってたからさ」

「はぁ!? 僕に少女趣味はないよ!?

 まさかユリ君、その言葉を信じてたの?」

「そんな訳ないじゃん」

「今までのダイスケの好みを聞く限り、ベルリーナ嬢はダイスケの好みの真逆だな」

「そりゃそうだよ……。

 自分の娘でもいい年齢の子をやらしい目でなんて見られないよ」

「年齢が近くて、対等に話せて、趣味が合う人が好みってことは……。

 キリアンさんがぴったりですね!」

「ジョン君、ちょっと黙ろうか?」

「来月の給与査定、覚えてろよ。

 料理長に掛け合って減給してやるからな」

「そ、そんなぁ!!」

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