4月29日(月):ダイスケside⑤
【お知らせ:2022年7月21日】
人物紹介ページにジョン、キリアン、アニーの父と兄の紹介文とイラストを追加しました。
部屋に戻ると普通に宴会が再開した。
最初こそぎこちなさはあったけど、酒の力を借りて無理矢理軌道修正をする。
ユリ君が「問題は解決したから、もうこの話題はおしまい!」って言ってくれたのも助かった要因のひとつだ。
その日は日付が変わる前からユリ君とジョン君が次々と寝落ちしていき、僕とキリアンは一時過ぎまでサシ飲みをした。
寝る前に締めの味噌汁を作ってキリアンと二人で飲んでいたら、酔いが覚めていないジョン君が起き出してきて、「ぼくにものませろ」と絡んできたのには笑ったな。
今まで飲んだことがない味噌汁を気に入ったらしく、僕の言うレシピをちゃんと書き留めていた。
さすがは将来有望な料理人だ。
昨日は昼前にキリアンに叩き起こされる。
ジョン君は最初に起きてブランチを用意してくれていた。
一番遅くまで寝ていたのはユリ君と僕だ。……申し訳ない。
皆で食事を取りながら、今日はなにをするのかユリ君に聞くと、特に決めてないと言うので、それぞれがやりたいことを一つ挙げることになった。
僕「のんびりしたい」
ジョン君「天気がいいから外でピクニック」
キリアン「餃子包みリベンジ」
ユリ君「皆でなにかをして遊びたい」
ユリ君が『遊ぶ』といい出した時点で僕の『のんびりしたい』は却下されたようなもんだけど、まぁ仕方ない。
ジョン君とキリアンの案を主軸にするのが良さそうなので、『外で餃子BBQパーティー』を提案してみた。
こちらの世界でBBQの概念がないらしく一から説明する。
鉄板と金網と炭さえあればできるので、この世界でも再現は可能だ。
ジョン君とキリアンに食事の方を任せ、僕はユリ君のBBQコンロ作りの手伝いをする事になった。
簡易的な焼き台を作るのかと思っていたのに、ユリ君は魔道具を作ると言い出した。
「炭だと火力調整が面倒そうだし、どうせなら持ち運びができるようにしたいじゃん」
つまり、僕がいた世界の『ホットプレート』を作るわけだ。
どうせなら鉄板部分を外せるようにして、鍋にも対応できるものを作れないかとお願いしてみる。
だって、それがあれば冬に鍋パーティーもできるじゃないか!
特殊な鉄板が作れれば、たこ焼きだってできるかもしれない。
聖女選抜試験に落ちたら、こちらの世界でたこ焼き屋を開業しちゃったり……なーんて。
ユリ君は城に戻って部材を取ってくる間、僕は庭園のすみに転がっている石を拾い集める。
大小様々な石を袋に集め、キリアン達が作業をしているスペースの近くに置く。
同じタイミングで、部材を担いだ使用人達を引き連れてユリ君が戻ってきた。
「それじゃ、始めようか。
ダイちゃんは火の魔法石を作ってくれる?」
*****
「どれくらい作る?」
「手のひらサイズが三個、それよりもちょっと小さめが五個、砂利サイズが十個くらいかな。できる?」
「了解」
「おい、ダイスケ。なにが『了解』だ。
そんな大量の魔法石、日が暮れても作り終わ……え?!」
「ん? なに?」
「も、もう作れたのか!? しかも御神木から離れてる場所なのに!?」
「一番小さいのが数個しか作れてないよ」
「いや、それでも凄すぎだろ……。信じられん……」
「キリアン。だから前から言ってただろ。
次の聖女はダイちゃんしかあり得ないって」
「ダイスケ……お前、ただのへなちょこで根暗なおっさんかと思ってたけど、本当は凄い男だったんだな……」
「地味に酷い事を思ってたんだな、キリアン!」
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