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4月29日(月):ダイスケside①

このパート、大分長くなりそうです。

一気に読みたい方はしばしお待ちください。

 最近色々あったから日記に書いておく。


 魂送りの日、午前中から城へ行った。

 夜の『我々の魂送り』に料理を間に合わせるには、当初の予定だった夕方からでは確実に間に合わないからだ。


 城に到着すると、以前会った時の燕尾服とは違い、白シャツ姿のラフな格好のキリアン(同い年だしタメ口でいいよなという事になった)が出迎えてくれた。

 いつものオールバックとは違い、髪型もラフなせいか幾分若く見える。

 城の厨房に向かうかと思いきや、案内されたのはキリアンの自室だ。


「今夜の魂送りの会場は俺の部屋だ」


 『執事』というと、他の使用人達と一緒に食堂で食事をするイメージがあったけど、キリアンは基本的に自炊しているらしく、大きな冷蔵庫(こちらでは魔冷箱というらしい)、一通りの調味料、料理道具が自室に揃っている。

 それでもキッチン付きの部屋を与えられた使用人は彼だけらしく、「こう見えて実は結構偉いんだぞ」と軽く自慢された。


 部屋ではジョン君が既に支度を始めていた。

 彼も前に会った時のシェフの格好とは違い、ラフな格好だ。

 つまり今日は「王子とと聖女候補の付き添い業務」というより「休暇を利用して皆で魂送りを楽しむ」という体らしい。

 仕事として付き合われるより、そっちのほうがずっといい。


 こちらの世界の料理はどちらかというとフランス料理に近い。

 下町の酒場で出る料理もフランスの地方料理的なところがある。

 今回は僕が主導してメインの料理を作ることになっているので、思いきってアジアン料理(キリアンオーダーのアヒージョ以外は)を提案してある。

 以前の打ち合わせの時に下ごしらえしておいてほしいものをジョン君に伝えてあったので、あらかた準備は終わっていた。


 今回のメインは餃子!

 大学の頃、ゼミで餃子パーティーがあったにも関わらず、僕だけ誘われなかったあの苦い経験……。

 それをこちらの世界で吹っ切ってやろうと思ったんだ。


 餃子の皮の玉を作るのは僕がやって、小分けに伸ばす作業をキリアンとジョン君にやってもらう。

 その間、僕は餃子の種を作ったり、もつ煮を仕込んだりと大忙しだった。


 魂送りの日のメニューはこんな感じ。

・餃子

・海鮮サラダ(和風ドレッシング)

・味噌もつ煮

・醤油ベースの唐揚げ

・ネギチヂミ

・だし巻き玉子

・キノコとひよこ豆のアヒージョ


 こんなに大量の料理を一気に作ることなんてなかったから不安でしかなかったけど、大体の作り方をジョン君に伝えたら、作る時間配分を計算してきてくれた。

 さすが将来有望な料理人だ。


 餃子の皮の準備が終わったら、ついにお楽しみの作業の始まりだ。


*****

「あれ。ビールは?」

「そこにケースがあるだろ」

「えっ、これビール? 冷やさないの?」

「は? ビールは冷やさないだろ」

「あー。僕のいた世界でもビールを冷やさない国の方が多いって聞いてたけど、カイレーンもなのかぁ」

「お前のいた国では冷やしてるのか」

「そうだねぇ。仕事終わりにキンキンに冷えたビールをグビッとやると、一日の疲れが一気にぶっ飛ぶんだよ」

「キリアンさん、このビールも冷やしましょうよ。

 今日の料理はダイスケの世界の料理ですし、ビールもダイスケの世界に合わせましょう!」

「それもそうだな」

「やった♪」

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