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4月28日(日)

 ベルリーナには「読むだけ時間の無駄」と言ったにも関わらず、昨日の魂送りの記事がどう載ったのか気になってしまい、ストラリズを買ってしまった……。


 自分の事が載っているかもしれない新聞を買うのは気が引けたので、多めのお駄賃を渡してメイドのメルに買いに行って貰った。

 買い物から戻ったメルの手には何故か新聞が二部あった。

 「お嬢様とカイル様の絵があまりに素敵だったので、私も欲しくなってしまって!」と、メルは興奮気味だ。


 メルからストラリズを一部貰って開いてみる。

 一面は魂送りの全容を伝える記事だったけれど、大きく取り上げられた詳細画は私とカイル様の絵姿だった。

 私もカイル様も幸せそうな笑顔を浮かべた、とても素敵な絵だった。


 二面にはユーリス様の記事と共に、悲しげなベルリーナの絵姿が載っている。

 タイトルは『純白の花嫁衣裳を纏った聖女候補、異世界召喚聖女候補に王子を奪われる!?』だ。

 奪うだなんて人聞きが悪いと思ったが、記事をよく読んでみると、ベルリーナの純白ドレスを批判していたり、ダイスケの『前聖女を想って魂送りをするために、使用人達と料理を作る行為』を称賛している。

 今までベルリーナの事を褒めまくってストラリズも、あの場違いな白いドレスの異様さは庇いきれなかったようだ。

 

 詳細は分からないとはいえ、ユーリス様から『異世界召喚の聖女候補は心優しい料理好き』というワードが公表されたため、なぜかダイスケの想像の絵姿も掲載されている。

 腰まであるロングのストレートヘアーで、儚げな笑顔の女性がユーリス様の隣に立っている。

 思わず大声で「誰なのよ!」と叫んで大爆笑してしまったので、近くで給仕をしていたメルを驚かせてしまった。

 まぁ、メルもダイスケ想像図を見て大爆笑していたけれど……。


 確かにこうやって自分にプラスになる出来事が記事になるのは気持ちがいい。

 この快感が癖になって、ベルリーナはわざと新聞社に持ち込まれそうなネタを大声で喋り回っていたのだろう。

 その点は彼女を反面教師にして気を付けないといけない。


 ……とはいえ、その場にいたメルに再度お駄賃と新聞代を渡して、二部目を買いに行って貰ったのは秘密だ。

 二部目のストラリズは、カイル様との絵姿を切り抜いて額に入れて飾った。

 

 隣の部屋から聞こえてくる声から察するに、どうやらダイスケが来たみたい。

 お父様とエド兄さまも一緒らしい。

 神官補佐官として神殿に住み込みだったエド兄さまに会うのは何ヵ月ぶりかしら。

 後でごあいさつにいかなくちゃ。


*****

「お父様、エド兄さま!」

「やあ、アニー! 久しぶりだね」

「って、お父様方、その新聞の束は……?」

「いや、その。

 二人でカイル様にご挨拶をと思ったら、カイル様がストラリズを読んでらっしゃってな……」

「こんな素敵な妹の絵姿、何部あってもいいだろ?

 だから、いろんな販売店に寄って、ストラリズを買い漁ってきたんだ!」

「ダイスケ、なんで二人を止めてくれなかったの!?」

「それを言うなら元凶はカイル様なんで」

「……どういうこと?」

「カイル様が今日のストラリズを大量に買ったうえに、我々には譲ってくださらないんですもん。

 見かけたら買ってしまいたくなる気持ちは分かります」

「ただでさえ今日のストラリズは人気なようで、品切れの店が多くて参ったよ…」

「か、かいるさまったら……」

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