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3月28日(木):選抜試験一回目①

 今日は一回目の聖女選抜試験だった。

 試験内容を知らされていない私達が連れていかれたのは王室直轄の牧場。

 遠くにユニコーンの群れが見えた途端、まずいことになったと思った。


 ユニコーンといえば「清らかな心を持つ処女になつく」という特殊性癖。

 ユニコーンに、より良い聖女を選ばせる内容の試験だったら確実にダイスケの負けだ。


 だって『処女』な訳がない。

 どこからどう見たって紛うことなき『おじさん』だもの。


 嫌な予感は的中。

 五頭のユニコーンと聖女候補が触れあい、その様子を審査する試験だった。

 どちらが多くなつかれるかを競うわけではなく、全体評価で判断するとの事だったけれど、ダイスケの元にユニコーンは寄り付くはずもなく、一体何を審査するというんだろう。


 私は真っ先にカイル様に文句を言いに行った。

 明らかにダイスケに不利な内容すぎる。

 カイル様は眉一つ動かさず、歴代聖女選抜試験で行われる事なので変えることは出来ないと答えた。

 そしてそのすぐ後に「そういう訳なんだ、ごめんよ」と声をかけてくださるユーリス様。

 その後、ユニコーンのことを全く知らないダイスケにアドバイスも教えてくれた。


 あぁ……。あの時のユーリス様、本当に素敵だったわ。

 それに比べてカイル様の冷たさときたら。

 だからあの人、苦手なのよ。


 結局、ダイスケに不利なまま選抜試験は始まってしまった。


*****

「カイル様! この試験はあまりにもダイスケに不利ではありませんか!」

「ユニコーンによる試験は歴代選抜共通のものだ。

 今回だけ特例というわけにはいかない」

「そういう訳なんだ。ごめんよ」

「ユーリス様っ!!

 ……か、かしこまりましたわ……」

「あ。ダイスケはユニコーンのことは知ってるのかなぁ?」

「僕のいた世界では神話の生き物で、名前しかしらないですね……」

「うわ。最初に聞いておいてよかった……!

 ダイスケは間違っても近寄らないようにね」

「えっ。でも近寄らないと試験にならないんじゃ……」

「ユニコーンは『心が清らかな処女』以外が近寄ると頭の角で……」

「角で……?」

「刺し殺す(にこ)」

「さ、さしころ……す!?!?」

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