4月22日(月):ベルリーナside
今日の『ストラリズ』でも私の特集が組まれていた。見出しのタイトルは『週末に開催される魂送り。聖女候補ベルリーナ嬢のエスコートのお相手は!?』だ。
わたしとユーリス様の記事が載り始めた頃はもっと大袈裟に書いてくれていいのにって思ってたけど、ユーリス様は恥ずかしがりなのかこういう記事に困っちゃってるみたい。
だから今じゃこの特集がありがた迷惑でしかない。
だってこの記事のせいで、話題にも上がらないあの女を憐れんだユーリス様がエスコートするだなんて言い出したんだもの!
ユーリス様ったら優しすぎるのよ。
こんなことが続くなら記事の差し止めをさせたいけど、わたしとユーリス様の事を知りたい人たちの気持ちもわかるから、抗議なんてできないけどね。
魂送りが終わった後にはきっとまた大々的な特集が組まれるんでしょう。
ユーリス様にはごめんなさいだけど、ちょっと我慢してもらわなくちゃ。
いつかは恋愛小説代わりに後世まで読まれ続けていく記事になるんだもの。
招待客の中にはきっと新聞記者も紛れこんでるにちがいないから、とびきり豪華なドレスを用意しなきゃ。
新聞絵師がぱっと見て直ぐに目につく明るい色がいいわね。
そうなるとやっぱりユーリス様の髪の色と同じレモンイエローがいいかしら?
聖女らしく純白も捨てがたいわね。
でもそれじゃあ『ユーリス様との結婚式を思わせる』とか新聞に書かれちゃうかしら。
魂送りだから暗い色の服を着てくる人が多いでしょうけど、別にそうしろって規則はないし、神官達はいつもの白いローブだから、わたしだけ浮くってことはないでしょ?
でもアライザスから文句を言われるのも嫌だし、後で確認しないといけないかな。
面倒くさいなぁ。
それにしても、エスコートの件で揉めていた時、あのオヤジはカイル様に何を言ったんだろう。
あいつが言った一言がカイル様を通じてユーリス様の気持ちを変えたのは間違いない。
別室から戻ったカイル様の様子もおかしかった。
もしかしてあの妙に強力な力を使って、カイル様やユーリス様に何か害を加えているのかしら。
何か探りをいれないといけないかも。
ユーリス様を守れるのはわたしだけなんだから。
*****
「舞踏会で着るドレスなんだけど、白でも構わないでしょ?」
「魂送りで流石に白は……」
「白はダメって規則はないでしょ?
それに貴方達神官は全員白いローブじゃない」
「どうしても着たいなら止めないが、世間知らずで常識がないと馬鹿にされるぞ」
「じゃあ黄色は? ユーリス様の髪の色よ」
「落ち着いたクリーム色なら白よりマシかもな。
でも無難に暗い色のドレスを選ぶべきだ」
「なによ、つまらない男ね!
もういい。ユーリス様にご相談するもん!」
「勝手にしろ……」
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